
2ndアルバム『lovely moments』のリリースや全国ツアー「a子 LIVE TOUR 2026 “JUNO”」を経て、アーティストとしてさらなる進化を遂げているa子。そんな彼女が、タイのシンガーソングライター、pamiをフィーチャリングに迎えて最新曲「bow wow feat. pami」を2026年10月14日(水)にリリースした。愛犬家という二人の共通点から生まれた今作は、全編英語詞や海外アーティストとの共作という初めてのチャレンジに加え、徹底した音作りへのこだわりが盛り込まれたドリーミーで愛らしい作品に仕上がっている。a子が率いるクリエイティブチーム、londog(ロンドッグ)とのビジュアル制作やカルチャーへの偏愛、そして気になる次のフェーズまで、今のa子のムードに迫る。
Photographs:Goku Noguchi / interview & text: Mizuki Kanno
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SSW、pamiとの出会いと愛犬が繋いだコラボレーション
――まずは新曲「bow wow feat. pami」でフィーチャリングされているpamiさんとの出会いや、コラボレーションに至った経緯から教えてください。
YouTubeを観ていたら、たまたまpamiちゃんの新しいMVが流れてきて。音楽のバックボーンが自分と近い匂いがしてすごく惹かれたので、インスタをフォローしたらフォローバックしてくれたんです。自分のレーベルのディレクターさんからも「DMしてみたら?」と勧められたので、思い切って「もしよかったらご飯に行きませんか?」と送ったら、ちょうど彼女が日本に遊びに来るタイミングと重なって一緒に行くことができて。それが最初の出会いです。
――実際にお会いしてみて、pamiさんの印象はどうでしたか? 音楽性から受けるイメージとギャップはありましたか?
アーティストの人たちにお会いするとあるあるなんですけど、かなり意外な面が多かったです。もっとクールでアンニュイな方を想像していたんですが、実際はとても明るくて陽気で、ハッピーな女の子で。MVの中でも可愛らしいですが、実物は本当にそれ以上というか、もっと可愛くて素敵な方でした。
――その食事の場で、自然と「一緒に曲を作ろう」という流れになったんですか?
そうですね。恋バナをしたり、お互い好きな日本のアニメの話題で盛り上がったりして。その時に、ちょうど私がワンちゃんをお迎えしたばかりだったのでそのことを話したら、彼女も愛犬をすごく大切にしていると教えてくれたんです。「お互いワンちゃんが大好きだし、それをテーマに曲を作れたらいいね」とアイデアが膨らんでいって、今回のコラボレーションへと繋がりました。


初の全編英語詞とグルーヴへの追求。「好き」を詰め込んだpamiとのセッション
――楽曲の制作は、どのように進めていったのですか?
私と、今回アレンジを担当してくれた中村エイジで作ったトラックにメロディと歌詞を入れて、pamiちゃんに歌ってほしいパートを空けた状態で送りました。「私が歌っているメロディと同じでもいいし、全然違うものを入れてもいいし、本当に好き勝手してね」という感じで渡して、返ってきたものをこっちでまとめたんです。お互い聴いてきた音楽のルーツが似ていることもあって、すごくスムーズなやり取りでした。
――実際にpamiさんから返ってきたものを聴いて、すっと腑に落ちるような感覚でしたか?
はい、とっても良かったです。最初、楽曲の世界観を彼女の雰囲気に合わせるか、まったく違うものにするのか悩んだんです。彼女が普段やっている音楽とは全然違う雰囲気にしても面白いかなと思って。ただ、そっちの方向性だと、トラックとうまく噛み合わなくなってしまったので、やっぱりpamiちゃんの雰囲気に合っていて、かつ自分も好きなサウンドにしようと方向転換しました。彼女が好きなThe 1975やビーバドゥービー、メン・アイ・トラストっぽいサウンドとチルい感じを合わせようと。一番のリファレンスはやっぱりメン・アイ・トラストですね。私も大好きなアーティストなので、pamiちゃんに「いいね」って思ってもらえるようなトラック作りを100%の気持ちでやりました。
――お二人の歌声が、似ているようで少し違ったりして、すごく素敵なシンクロ具合で聴き心地のいい楽曲でした。全編英語詞というのはa子さんにとって初挑戦でしたよね?
そうですね。全編英語は初めてですし、海外のアーティストとのコラボやフィーチャリングも初めてでした。私は英語がまったく喋れないので、londogのメンバーで英語が喋れる子に歌詞や発音をチェックしてもらいながらレコーディングをしたんですけど、めちゃくちゃ大変でしたね。事前に英語に慣れようと思って、ビリー・アイリッシュのインタビュー動画を観て同じように喋る練習をしたり、英会話を少し習ったりして準備したんですが、やっぱり難しくて。発音ができないせいで歌詞を入れ替えたりもしているので、そこは悔しさもありました。
――今回の作品作りの中で、サウンド面で特にこだわった部分はどこですか?
私が大好きなベーシストのマーティ・ホロベックさんにお願いできたのがとても大きかったです。最初に作っていたデモのままだと、グルーヴ感が薄くて、まっすぐでおとなしめの楽曲になっていたんですが、マーティにお願いしたらサウンドに跳ね感が生まれて、グルーヴィでキャッチーな雰囲気になって。ドラムもBREIMENのSo Kannoくんが叩いてくれて、二人のおかげで立体的なサウンドになりました。
――楽器隊が鮮やかな色付けをしてくれているんですね。
あとは、ギターのサウンドにもこだわりました。メン・アイ・トラストのライブを観た後で曲を作っていたんですが、そのライブがめちゃくちゃ良かったので、ギタリストが使っている機材をインスタで調べて同じものを取り入れたんです。なるべく同じにしたいなと思って。
――機材まで揃えにいく徹底ぶりがすごいです。そうした細部へのこだわりが、この曲の柔らかくてドリーミーな世界観を作っているんですね。音はもちろんですが、お二人の愛犬が写ったジャケットもすごくキュートで目を引きます。
a子のグッズやグラフィックのデザイン周りを一緒にやってくれているデザイナーのBabaさんに、お互いのワンちゃんの写真をモチーフにジャケットを作ってもらいました。私が飼っているのはワイヤーフォックステリアの「ロン君」。pamiちゃんもヨークシャテリアを飼っていて、「同じテリア系だね、親近感あるね!」ってすごく盛り上がったんです。

よりコンセプチュアルに。音楽とビジュアルの純度を高めていく次なるフェーズ
── 2ndアルバム『lovely moments』のリリースや全国ツアーを経て、アーティストとしての現在地や、作品に向き合うモードにどんな変化がありましたか?
そうですね。1stアルバム『GENE』の時はジャンルをあまり気にせず、やりたいことやインスピレーションの赴くままに曲を作っていたんです。でも2ndでは全体の色をまとめたいと思って、コンセプトをしっかり固めて制作に取り組みました。今も次に向けて新しい作品を作っていますが、その意識はさらに強くなっていますね。
――確かにコンセプトが固まっていたほうが、楽曲とビジュアル面の連動もより深いものになりそうです。
本当にその通りです。「このジャケットなら、きっとこんなサウンドだろうな」と、視覚と聴覚がパッと結びつくような見せ方に、もっとチャレンジしていきたいです。
――最近、a子さんが気になっている映画やMV、本、アートなどはありますか?
最近だと、3日ほど前(取材は9月末に実施)にリリースされたティナーシェのアルバム『Popstar』がすごく良かったです。あとはニコ・ルビオ。「tokyo」のMVで、私も大好きな『キル・ビル』のオマージュをやっていてとても可愛いんです。
海外のアーティストが東京を歌うのがちょっと流行っているじゃないですか。その流れで面白かったのが、ザ・ウィークエンドの来日ライブで。『新世紀エヴァンゲリオン』をオマージュしたビジュアルを作ったりして、日本でライブすることを心から楽しんでいたんです。彼は『攻殻機動隊』や『AKIRA』などのSFアニメがすごく好きらしくて、そういう世界観を音楽に落とし込んでいて。私も同じカルチャーが好きなので、「やっぱりこういうSFっぽいサウンドをまた作りたいな」と刺激を受けました。
Niko Rubio – tokyo (Official Music Video)
――pamiさんともアニメのお話で盛り上がったそうですが、そうしたカルチャーが制作のベースにあるんですね。
そうですね。pamiちゃんも最初はそんなふうに見えなかったんですが、話してみたら大のアニメ好きでした。MV撮影の時もお互い忙しくてあまりじっくり話せなかったので、またゆっくりアニメ談義ができたらと思っています。
――以前、装苑ONLINEでlondogのみなさんとお話ししていただいたクリエイションのやり取りがとても刺激的でした。現在もチームでの制作ミーティングは定期的に行われているんですか?
そうですね。実はつい最近も、前回取材していただいたメンバーで次回作のコンセプト会議をしたんですが……喧嘩して終わりました(笑)。いや、みんな本当に優しいんですよ。その時は確実に私が原因でした。でもそれくらい、軸となるコンセプトを決めるのってすごく難しいなと最近よく痛感しています。
――チームで次回作についてお話しされているとのことですが、これからの活動に向けて計画していることやビジョンがあれば教えてください。
今まで、楽曲のタイトルをそのままサビのフレーズに持ってくるような曲があまりなかったんです。ジャスティン・ビーバーの「Sorry」や、オリビア・ロドリゴの「good 4 u」のように、サビの頭にタイトルがガツンと入ってくるようなアプローチですね。「あたしの全部を愛せない」ではやっているんですが、次はもっとインパクトの強いワードをサビのメロディにハメるような曲を作りたいなと思っています。
あとは“ジャンルを固めた作品作り”が目標です。全曲打ち込みで作るとか、バンドサウンドだけで構成するとか。シューゲイザー、R&B、ロック、ガレージなど、一つのアルバムの中で親戚や兄弟にあたるような近いジャンルの楽曲でまとめたい。そして、その音楽性に合わせたジャケットやビジュアルをトータルで作っていくのが、今一番やりたいことですね。
――次から次へと全然違うジャンルをリリースしていくのも、いろんな表情が見えて面白そうですよね。
それもすごくやりたくて。たとえば次に一つのジャンルに絞ったEPやアルバムを出したとしたら、その次の作品ではまったく違うアプローチに振り切る、という見せ方もしてみたいですね。
――楽しみですね! a子さんほどのアイコニックな存在であれば、どんなジャンルに振り切ってもブレない芯が通りそうです。
赤髪はこれからも変えずに貫いていきます(笑)。音楽もビジュアルも、もっと面白いことを仕掛けていくので楽しみに待っていてほしいです。

a子
2020年に本格的にアーティスト活動を開始したシンガーソングライター。情緒的な楽曲の数々はa子自身がプロデュースしながら制作している。MVやアートワークも自身が率いるクリエイティブチーム、londogが制作するなど活動は多岐に渡る。2020年9月に1st EP『潜在的MISTY』、2021年1月には2nd EP『ANTI BLUE』を自主レーベルlondogよりリリース。2024年2月には楽曲「惑星」をPONY CANYON内のレーベルIRORI Recordsからリリースし、メジャーデビューを果たした。さらに、同年7月に1stアルバム『GENE』リリースし、2026年5月には『lovely moments』をリリース。2027年1月より東名阪を回る自身初のファンクラブツアー『a子 FANCLUB TOUR “LONDOG” Vol.1』を控えている。
公式サイト:https://akolondog.net
Instagram:@mjgptw___ad
X: @mjgptw___ad
YouTube:@mjgptw___ad

a子
最新曲「bow wow feat. pami」
デジタル配信 PONY CANYON / IRORI Records
タイ・プーケット出身のシンガーソングライター、pami(パミ)をフィーチャリングに迎えたa子初の海外アーティストとのコラボレーション作品。a子とpamiがどちらも愛犬家という共通点から、愛犬とのかけがえのない日々を歌った1曲。ベッドルーム/ドリームポップを基調にしたサウンドと、一定の力強さとキュートさを感じるメロディが合わさった、メロウな楽曲となっている。
Streaming&Download:lnk.to/ako_bow_wow
a子 – 恋は生まれた : MUSIC VIDEO (Ako – love was born)
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