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リック・オウエンス展覧会「Rick Owens, Temple of Love(リック・オウエンス、愛の神殿)」レビュー。ガリエラ宮がリック・オウエンスの“愛の神殿”に変貌

2025.08.09

世界中にコアなファンを持つリック・オウエンスの回顧展「Rick Owens, Temple of Love(リック・オウエンス、愛の神殿)」が、パリ市立モード美術館「ガリエラ宮(Palais Galliera)」で開催されている。

芸術監督を務めたのはリック自身。ロサンゼルス時代から現在に至るまでのコレクションを中心に、100点以上の作品が展示され、プライベートアーカイブやビデオ作品、未発表のインスタレーションも公開されている。

さらに、インスピレーションを受けてきたアーティストの作品や映画の数々を紹介。アトリエで立体裁断をするデザイナー本人の映像も興味深く、唯一無二のクリエイションの源に迫る内容となっているのだ。

リック・オウエンスは1961年カリフォルニア生まれ。ロサンゼルスでパターンカッターとしてキャリアをスタートし、’89年に後に妻となるミシェル・ラミーが立ち上げたブランド「ラミー・メン(LAMY MEN)」に合流。’92年には、自身の名を冠した最初の製品が、伝説的な前衛ファッションのセレクトショップ「チャールズ・ギャレイ(Charles Gallay)」で販売され、評判を呼んだ。

’97年、初のシーズンコレクションを発表し、メディアに大きく取り上げられるなど、支持を拡大。2003年にフランスの毛皮ブランドであるレヴィヨン(RÉVILLON)のアーティスティックディレクターに就任したことを機に、拠点をパリに移した。以降、家具、香水、舞台衣装も手がけるなど、多岐にわたる創作活動を展開している。

今展では、長年のパートナーであるミシェルの存在にも光を当て、二人の寝室の再現など、極めて私的な側面も披露。庭園には、特別に作られた巨大彫刻が並び、ロサンゼルス時代のアトリエの裏庭から着想を得た花壇が広がっている。

まるで美術館が丸ごとリックの“愛の神殿”と化したような展覧会である。

Rick Owens, Temple of Love
10, avenue Pierre Ier de Serbie 75116 Paris 
2026年1月4日まで。
事前予約を推奨。

公式サイト

Photographs : Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris

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