Motohiro Tanji


丹治 基浩
Motohiro Tanji
慶應義塾大学卒業後、イギリスのノッティンガム・トレント大学MAニットウエアデザイン科を首席で卒業。メゾンにニットテキスタイルを提供するイギリスのAcorn Conceptual Textilesを経て、2012年に帰国。’13年春夏シーズンより、モトヒロ タンジをスタート。

第81回候補作品。「地図」をテーマにプログラミングでパターンを制作。
現在の原動力へとつながった、コンテストでの様々な経験と挫折
装苑賞は僕のデザイナー人生において大きな分岐点となったコンテストなので、本当に感謝しています。応募した当時は、慶應義塾大学で3Dを学んでいました。ファッション業界の仕組みがどうなっているのか見当もつかなかったので、とにかくコンテストにトライしていた時期です。現在はニットブランドを展開していますが、大学時代は3Dなどのテクノロジーを使って布帛の服のデザインをしていました。
ニットとの出会いは、2度目に挑戦した装苑賞の2次審査を通過できなかったことがきっかけ。このままではいけないと、表現方法を探っていった結果、ニットという表現に行き着きました。もし最終審査まで進んでいたら、ニットに出会うことはなかったと思います。装苑賞をはじめ、どのコンテストでも思うように結果を出せず悔しい思いをしましたが、その時の挫折も含めた様々な経験が現在の原動力につながりました。

第82回は江戸川乱歩の『鏡地獄』をテーマに、球体の鏡の内側から見た世界を服で表現。
また、コンテストを通じて培った服作りやポートフォリオ、デザインの技術が今につながっているので、挑戦してよかったと思っています。そして、審査員を務めるデザイナーの先生方のお話もその後の創作の糧となっています。学内だけでは自分の実力がどの程度のものなのか、なかなかわからないですが、コンテストに挑戦することで自分の力を知るきっかけの一つになるので、それだけにこだわらないのはもちろんですが、学生時代はコンテストに打ち込む時期があってもいいと思います。

独自のテクスチャーにこだわり、ウエアから小物までトータルで提案するニットブランド、モトヒロ タンジ。毎シーズン、オリジナルの編み地を開発。独自のニットを追求した、アートとファッションを融合したコレクションを発表している。2025-’26年秋冬コレクションでは、「穴」をテーマとしたユニークなフォルムが美しいローズレッドのニットなどのアイテムが展開された。