FUMITO GANRYU

丸龍 文人
Fumito Ganryu
1976年生まれ、福岡県出身。文化ファッション大学院大学を卒業後、コム デ ギャルソンに入社。ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソンにてパタンナーを務める。2008年、同社内で自身のブランド、ガンリュウ(GANRYU)をスタート。当時、コム デ ギャルソンで最年少のブランドデザイナーとして注目を集める。独立後、’18年にフミト ガンリュウを立ち上げる。

第78回候補作品のポートフォリオ。服そのものでなく、見る人の見方により変化する衣服を流動的なペイントで表現。
コンテストジャンキーだった
日々のこと
僕は学生時代、いわゆるストリート系の格好をしていたんですが、不思議と興味があったのはレディスでした。自分の服装とはまったく違うドレスを作るのが面白かったんです。コンテストは「真面目でアカデミックな人が挑戦するもの」というイメージがあったんですが、周りのみんなが応募しているのを見て、流れに乗るように僕も地方のコンテストや装苑賞に毎回のように応募していました。
コンテストは結果だけじゃなくて、ネットワークが広がる面白さがあります。友達同士で切磋琢磨して、「こいつ、また面白いの作ってるな」「次はやり返したいな」と刺激し合う。プロの世界も見ていましたが、僕にとっていちばん身近な原動力になっていたのは、同じ学生たちのものづくりでした。挑戦を続けていると、デザイナーや企業の方から声がかかるといったチャンスがあるかもしれない。今はSNSの時代だからこそ、自分がつながっていない人たちに見てもらえる場所は大切です。あくまで個人的な考えですが、作り手として必要な感覚の一つに『良いルールを発見し、発展させる力』があると思っています。完全な自由からは何も生まれない。だから自分で縛りを作る。その縛りが、創作を押し上げてくれるんです。
装苑賞がフェアだと思うのは、デザイン画のうまさだけでは評価されないところ。僕らは絵描きではないので、ポートフォリオの作り方だったり、文章で伝える力だったり、そういう部分も見てもらえる。デザイナーはプロになったとしても、お客さんにプレゼンをし続ける仕事ですから。

フミト ガンリュウは、「既成概念を超える自由な衣服」を軸に、日常着に実験的なパターンや機能性を融合するブランド。2026年春夏コレクションは「Adventure(r)/冒険(家)」がテーマ。アウトドア由来の機能素材や多様なポケットを用い、都市と自然を横断する自由なライフスタイルを提案。実用性と遊び心を兼ね備えた現代的なワードローブを表現した。