若手クリエイターの登竜門、イエール国際フェスティバル(International Festival of Fashion, Photography and Fashion Accessories in Hyères)が、10月15日から4日間の日程で開催され、受賞者が決定した。
【ファッション部門】
⭐️グランプリ(Grand Prix of the Fashion Jury)
ファッション部門でみごとクランプリを受賞したのは、中国出身、パーソンズ・パリを昨年卒業したユイ・チェン(Yui Chen)。

ファッション部門の授賞式にて。ユイ・チェン(中央)と審査員およびスポンサー企業の関係者ら。
応募作品のタイトルは「Food Cover」。食べ物を虫などから守るための蠅帳を着想源に、そのボリュームや折りたたみ構造を取り入れたコレクションとなっている。素材にはロマンティックなレースを用い、軽やかに揺れる立体的なシルエットを生み出した。身近な日用品を彫刻的な服へと変貌させ、衣服の新たな可能性を提示している。




©Arnel Ian Dela Gente
グランプリを受賞したチェンには、シャネルからle19Mのメティエダールとの共同制作に向けた2万ユーロ(約355万円)の助成金が贈られる。さらに、欧州リネン・ヘンプ連盟によるヨーロッパ産リネンの素材提供と制作支援、ビジュアル制作支援、1年間のメンター制度など、多彩なサポートが約束された。

トロフィーを手にしたチェンさん。
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【アクセサリー部門】
⭐️グランプリ(Grand Prix of the Accessories Jury)
アクセサリー部門のグランプリは、オーストリア出身、ウィーンのファッションスクール・ヘッツェンドルフで学び、現在はパリを拠点に活動する帽子デザイナーのサッサ・アン・ヴァン・ウィック(Sassa Ann van Wyk)が受賞。

アクセサリー部門の授賞式にて。サッサ・アン・ヴァン・ウィック(右から2番目)と審査員およびスポンサー企業の関係者ら。


「Archive of Motion」と題したコレクションでは、伝統的な帽子作りの技術をもとに、素材の特性を生かした動きのある造形を探求。失われつつある職人技を現代的に再解釈し、静と動が共存する独創的なフォルムを形づくっている。

「伝統は過去に固定されたものではない」とヴァン・ウィック。
【写真部門】
⭐️グランプリ(7L Photography Grand Jury Prize)
写真部門のグランプリは、リヨン国立高等美術学校出身の日本人、中谷幹(なかたに・もとき)が獲得。

写真部門の授賞式にて。中谷幹(中央)と審査員およびスポンサー企業の関係者ら。

受賞作品のタイトルは 「Dot field dot」。静物写真を出発点に、物理的なオブジェとデジタル加工の境界を探る作品。AIが瞬時に画像を生成する時代に、あえて素材を切り抜いたり、穴を開けたりする手作業を取り入れ、その痕跡を残すことで、現実と虚構が交錯するイメージを生み出す。見る人が思わず二度見してしまうような、視覚的な錯覚を追求している。

「これまで写真部門に日本人がまったく出てこなかったので、がんばりたいと思った」と中谷さん。
Photographs:濱 千恵子(Chieko Hama)
Text:B.P.B. Paris