HOUGA

石田 萌
Moe Ishida
慶應義塾大学文学部美学美術史専攻、エスモードジャポン東京校卒業。第86回装苑賞佳作1位、第11回YKKファスニングアワード優秀賞受賞。ビギにてフラボアの企画を経験し、出産を機に退職。2019年春夏シーズンにホウガをスタート。


第86回佳作1位受賞作品のポートフォリオ(上)とミニコレクション(下)。テーマは「海中散歩」。現実を離れ、海の中を散歩するようなイメージを込めた。ファスナーでつなぎ合わせ、丈やボリュームの変化を楽しめる。
挑戦と悔しさが生んだ
デザイナーとしての土台
学生時代は、まだ自分のやりたいことを言葉にできず、ただ、作りたいという強い気持ちだけがあふれていました。装苑賞に挑戦しようと思ったのは、そんな思いと向き合いながら制作をして、誰かに自分の作品を見てもらう場が欲しかったから。
佳作1位をいただいた時は、嬉しさの中に「装苑賞も欲しかった」という悔しさがあり、その複雑な気持ちが、今も私の原動力のひとつになっています。装苑賞の時の「様々な着方ができる服」「立体感や軽さ」は、無意識のうちに今のブランドのコンセプトへとつながっています。作ることを繰り返すうちに、自分が何に向かっているのかを少しずつ知っていきました。コンテストへの挑戦は、賞をとることだけが目的ではないと思っています。私自身、コンテストで何度も落ちてしまうこともありましたが、その経験があるから今も続けられている気がします。ブランドを続けていると、評価が思うように届かなかったり、反応がなかったりすることも当然あります。そのたびに折れずにいられるのは、学生の時のあの感情を知っているからかもしれません。
自分の「好き」や「違和感」を大切にしていくことで、その感覚やときめきが、その人にしか生み出せない表現につながっていきます。装苑賞が第100回という節目を迎える今、これからも多くの感性と可能性が花開く場所であり続けてほしい、と願っています。

「あなたの可能性が萌芽する」をブランドコンセプトに、自分の感覚や感情を解き放つためのドレスを提案するホウガ。2026-’27年秋冬コレクション「Our Playground」は、落書きや空、水たまりなど日常に潜む小さなファンタジーから着想を得て、遊び心と自由な発想を表現。揺らぎや余白を肯定しながら、世界を自分だけの遊び場として楽しむためのコレクションを描く。