第八回「ヴィヴィアン・ウエストウッド」
スタイリスト相澤 樹の素敵すぎる収集癖

ヴィヴィアン・ウエストウッド 様
何から伝えたら良いかわからないほどわたしの人生を切り開いてくれた人。それは間違いなくあなたでした。小学校4年生の時、TVでファッションショーを目にするあの日までは、わたしは水泳ばかりして毎日を過ごして、漠然とした未来しかみえてなかった。
家で偶然つけたTVの中の貴方のファッションショーは一瞬でわたしの心を掻っさらい、わたしの夢が決まった瞬間でした。あの日がなければ今の私はいない。
それからは見様見真似で服作りを始め、地元でブランドを始め、とにかく洋服漬けの日々を過ごし、音楽もPUNKや ROCKを聞きあさっていた、10代。そんな影響から、地元パンクバンドの衣装を作るようになった事で、スタイリストになる!と決めたのも全て貴方の存在を必死に追いかけ続けていたからです。

東京に出てからの20代はとにかく洋服が好きで好きでたまらなくて、貧乏だったけどとにかく、洋服が触れるだけで幸せで・・・。はじめてのロンドンに足を踏み入れて痺れたのもこの頃。
30代は自分の好きなことを信じて進んでいく、パワーと、パッションを貫く勇気を学び、40代、まだまだ、改めて前に進み続ける勇気とファッションの真髄を突き詰めて、好きな事を続ける信念を・・・。

いつも、どんな時も前だけを見ているヴィヴィアン の生き方はまさにPUNKそのもの。
自分は自分しかいない唯一無二。その精神を信じて前に進むのみ。あの日10歳の私に光を照らしてくれてありがとう。
今、私は誰よりも洋服が大好きで好きな事をやれています。そしていつまでもヴィヴィアン・ウエストウッドの背中を追い続けるんだと思います。
最高にカッコいい人生の先輩です。
Let it rock!!!

わたしの好きな柄、ギャラクシー柄とパイレーツ柄、そして大切なオーヴスウォッチ。いまだに大切にしているアイテム。沢山ある中でも手放せない。このバックで高校通っていたなー(笑)

とにかく中世の柄や、ゴールドアイテムが好きで好きで・・・。スウォッチのプッティ柄はもういつみても最高。アイテム全てがアートピースの様で、見ているだけでテンションあがります。

ワールズエンドのTシャツ達は全部がキャッチー。真ん中のミルキーウェイTシャツは3枚も持っていた・・・。もう綺麗なTシャツはこれくらいしかないくらい着まくっていた。若かりし頃。

今回いてもたってもいれず、ロンドンに飛びました。とにかく、行かないと!と思って。ロンドンのヴィヴィアンの店舗は全て喪に服していました。
沢山の献花や、ワールズエンドの横の壁の絵、店の入り口のメッセージ。
沢山の人が見送りに来ていました。
ワールズエンドの時計はいつ行っても変わらず時を逆に刻んでいて。いつもZEROの気持ちにしてくれて。

どれだけの人が貴方から影響されて、背中をおしてもらったのだろう。今回のロンドンはすごくいい時間を過ごせたし、行って本当によかった。
私の源。それがヴィヴィアン・ウエストウッドなんだと改めて胸に刻んできました。

Miki Aizawa
2005年よりフリーのスタイリストとして活動。雑誌でのスタイリングをはじめアーティスト、広告、CMなどジャンルを問わず活躍中。衣装デザイン、エディトリアルディレクション、空間プロデュースなど多方面で活動。