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No.9 /「ハリー・ポッター」の衣装記事を読んで、打ちのめされた日。——装苑エディターの編集日記

「ハリー・ポッター」の衣装記事を読んで、打ちのめされた日。

私は生まれたときからのハリー・ポッターマニア。原作はもちろん、映画はセリフまで覚えるまで何回読み(見)返したかわかりません。キャラの背景設定や小道具の意味も語り出したら止まれない自信、あります。

…のだけれど、装苑に入って読んだこの記事(▶ 映画「ハリー・ポッター」シリーズ衣装デザイナー取材、スタジオツアー東京特別企画「炎のゴブレット」衣装の舞台裏)には、「自分、何にもわかってなかったじゃん」とガチで凹ませられました。これを知らずにマニアを名乗るとは恥ずべきこと、ハリポタ界隈の風上にも置けないな、と猛省してしまったくらいです。

記事で語られていたのは、物語の世界観を“服”で立ち上げる衣装デザイナーの仕事でした。魔法という非日常を成立させるために、色も素材も映像を通した印象も、細部までリアリティを追求する。キャラクターの内面や役者の身体に合わせて、感情の“流れ”まで衣装でつくる。“世界観を着せる”という発想と、どこまでも追求する姿勢に、ただただ驚かされました。

私がこれまで熱狂してきたあのシーンの裏に、そんな表現が詰まっていたなんて。ポッタリアン(ハリー・ポッターファン)垂涎の貴重な情報の数々。知らずに観ていた自分がかなり憎らしい。でも、今知れて嬉しい……。

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この記事が掲載されたのは、私が装苑編集部に入る少し前。だから制作にも編集にも関われなかったけれど、記事を読んだだけで、自分の中の「作り手になりたい」気持ちがぐっと強くなりました。

マニアックなもの、でも確実に誰かの情熱が込められているもの。これまで表に出てこなかった、でも語れば絶対面白い衣装の話。そんな“衣装の裏のストーリー”を、自分でも取材して、記事にしてみたい。

たとえば、「よさこい」の衣装とか。地域によって色も形も全然違って、踊り方との相性や風をはらんだ裾のたなびき方まで計算されているんです。演劇の衣装もいいかも。光、音、舞台装置との関係性…。想像するだけで、わくわくします。

私はこれまで、ハリー・ポッターを「読む人」「観る人」でした。好きで追いかけていた作品の裏側を、今度は誰かに届ける側に立ちたいと思っています。

知らない世界を、誰かの“好き”を通して掘り起こす。それって、編集者という職業の一番わくわくするところかもしれません。

でも一旦、夏休みにハリポタ全シリーズを再履する予定は立てておこうと思います。


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編集者K

ファッションや衣装に宿る「語らない物語」に惹かれます。よさこいや舞台など、日常の外にある衣装の文化を深掘りしていきたい。

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