第十四回 番外編 「韓国の買いつけ」
スタイリスト相澤 樹の素敵すぎる収集癖

世界中に素敵な場所は沢山あってそれぞれ大好きだけど、ここ韓国にもそれと同じくらいあやしくて魅力のある“通り”がある。小さい頃から、先の見えない通りの先を好奇心旺盛に進むというのが、今でも変わらないままだ。その時の旬なもの、ずっと置き去りのまま時が止まっている物たち。混沌とした空間・・・。
まさにここの通りにある市場は呼吸をしている場所。そこに飛び込む瞬間はいつも気持ちが高揚する。
そんな沢山の国で出会って集め続けている材料たち、ボタン、ビーズ、スパンコール、リボンなど・・・。私の食材の源みたいなものだ。今回はそんな市場の様子を紹介。上の写真はパリ、イタリア、中国、韓国で集めているボタンたち。そして今回の買いつけは韓国の市場へ。

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海外の市場は建物や街によって売っているものが異なることが多い。だから沢山の同じアイテムの店が所狭しにならんでいる。
その中から、これだ!と見つける作業は、じぶんの感覚と目を信じるしかない。見つけた時のあの気持ち良さはもうスリルがあってクセになる。
だからやめられない。何度同じ通りを通ってもアップデートされていく。まさに底なしの楽しさがあるのだ。

1.縫製材料専門。このピンクッションは何個持っているかわからないくらい使い続けている。
2.チェーンは素材や太さ、とにかくたくさんの用途で使い分けている。いつも欲しいものが多すぎて関係ないものまでついつい買ってしまう。
3.リボン。1番大好きなアイテム。とんでもないカラーバリエーションとデザイン、そして太さの違い。店ごとに全部欲しいくらいのバリエーション豊か。店によって、オーナーのこだわりが伝わるのがこのリボンの店。
4.毛糸。もうびっくりするセレクション。そして店の中で、お母さんたちが話をしながら編み物をしている姿をのぞくのも楽しみの一つで、見どころでもある。

4の毛糸屋さんは食器たわしを売っていて、みんな個性がある。今回は私はこのあたり(写真右)をゲット。なんとも愛らしいデザインがクセになる。

そして手に入れた材料を仕分けする作業も大切な時間。私はこの透明ケースに、ジャンルや、アイテムごとに分けている。今ではケースは40個以上。この詰まったケースの様子が収集癖にはたまらない光景で愛おしい。

数えきれないほどのモノに囲まれて、またさらに好きなものを探し続ける。ネットでなんでも買える時代だからこそ、逆に足を使って現地を歩く。そしてその時の直感を味わう。けもの道を進んだその先の景色はとてつもなく美しく、魅惑的な世界が広がっているのを知ってしまっているから。私のインスピレーションの根源は、この世界中の市場にあると思う。
頭がパンクするくらいの刺激をもらって、またアウトプットを繰り返して、私の材料収集癖は続いていく。だからやめられないし、とまらない。

Miki Aizawa
2005年よりフリーのスタイリストとして活動。雑誌でのスタイリングをはじめアーティスト、広告、CMなどジャンルを問わず活躍中。衣装デザイン、エディトリアルディレクション、空間プロデュースなど多方面で活動。

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