
1999年から『月刊少年エース』にて連載中の吉崎観音による人気作品『ケロロ軍曹』。アニメ化から20周年を迎えた2026年、16年ぶりの新劇場版『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』が6月26日(金)より全国公開となる。本作のオープニング曲「また帰ってきたケロッ!とマーチ」(ano & 粗品)および主題歌「貸しっぱなしデスティニー」を担当、さらに劇中で声優を務め、アニメ20周年記念プロジェクトの宣伝隊長も務めるあのさんは、『ケロロ軍曹』シリーズのファンを公言している。そんなあのさんに、作品との出会いから楽曲制作の裏側、そして「好きな物事を仕事にする」ことについて尋ねました。
photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.) / hair & make up : URI / styling : Momomi Kanda / interview & text : SO-EN

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ケロロは気づけばずっとそばにいた
―― 『ケロロ軍曹』と初めて出会ったのはいつ頃、どんなきっかけでしたか。
あの:これが決定的だったというきっかけがあるわけではないんです。お兄ちゃんもアニメを見ていましたし、いとこの家にケロロの漫画があったから読む、みたいな感じで自然に触れていたので、気づけばケロロが自分の人生にいました。
―― 特別に熱中していたというよりも、普通にそこにあるような。
あの:そうです。特別に好きすぎてずっとケロロに囲まれていたというわけでもなく、気づいたら日常の中に自然にいたような感じでした。
―― 初めて『ケロロ軍曹』を見る人に向けて、映画とあわせておすすめのエピソードはありますか?
あの:僕は歯が好きなので、ケロロたちが口の中に侵入して虫歯菌を倒すエピソード(アニメ第10話「決戦!第三大臼歯 であります」)がお気に入りです。
いい意味で何も考えずに見られるのがケロロのよさだと思うので、ご飯を食べたりメイクをしたりしながら、家でラフに見てほしいです。

「生きるの下手くそ」に寄り添う歌詞
―― anoさんと粗品さんが歌うオープニング曲「また帰ってきたケロッ!とマーチ」が令和版になっていて、歌詞を聞くのがとても楽しかったです。お気に入りの一節はありますか。
あの:「気に入った服だけ在庫ない」というところです。僕は服が大好きなんですけど、気に入った洋服の色やサイズだけ人気で売り切れていることって、本当によくあって。自分で提案した歌詞のなかでも、特に気に入っています。
「スマホで支払い残高ない」というのも令和ならではですし、こういう、“生きるのちょっと下手くそあるある”みたいなバランスがとても好きです。
―― 確かに「生きるの下手くそあるある」という感覚は、原曲にもありますね。
あの:そうなんです。そういうところがすごく好きで、寄り添ってくれているなと思っていました。単純にどんくさいとか、ついてないみたいな感じの歌詞なんですけど、生きるの下手くそなりのポジティブな消化の仕方をしていてとても好きです。

主題歌の入った完成作を見て、
運命めいたものを感じた
―― 主題歌「貸しっぱなしデスティニー」は、制作側から「パブリックイメージとは違う激しい部分も入れてほしい」というオーダーがあったとのことでしたが、楽曲制作のイメージはどのように広がっていきましたか。
あの:最初は、パブリックイメージとして持たれているようなポップな楽曲がいいかなと思っていたのですが、映画自体も壮大になりそうというお話と、エンディングで流れるからエモーショナルにしてほしいというお話をいただきました。
そこから方向性を変えて、サビをかなりきれいなメロディーにして、歌詞も美しい内容にしたいと思うようになりました。そのお話をいただいて本当に良かったと思っています。


―― 一方で、『ケロロ軍曹』ならではの“抜け”のようなものも感じました。
あの:きれい事だけを言うのはちょっと違うかなと感じていて、僕っぽくないとも思ったんです。それで、きれいなメロディーに対して「漫画を返してほしい」ということだけを言っている、その砕けた感じをケロロだからこそ入れられるんじゃないかなって。
でも最終的に「返さないで」と言うことで、ずっと笑っていてほしいとか、この縁がつながっていくといいなというお話にしたんです。その距離感は難しかったところですが、かなり攻められたのではと思っています。自分のバランスで作れたので、すごく気に入っている曲です。
―― 実際、映像に乗った状態で聴いた時はどのようなことを感じられましたか。
あの:あれほど壮大な映像に音楽がのっているのを見たときは、本当に感激しました。いちから作ったものだけにめちゃくちゃ感慨深かったです。
自分がこれまでやってきた、シャウトしながらメッセージ性をしっかり入れ込むということがこの映画にマッチしたのは、『ケロロ軍曹』が元々好きだったことも相まって、運命めいたものを感じました。
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