ラランドに文化服装学院の学生が質問!
サーヤとニシダが語る、ファッション、ものづくりへの向き合い方、会社を立ち上げた経験から得た学び


2021年に個人事務所「レモンジャム」を設立し、多彩な活動を展開してきたお笑いコンビ・ラランド。今年、設立5周年の節目を迎えるレモンジャムのアニバーサリー企画として、『装苑』が文化服装学院の学生を集めた公開インタビューを敢行!

ラランドファンが多い文化服装学院。会場には100名以上の学生が集結し、その場で、ラランドのお二人に学生達から寄せられた質問に答えていただきました。

ファッションのこだわり、ものづくりへの向き合い方、社長・サーヤさんと社員・ニシダさんという関係性だからこその仕事論や、会社を立ち上げた経験から得た学びなどなど、幅広く深いお話がたくさん。5年の歩みを振り返りながら、挑戦を続ける人へのメッセージをお届けします。

期待のニューカマーの作品
を身にまとって登場!

ラランドのお二人を迎えた会場には、文化服装学院の在校生100名以上が集結。大きな歓声に包まれる中、サーヤさんとニシダさんが登場! この日、衣装として着用いただいたアイテムは、文化服装学院の卒業生である桂日向映さん(サーヤさん着用)と小倉拓海さん(ニシダさん着用)の作品。その感想をお二人に聞いてみると……。

サーヤ:これ手描きなのかな? 生地が可愛い! あとパンツにまたパンツを重ねていて、裏はレースなんです。もはや時計をベルトにしてるのも驚き。めっちゃいい感じですね。

装苑編集部:ニシダさんに着ていただいている作品を制作した小倉さんが、今日、この会場に来ています。

サーヤ:制作者がいるんだ! どうですか? 意図する形ですか、この状態は。

ニシダ:俺が着られるレースなんてなかなかないからね。すごいですよ。

文化服装学院の学生たちが
ラランドに質問!

①ファッションのこと

Q.ニシダさん、ファッションに対してあまり好感を持っていないようですが、文化服装学院に来て今正直な気持ちを教えてください。

ニシダ:おっしゃる通り、好感は持っていないんですけれども……。ただ、洋服は誰かが開発してくれないといけないじゃないですか。この会場にいるみなさんがファッションを前に進める人たちだと思うので、すごいなと。けど、自分でおしゃれな服を着ようという気持ちは全くないです。

サーヤ:ニシダはファストファッションの権化、いや餌食ですよ。

ニシダ:3ヶ月Tシャツを着て捨てて、また買うみたいなことをしてますからね。

サーヤ:最低です!

装苑編集部:ファッションに好感を持たない理由はなにかあるんですか?

サーヤ:めちゃくちゃ闇深いと思いますよ。この質問から紐解いていくと。

ニシダ:何が嫌なんでしょうね。

サーヤ:おしゃれをしてる自分が許せないんでしょ。

ニシダ:いいえ、そんなことはないんだけど。

サーヤ:大学生の頃から、私がギミックのある服を着てるとしつこく聞いてきたんですよ。「ここにボタン付いてる意味あるの?」とかって。私はそれがすっごい嫌だったんです。いや、意味ないからいいんじゃん!っていうのをずーっと言ってるんですけど、通じないんですよね。

ニシダ:その衿、なにか意味あるんだっけ、とかすぐ思っちゃって。そういうところが向いてないんだろうな。

Q.サーヤさんがファッションからネタや創作のヒントを得ることはありますか?

サーヤ:コントは衣装が肝になりますね。特に男性の格好が一番シビア。こういう喋り方をする人は大体こういう服を着てるとかって、結構細かいレベルで性格と紐づいているんです。例えば、早口の人のファッションってあるんですよ。この間の単独ライブ(「夢夢夢」)では、「坂本裕二作品に出てきそうな男」を演じるために、松田龍平さんを参考にしながら4箇所くらいセーターを探しに行きました。

装苑編集部:「坂本裕二作品に出てきそうな男」の衣装のポイントは何ですか?

サーヤ:気を使っていないように見えて、気を使っている格好です! 特に、チノパンとセーターは意識して使いましたね。

Q.もし『装苑』の撮影で自由にテーマを決められるとしたらどんなファッションの企画をしたいですか?

サーヤ:SFの世界観が好きなんですけど、レプティリアンって分かりますかね?地球に紛れ込んでる宇宙人なんですけど。

ニシダ:別に知らなくていいよ、そんなの。

サーヤ:地球に紛れ込んだ宇宙人をレプティリアンっていうんですけど、レプティリアンテーマでやりたいですかね。

ニシダ:世の中にあるもので言えよ!

装苑編集部:ぜひ、やりましょう。

サーヤ:地球外生命体。UAPって感じで!

Q.衣装のこだわりを教えてください。

サーヤ:(ニシダさんに向かって)衣装のこだわりはどうですか?

ニシダ:俺はないよ。

サーヤ:無いというこだわりが強いですよね、ニシダは。一番がんじがらめです!

ニシダ:たしかに。あるように見せない、というところがこだわりなのかもしれないです。基本的にTシャツとジーンズなんですけど、5年ぐらいはいてるボロボロのジーンズをまだ着ています。

サーヤ:そのデニム、もうチャックが自動で下がってきちゃうんですよ。

ニシダ:換気しなきゃいけないですからね。

サーヤ:お互いデニムが多い気がします。私はダメージ加工されているか、とんでもなくたくさんのポケットがついているものが好き。タバコ、携帯、領収書とかなんでも入れられるやつです。ウィメンズってあんまりポケットがないから本当に変えてください、みなさん!

Q.ファッションのルールは?

サーヤ:気分によって変えますが、基本は動きやすさと、仕事の時は胸元がゆるくないものです。出る媒体によっても変えていますね。セットアップとかカチッとしたものはNHK、民放はラフに、とか!

装苑編集部:TPOですね。

サーヤ:TPOはすごくあるかもしれないですね! 「ラヴィット!」は衣装を明るめにしたり。スタイリストさんは、スタジオの色味や他の出演者との衣装のバランスも配慮していると思います。

②レモンジャムとラランドのこと

Q.レモンジャムを起業するにあたり、どんな覚悟を決めましたか? 友人と仕事をするという世間では厳しいと言われている壁をどう乗り越えましたか?

サーヤ:たしかに! 友達と仕事すると、大体、亀裂が入って喧嘩して、晒し合いみたいになって失敗しますからね。私たちは、大学時代の同級生がマネージャー、YouTubeとライブを一緒に企画してる作家も同級生と1個下なんです。私とニシダも、マネージャーとうちらも、ものすごい友達で仲良しグループだったというわけではなく、顔見知りに近い関係性だったのがぐっと近づいた、みたいな感じで。友人は友人でも、お互いクライアントみたいに接することができる距離感ではあって、それが良かったのかもしれない。あとは「友達だから許す」みたいなことをせずに、違うことは違うと言い合える関係性であることが大事かもしれないです。

ニシダ:仕事している時以外のことは、何も知らないですからね。

サーヤ:そういう話しないね! 「なんか恥ずかしいから恋バナとかしないで!」みたいな感じ。

ニシダ:俺はしたいんですけどね!

サーヤ:(質問してくれた学生へ)友達と起業をしたいんですか?

学生:ファッション業界は将来的に独立する方が多いと聞いていて、もし自分が友人と起業するとしたら、すごい覚悟がいるんだろうなと思っています。

サーヤ:会社勤めの場合はノリが合わない人とも当然、一緒に仕事をするわけで、それはそれで別のキツさとか面倒くささがあります。起業の選択肢が少しでもあるなら、普段のノリが合う人と始めてみるほうが、覚悟という面ではいいのかもしれないですね。

Q.合わない人とは、どのようにうまく仕事していったらいいですか?

サーヤ:ニシダは、初めて仕事をするおじさんにも舐められてしまうので。

ニシダ:仕事をする人と合わないこともあるんですよ……。でも、ちゃんと挨拶をするとか、基本的なことさえできていれば、そんなに大きな問題にならないと思います。あと、合わない奴の前ではあんまり笑いません!

サーヤ:リアルな話をすると、1〜2年耐えて、3年目以降からそういう人と仕事しなくなるようにすればいいかなって思います。1〜2年目は嫌な奴も含めて1回仕事をしてみて、「この人とは合わないかも」とか、「こういう仕事をする人は良くないんだな」だったり「こういう挨拶する人ってこういう仕事っぷりなんだな」みたいなことがわかってきた3年目から、そういう人を排除しても稼げるようになる道を作っていけたらいいかもしれないですね。

Q.仲間と一緒に仕事をする上で仕事への熱量とか価値観は同じ方がいいと思っているのですが、サーヤさんがニシダさんと仕事を続ける理由は何ですか? お二人はどこかに通じるところがありますか?

サーヤ:あはは! こんな丁寧に、なんでニシダと組んでるの?って聞かれたことないです(笑)。

ニシダ:……。

サーヤ:正直、続ける理由とかはあんまりないんです。そもそも組んだのも割と消去法ではありましたが、一番大きかったのはなにをやらせても罪悪感が湧かないからで(笑)。大丈夫かな、とか傷ついてないかな、とか心配症の部分を無くせるっていうのはすごく良かった。共通点はあんまりないんですけど、嫌なものは結構一緒かもしれないですね。

ニシダ:好きなものが一緒より、嫌いなものが一緒のほうがいい。

サーヤ:仕事がしやすいですね。

Q.ニシダさんに質問です。ニシダさんはなぜサーヤさんとコンビを組みたいと思ったのか、2人で組むことで自分の将来が見えたのでしょうか。そういった点でニシダさんは未来を察知する能力があるように見えますが、人を見る上でどのようなところを見ていますか? 判断能力はどこで培いましたか?

ニシダ:この方は俺を評価してないよね?  1人では無理でしたよねって言ってる!

サーヤ:要約すると寄生虫だよねっていう(笑)。

ニシダ:未来を察知する能力があるわけではないですけど、僕は割と人を見る目があります。その人と上手くやっていけるかどうかは別として、「ダメそうだな」とか「なんか気持ち悪いな」とかを早めにジャッジしてしまう。そういう意味では「これは売れるぞ!」と思ったんでしょう。

装苑編集部:どういった部分が判断材料になりますか?

ニシダ:普段の何気ない言葉遣いとかも含めてすべてですね。それこそファッションもそうですし、総合的に見て人を判断してる気がします。

Q.会社の中で意見が合わない時はどのように解決していますか?

サーヤ:意見の違いはそこまで出ないんですけど、ズレがあればちゃんと理由を言います。最終の決定権は社長である私にあるので、その時は直感で決めて「こういう方向にしよう」と伝えています。なんとなくこっちだなと思ったことが正しい場合が多くて。第六感、これが1番です!

ニシダ:再現可能なやつを聞きたいですよね?

サーヤ:いや、やっぱりシックスセンスを伸ばす学校だと思うんでね、文化も。

ニシダ:そんな学校じゃないでしょ!

装苑編集部:シックスセンスを伸ばす。そうですね。

ニシダ:そうなんですか!?

サーヤ:そうですよ、“能力者育成学校”ですよ?

ニシダ:いや、ファッションだろ。でも、感性を磨くところではあるか。

装苑編集部:ニシダさんから、なにか違うなと思った時に伝える場面もあるんですか?

ニシダ:ない!全くないですね。僕はイエスマンです!

③仕事について

Q.興味があることや好きなことを仕事につなげるのに必要な能力は? やりたいこと、挑戦したいことがたくさんあるのですが、うまく両立ができず、迷子になって悩んでしまうことがあります。

サーヤ:無理やりつなげようとしなくても、いずれつながっていくもののような気がします。「たくさんある」のであれば、順番を考えればいいんじゃないですかね?

正直、私もまだやりたいことがいっぱいありますけど、年齢やタイミングを考えていろんな選択をしています。例えばファッションブランドを始めたいと思ったとして、インフルエンサーの子がいっぱい服を出している今、私が服をやってもなって思うんです。それなら還暦ぐらいになって味が出てからにしよう、みたいな(笑)。

学生時代からお笑いも音楽もやっていて、どちらが先に芽が出るかなと思っていたら、芸人のほうでした。だからテレビに出るお笑いの仕事は先に頑張ったのですが、「今ならバンドもいけるかも」と思ったタイミングで同時進行することにしたんです。

装苑編集部:やりたいことは初めから明確に決まっていましたか? それとも徐々に出てくる感覚に近いですか?

サーヤ:元々、なにかを作ることが好きだったんです。小さい時に子役をやっていて、小学校入学と同時に辞めて、そこから絵を描くことが大好きになって、中学生で漫才とゴスペルも始めて。思えばずっと表現にまつわることをしていました。大学に入ってたまたまニシダとお笑いの大会に出たら上手くいって、そのまま「M-1」だったので。学生の時はやりたいことをどんどんやっていましたね。

装苑編集部:やりたいことの軸があることと、優先順位を決めることが大事なんですね。

サーヤ:あと、私はめっちゃノートに書いてました! 何をしたいかと、そのために何をすればいいか、チャート図みたいに枝分かれさせつつ、何年後にはどうなりたいか、とかも書いて。それは、会社員の時からやっていましたね。頭の中だけで考えていると無数に悩んでるように錯覚しちゃうんですけど、ノートに書くと、意外と悩みや不安は少ないことに気づいて落ち着くんです。

装苑編集部:ニシダさんはいかがですか?

サーヤ:どうですか?

ニシダ:何にもねえよ、俺は! 学生時代に興味があることとか好きなこと、仕事にしたいことがまずなかったですし、(やりたいことが)あるだけすごいんじゃないかって思っちゃいますね。

サーヤ:本当にそうだよね。

ニシダ:大体の人は、やりたい仕事なんてない気がします。仕事とは別に好きなことをしようって思う人のほうが多い気がするので。だから、それだけでも素晴らしいのではって思っちゃいますね。

装苑編集部:文芸のお仕事に関しては、やりたいこととしてずっとあったわけではないのでしょうか?

ニシダ:いやー、全然なかったですね。

サーヤ:ニシダは、本が好きで数百冊とか読んでて。「すごいじゃん、note書きなよ」って言ったら、ぼそぼそと書き出したんです。そしたらめっちゃいいじゃんってなって、やっと気合いが入ったんです。「こんな書けるのに今まで何してたん?ネタ書かないのに、文章こんなに書けるんだ」って思いましたね。

ニシダ:読むのが好きなだけで、書きたいとは思ってなかったんですよね。一生本読んで生きていこうって思ってたくらいだったので。もしファッションが好きでも、服を着るのが好きだから作るのはいいや、と思っているタイプだったと思います。

装苑編集部:実際、仕事にしてみていかがでしたか?

ニシダ:好きなことのほうが仕事はしやすいですね。ファッションもそうだと思いますけど、技術が身につく前に感性が育っているほうが絶対にいいです。目を先に肥やさないと手が肥えていかないと思うから。自分もバーッと小説を書いてみて、すっごいつまらないなって思うこともある。そこからどうしたらいいかを考えることを繰り返しています。審美眼みたいなものが先立つので、好きであることは素晴らしいと思いますね。

サーヤ:ッフ。

ニシダ:なんで鼻で笑うんだよ。人の回答を。

Q.仕事をする上で共通して意識していることは何ですか?

サーヤ:「熱量と金額をよく見ること」ですかね。こういうのやって欲しいですってやってきたオファーがすごい熱量だったら、金額はそんなにだったとしてもしっかりやったほうがいい。熱量はないけど、すっごい金額をもらえるんだったら、それも頑張ったほうがいい。どっちも曖昧な人はもう避けたほうがいいっていうのが私の中であって。ほかの芸人の名前が書いてある企画書のまま来ちゃうとかは熱量0だと思うんですね。

ニシダ:2番手だったんだろうね。

サーヤ:そういうのが来ると、ちゃんとお仕事としては完遂するけど、そんなに身を削らなくてもいいなと思っちゃいます。私たちは個人事務所で、どういうオファーが来て、どれぐらいのギャランティかがすべてわかる状況なので、一つ一つのお仕事に対してありがたみを感じながらやらなきゃいけないと思いますよね。大手芸能事務所の方は、目を通す企画書は最終段階のものだったりしますが、私は1通目から見ているので。ちゃんと熱意を汲み取っています。

ニシダ:僕は、本当に当たり前のことしか意識してないんですけど。自分がやっているのは人が人を選ぶ仕事だから、どれだけクソな人間でもちゃんと挨拶をするとか。礼儀がしっかりしていることで、また次の仕事が来るかもっていう世界なので、どんだけ滑っても礼儀正しく。礼儀正しく滑る。

サーヤ:滑ったらなおさら礼儀正しくあってよ。滑って横柄なのは意味がわからない(笑)。

ニシダ:うけても礼儀正しく。それがやっぱり大事だなと思いますね。

Q.好きなことをやりつつ、お金持ちになるには?

サーヤ:傲慢だね! お金持ちになりたいんだね(笑)。

ニシダ:それが一番幸せな状態だもんな。

サーヤ:NISAとかやっておきなよ!になっちゃいますけどね。でも、アーティスティックな人ほど、経理まわりができない人が多い気がします。そこを勉強しておくだけでもいいかもしれないですよね。この人にこれぐらい出費しちゃってる、とか、こんな経費かかってるのおかしいなって気づけないと、自分の足を引っ張りそう。

ニシダ:税金を納めてなかったらもうおしまいですからね。

サーヤ:もっと安く抑えられるぞ、とかの目があるだけで相当お金は持てそうです。

会場で学生から質問

失敗してしまった時の気持ちの切り替え方を教えて欲しいです。例えば、早起きして今日勉強しようと決めた日に、30分寝坊しちゃっただけで、時間的には十分間に合うのに、今日もう駄目だってマイナスの気持ちになってしまって、何もできなくなっちゃう日があります。サーヤさんが100%じゃない日でも自分を責めずに頑張るために意識していることがあれば教えていただきたいです。

ニシダ:俺にはそういうのはないなあ。

サーヤ:私は、バンド(礼賛)で作詞作曲もするんですけど、明日デモを取らなきゃいけないのに、何にも手をつけられてないこともあるんですよ。それでもガーってやって何も浮かばなかったら、思い切って辞めるんです。ああ、ダメだ、今日何も出ないわ!とか言って、外飲み歩いちゃったりとかして。

で、もう1回別の日にやって、また、ダメだ!今日も出ないわ!みたいなことを繰り返しています。それで結局前日になるんですけど。それでも取り組んでいるというだけで、頑張った気にはなれるんです。なにかやった形跡を残しておけば、メンタルケアにはなる。

あと、シャワー浴びてる時にアイディアが湧くんで、とにかく水場に行く。スピってるんでね。今日はもうお風呂入ろうとか、簡単に切り替える行動を癖づけていますね。

学生:ありがとうございます!
あと、今日は思うように頑張れなかったっていう日の気持ちの切り替え方も知りたいです。

サーヤ:切り替えないかもしれないですね。めちゃくちゃ人に見せられない感じになりますよ、私(笑)。もうとにかくお酒に頼っちゃうんで(小声)。「ハブ酒ですよ、ハブ酒」とか言いたいですけど、学生の前で言うべきじゃないからな。でも、そういう娯楽が1個あると。

ニシダ:切り替えにはなるもんね。

サーヤ:あと、わざと、お涙ちょうだい系の映画を見るのもやります。泣きにいくみたいな。

ニシダ:僕は、もとからうまくいかないと思ってる。朝早く起きて頑張ろうって思って、1日も起きられないまま今32歳になっているので。切り替えとかじゃなく、もうダメなんだな自分はっていう価値観からスタートする。その後、今日1日うまくいかなくてもそういうもんでしょって思えるし、次の日うまくいったら、その分嬉しいので。そんなに自分に期待しないというのがいいのかもなと思いますね。

学生:ありがとうございます。

サーヤ:物は言いようですよね。それで迷惑する人間もいますからね!

私は人からの見え方を気にしすぎてしまって大変生きづらいです。ニシダさんは周りからいじられたり、批判されたりしても、いつもぶれないメンタルを持っているように見えます。そんなニシダさんに少しでも生きることが楽になるようなアドバイスをいただきたいです。

ニシダ:慣らしていくのがやっぱり大事です。こんな服じゃ出られないよっていう服で外出てみるとか、その積み重ねだと思うんですよね。意外と周りの人って自分のことを見てないなっていうのが、それでわかってくる気がする。都会なんて特にそう。一回、ドッキリ終わりにびしょ濡れのまま家に帰ったことがあるんですけど、不思議なもんでビシャビシャの奴が歩いていても、誰も見てなかったですね。

サーヤ:都会に濡れてる人いっぱいいるもんね。

ニシダ:誰も自分のことなんか興味ないのでは?とか、意外と誰も見てない、という気持ちを強く持つということだと思います。

装苑編集部:サーヤさんは、そもそもメンタルが落ちないようにするコツみたいなものはありますか?

サーヤ:Xから離れることですね(即答)。Xは本当にごみ箱なので、わざわざ覗きに行かない。「ううわ、きったな!今日こんな生ごみ入ってんだ!」っていう状態を自ら作らないことです。

あとは固定観念を捨てるのと、いつ死んでもいいように生きるっていうのはありますね。私はいつもこう思ってるんです。実は一回死んでいて、神様から「しょうがない、お前もう1回生かしてやる」って言われて特別に戻してもらったんだと。そうすると結構なんでも大丈夫だと思う。

お二人は創作を通じていろんな方に勇気や感動を届けていると思うのですが、0から1を生み出すときに一番大切にしていることを教えてください。

サーヤ:核心部分の質問ですね。あえて遠回りの表現をするっていうのがあります。不思議なんですけど、人は「頑張れ!熱い気持ちを持てー!」ってど直球に言っても素直に受け取らなくて、メッセージは少し違う角度から伝えたほうが聞いてくれるんです。

お笑いなら、こういう人は嫌だなって思った時に、そのまま「こういう人嫌です!」って言うよりは、コントでそういう人を演じる、とか。ちょっと遠回りすると意外と刺さるっていうことがどの分野にもあって、そこは意識しているかもしれないです。まっすぐ伝えて煙たがられないように、表現方法を考えますね。

ニシダ:0→1をやってる小説でいうと、今まで見てきた映画とか、読んできた小説とかをぐちゃぐちゃに煮詰めたやつが自分の中にあって、そこから拾ってきてる感覚がありますね。あとは、意外と人から聞いた話もヒントになっている気がするので、人といっぱい話して、インプットすることも大事なんじゃないかなと思っています。

骨格診断をすごく気にして服選びをしてしまいます。サーヤさんはいかがですか? 気にしないようにすれば、自分の好きな服をもっと着られるんでしょうか?

サーヤ:(ニシダさんに)知らない?

ニシダ:俺、なんなんだろ。

サーヤ:だるまじゃない? 骨格。

ニシダ:骨格だるまは無いだろ。

サーヤ:油だるまじゃない? イエベ油。

ニシダ:トッピングだろ、もうそれは。

サーヤ:今、めっちゃ見ますよね! 骨格ウェーブ、ストレート、ナチュラルだっけ? 私はまだその区別がついてないけど。

ニシダ:種類があるのか。

サーヤ:首が詰まって見えるから、ストレートの人はこういう服を着たほうがいいとかがあって。

ニシダ:俺が首詰まって見えるのはそういうことなのか。

サーヤ:骨格ダルマだからね。で、私はこれ結構嫌だなぁと思っています! パーソナルカラー診断が出てきた時も、「うわあ、うるせぇ」と思ったし。そういうのが苦手なんでしょうね。ファンの子からもたまに「意外と骨格++なんですね」みたいなものが来るんですよ。それって下着を見られるより恥ずかしいというか、骨格がこうなんですねって結構センシティブワードだと思う。

ニシダ:たしかにね。骨格Tierがあるんでしょうな。

サーヤ:なんかあるっぽい。私はあんまり気にしないかな。自分の体感が一番じゃないですか? 調子いい服って、なんかわかるじゃん。こういう系は似合わないんだよなっていうのは、自分の経験値のほうがたしか。経験則を磨いていったほうが楽しいと思います。

学生:(ファッション)工科基礎科1年の辻本と言います。

ニシダ:なんか……インテリヤクザみてぇな雰囲気だな。かっこいいな。

学生:ありがとうございます! 自分がやっていることに対して「これって合ってるのかな」と思った時の対処法というか、見つめ直し方を聞きたいです。

サーヤ:「これなんか違ってねぇかな」っていうのは、ずっとヒヤヒヤして思ってますよ。単独ライブの時なんて毎回思ってる。ただ、場合によっては潔く辞めることもありますね。近い人にラフに「正直どう?」って聞くこともあります。あ、イエスマンには聞かないんですけどね。

ニシダ:俺は「いいんじゃない?」って言っちゃうからね。

サーヤ:ニシダに聞いてるだけだとダメだなと思ったから、意見してくれる後輩を1人置くようになりました。それで是正できるというか。お前がやってることなら正しいよって言ってくれる人以外に意見を聞いてみると面白いかもしれないです。

学生:参考にします。ありがとうございます。

ラランドから文化生へメッセージ

装苑編集部:これまでのお話を踏まえつつ、最後にお二人から文化生にエールをいただけたら嬉しいです。

サーヤ:文化への提言をどうぞ!

ニシダ:やめろそれ。

サーヤ:ファッションに好意はないって言ってましたよね?

ニシダ:ファッションはそんなに好きではないです。

サーヤ:ファッション側も別に好きじゃないし、お前のこと!

ニシダ:そう、俺はファッションに興味がないから、自分で頑張ってみようと思わないんです。頑張った人たちにタダ乗りした結果、我々のような人間は文化を享受できていると思っています。みなさんが頑張ってくれるから、おしゃれな服が世の中に溢れていると思うので、非常に感謝しています。

サーヤ:そうですよ、感謝してください。

ニシダ:でも、このタイプの学生で俺をすごく舐めてるタイプのやつも今まで見てきてるので、手放しには応援はできないかな! 頑張れ頑張れって感じです!(笑)

サーヤ:頑張ってほしいですね! 私のスタイリングをやってくれているスタイリストさんも文化出身だし、クライアントにも、よく一緒に作業をする子にも文化出身の人がいたりして。そういう方達と接していて思うのは、少ないラリーで的確な、いいものをあげてくれるなっていうこと。だからものすごく助けてもらっているという感謝があって。

今後、いろんな人と仕事をする人もいると思うんですけど、自由にやってほしいなって思います! 私が出会ってきた文化出身の子達はみんな明るくて、ウィットに富んでいるので、そのままでいてほしいですね。で、私たちにお仕事をください!

装苑編集部:ちなみに質問の中にはラランドさんのグッズ制作に携わりたいのですが、どんな能力や技術が必要ですか?というものもありました。何かありますか?

サーヤ:今、ご一緒してる文化出身の子は、ポートフォリオを事務所に送ってきてくれたことがきっかけで知り合いました。そういうパッションがあったほうがいいなと思いますね!

『レモンジャム5周年Fes』 
配信アーカイブチケット ¥3,000

*Zaikoのホームページにて絶賛発売中!

(7/20(月)23:59までアーカイブ視聴可能 )

ラランド

上智大学のお笑いサークルで結成されたお笑いコンビ。M-1グランプリ2019、2020にて2年連続準決勝に進出。その後、サーヤが社長を務める個人の芸能事務所、株式会社レモンジャムを設立。 

サーヤは「最高の教師 」「新空港占拠」(ともに日本テレビ系)「じゃああんたが作ってみろよ」(TBS系)など、俳優としてドラマにも多数出演。また川谷絵音らとのバンド・礼賛(らいさん)でボーカルを務め、今年9月にはTOYOTA ARENA TOKYOでの2日のライブも控えている。

ニシダは、短編小説の執筆活動を重ね、これまでに「不器用で」「ただ君に幸あらんことを」の2作の小説集をKADOKAWAから出版している。俳優としても多くのドラマに出演している。(俳優はニシダ・コウキ名義で活動)
ラランドの公式YouTubeの登録者数は現在160万人を超えている。

ラランド

レモンジャム

RELATED POST

STARGLOW等身大の想い、重なり合う5つの色。新曲『USOTSUKI』に込めた、5人の純度とア...
深川麻衣とラランドのサーヤが出演するドラマがスタート。ドラマ、美容、ファッション...
BREIMEN最新SG「ファンキースパイス feat. TOMOO」のこと、そしてBREIMENの“今”と“...
KIDILLデザイナー末安弘明が語る「情熱を形にし続けた10年間」。15名のKIDILLラバーの...
&TEAM(エンティーム)が魅せる、2024FWメンズモードの二つの顔
フレッドペリーとのコラボレーションで触れるクリス・ヴァン・アッシュの「エレガンス...
映画『白の花実』の世界観をファッションビジュアルに昇華!美絽・池端杏慈・蒼戸虹子...
映画『ちょっと思い出しただけ』公開目前!映画監督・松居大悟×俳優・池松壮亮対談。...
デザイナーインタビュー「TANAKA」デビューコレクションを終えて思うこと
Björk単独インタビュービョークが語る「コーニュコピア」への軌跡
私の「かわいい」を貫くロリータスピリットのいまロリータを愛する現役文化生×卒業生...
a子率いるクリエイティブチーム、londog座談会。センスがいいってどういうこと?