YOHEI OHNO

photo : Bryan Tang
大野 陽平
Yohei Ohno
2011年、文化服装学院卒業後、文化ファッション大学院大学に進学。ノッティンガム・トレント大学に留学。帰国後、’14年にヨウヘイ オオノを始動し、’15-’16年秋冬にデビュー。’16年、TOKYO FASHION AWARD 2017受賞。’18年、International Woolmark Prizeファイナリスト選出。’19年に「DRESS LINE」、’21年に着物のデッドストック反物を利用した「3711 Project」を始動。’25年、TOKYO FASHION AWARD 2026受賞。


第86回候補作品のテーマは「Arcimboldo Skull」。アルチンボルドの「寄せ絵」をインスピレーション源に、画をコラージュ。デジタルプリントの立体的な造形が際立つ作品に仕上げた。
コンテストでの作品への評価を、
一つの試金石にしてほしい!
装苑賞に応募したのは、文化ファッション大学院大学(BFGU)の1年の時でした。その頃、アイデアをなかなか形にできず、2次審査に作品制作が間に合わなかったんです。なんとか前身頃は作れたのですが、後ろはボロボロ。ファンだったドレスキャンプの岩谷俊和さんの審査では、怒られることを覚悟していたのと裏腹に、「後ろ汚いね」と笑いながら和やかに指摘され、かつ、最終審査の候補者に選んでくださった。未完成な作品にポテンシャルを見いだしていただいたことが嬉しかったし、賞はとれなかったけれど、岩谷さんの「よかったよ」という一言が救いでした。
これから装苑賞に挑戦する人に伝えたいのは、コンテストで選ばれる作品の傾向もわかると思いますが、そこを目的にしてはだめ。あくまで自分の作風を持った上でのコンテストを意識することです。そして、共に挑む仲間たちと切磋琢磨し合う関係は、これからも続いていくと思うので大事にしてほしいです。
今の時代、デザイナー像は、優秀な起業家のように説明的になりすぎている気がしています。僕の中では、ファッションデザイナーは矛盾や愚かさを含めて、人間自体を肯定する力のある存在なんです。僕自身も単に従来型のブランドビジネスを続けていく、というスタンスより、もっと広義の意味でのデザインに視野を広げて、ユニフォームやインテリアの仕事など、ファッションで培った経験を生かして、ワクワクするようなアイデアをどんどん形にしていきたいと思っています。

アートと日常、造形とユーモア、規範を逸脱する美意識を核に、独自のフォルムメイキングと実験的アプローチにより、衣服と身体の関係を再定義するヨウヘイ オオノ。2026-’27年秋冬は、「Ideal Palace」をテーマに、これまで蓄積してきたアイデアやテクニックをアップデートした一つの節目としてのコレクションを発表。構築的なフォルムのスカートや、アーティストとの協業でオブジェのようなドレスなどが登場した。