二つ目の展示空間「クラフトのギャラリー」では、フランスが誇るメティエダール(伝統技術による熟練した仕事)をアトリエ別に解説。シャネルが傘下に収める刺繍工房のルサージュ(LESAGE)、羽根細工と花細工のルマリエ(LEMARIÉ)、ジュエルボタンのデリュ(DESRUES)など、高度な職人技術に特化したコーナーが並び、普段はなかなか目にすることのないデザイン画や仕事道具も公開されています。


「デリュ」によるジュエルボタンのデザイン画と様々な時代のボタン類(1900〜’90年頃)。ファッションにおける装飾パーツとしてのボタンの重要性が示されている。

ユベール・ド・ジバンシィによる1988年春夏オートクチュールのウェディングドレス。花細工のルマリエによるスズランの造花で全面が覆い尽くされ、ドレス自体が花束のような雰囲気になっている。


クリストバル・バレンシアガによる1968年春夏オートクチュールのイブニングドレス。テキスタイルデザイナーのアレクサンドル・サッシュが手がけたダイナミックなバラの絵がプリントのモチーフに。
オートクチュールのドレスはもちろん、コム デ ギャルソン、ヨウジヤマモト、ドリス ヴァン ノッテンといった人気ブランドの作品も豊富に展示され、見応えもたっぷり。装飾芸術の視点からファッションを捉えることで、その魅力の奥深さに気づかされます。


左:カール・ラガーフェルドによるシャネル 2026年春夏オートクチュールのアンサンブル。刺繍工房のユレルとプリーツ工房のロニオンが製作。その横にはユレルの刺繍サンプル(1910〜’22年頃)が展示される。右:ルサージュが手がけたブエ姉妹のドレス(1925〜’26年頃)。18世紀のパニエや第二帝政期のクリノリンを想起させる作品。

展覧会の様子。左手前は、コム デ ギャルソン 2016–17年秋冬のドレス。18世紀のムードとパンクの精神を重ね合わせたようなアバンギャルドな一着で、本展を象徴する存在となっている。
● Tisser, broder, sublimer. Les savoir-faire de la mode
「織る、刺繍する、昇華させる。モードのサヴォアフェール」展
2026年10月18日まで。
Le Palais Galliera
10 av. Pierre 1er de Serbie 75116 Paris
オフィシャルサイト
Photographs:濱 千恵子 Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris