第七回「グッチ」
スタイリスト相澤 樹の素敵すぎる収集癖

先日アレッサンドロ・ミケーレの退任が発表された「グッチ」。
間違いなく彼は時代をつくって、沢山の人達の人生に残る1着を残してくれたと思います。
私もその中の1人なのは間違いない。ファッションはチャレンジし続けるものだと最前線で表現してくれていたのがミケーレです。
いろんな意見があっていい。そうじゃないと楽しくないですからね、洋服って。
それを体現し続けてくれた事にパッションを感じます。
私が「グッチ」で一番好きなのが、カラーバランス。絶妙な色合いと素材の合わせが最高に美しい。
ストリートカルチャーとラグジュアリーのMIXをこんな上品に表現しているからこそ、沢山の世代を虜にしたんだと思います。ものづくりも世界中の文化からいろんな要素を抜き取って、再解釈しているところもなんとも愛おしく、気づけば手に入れたいと思ってしまう。それってとんでもないパワーなんですよね。
私の「グッチ」コレクションは間違いなく一生の宝物であり、人生を彩ってくれるもの達です。

昆虫コレクションはとにかく驚きを隠せないものばかり。バンブーバックに斬新に柄を乗せて、ブーツはメンズのコレクションにも関わらず美しい刺繍。ジェンダーレスなデザイン性もたまらない。着物に合わせてつかえるのも粋を感じてしまいます。昆虫好きにはドキュンと撃たれたものが多いはず。

モノトーンコレクション。やっぱり大好き。
細部までひとつずつこだわりを感じる。パンク好きのわたしには響いてたまらない。甘い中にストリート感をミックスしてカルチャーからの表現力も取り入れているのは脱帽です。全部のアイテムに自分にとってのストーリーがあるので、いつも主役級に輝いてくれるんです。とにかく一言 かわいい!!それしかない。

“gucci garden”にて
最後の扉のメッセージ。
これからも沢山見たことのない世界を見たいと感じてしまう。古きものを大切に、新しい未来に可能性を夢みて、私もファッションを全力で楽しめる人でありたいと、心から感じます。

Miki Aizawa

2005年よりフリーのスタイリストとして活動。雑誌でのスタイリングをはじめアーティスト、広告、CMなどジャンルを問わず活躍中。衣装デザイン、エディトリアルディレクション、空間プロデュースなど多方面で活動。