編集者Ｒｏ

11月に開催された回遊型オールナイトアートイベント「BENTEN2 Art Night Kabukicho」に行ってきました！！このイベントは、昨年に初開催された、東洋一の繁華街・歌舞伎町で繰り広げられるイベントの第２弾。今年のテーマは「都市の再野生化」。都市化が進み、あらゆるものが管理され、制度化されていく中で、歌舞伎町という混沌とした都市の中で、アートが再び「野生」を取り戻し、新たな可能性を開く場を創出する、という問題提起を投げかけています。会場となったのは、王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠といった、歌舞伎町地区一帯の個性豊かなスペース。今回私は、WHITEHOUSEで開催されたトークイベントと、やなぎみわさんの特別公演と展示へ。

生きられた新宿
「Parallax City」
建築家 伊東豊雄さん × 社会学者 吉見俊哉さんの貴重な対談

1975年MoMAで「Shinjuku: The Phenomenal City」という展覧会が開かれました。当時のディレクターの一人、批評家多木浩二さん＜著書『生きられた家：経験と象徴』、『建築・夢の軌跡』他＞は2000枚あまりの新宿の写真を残されていますが、当時から50年経った今、新たに新宿を考えてみようというのが今プログラム。そこでゲストに招かれたのが、多木さんにとって最も重要な建築家、伊東豊雄さんでした。

“多木さんと伊東さんの出会い”、“伊東さんにとっての多木さんとは？”こうした内容を掘り下げた対談でしたが、 1976年「中野本町の家」に始まり、80年代の消費社会全盛の中での建築のあり方、1984年「シルバーハット」、2001年「せんだいメディアテーク」、そして2011年東日本大震災が起きた後の「みんなの家」……。伊東さんの建築作品をたどりながら、社会学者の吉見俊哉さんの膨大なリサーチを基にされたお話は、２時間とは思えない充実の内容でした。そして、80年代、伊東さんがオフィスのあった渋谷ではなく、新宿で飲み、０時過ぎ、タクシーがない中、新宿西口を通過して家に歩いて帰宅した頃を思い出しながら「新宿っていうのは、どこか生きていることを感じさせる場所でしたね」と述べられたのが、心に刻まれました。

―続くー

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