和田彩花×ゆっきゅん
私たちの「アイドル」論。
アイドルの主体と表象をめぐるダイアローグ

2025.05.29

photographs : Jun Tsuchiya(B.P.B.) 
hair & makeup : Yoshikazu Miyamoto(BE NATURAL,Ayaka Wada)
interview & text : Yoko Hasada

“アイドル”という肩書で表現できること、できない現実

──アイドルに憧れたきっかけは?

和田彩花(以下、和田) 両親のすすめで芸能の仕事を始めたのが9歳。自意識が芽生えて、やっと憧れを抱くようになったのが19歳でした。プラチナ期と呼ばれるモーニング娘。さんとKARAさんの大人っぽいパフォーマンスに、同じステージに立つ表現者として惹かれました。

ゆっきゅん 歌って踊れる音楽が好きなので自然とアイドルソングを聴くようになって、モーニング娘。やPerfumeなど、ロールモデルは総勢200人くらいいるかもしれない(笑)。自分のことを歌うアーティストが好きなので、ステージでの表現や人間性込みで憧れます。和田さんはロールモデルっていうと、どなたなんですか?

和田 いとうせいこうさんですね。詩を書いて、ラップをして、文化的なことも発信して。常に批判的に世の中を見ているところが、自分の視点と重なるなって思います。ただ、そういう内面性を表現できる居場所がアイドルの世界にはなかった。私の場合はセクシュアリティへの意識が強くて、女の子らしさを求められることに抵抗もしましたけど、理解してもらうのは難しかったです。

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──卒業後もアイドルと名乗り続ける中で、今現在、どんなことを感じていますか?

和田 アイドルという解釈の幅を広げたくてアイドルになろうと思いましたけど、端から見ればわかりにくく、もっとわかりやすさを求めたほうがいいのかなと思うようになりました。自分の活動がアイドルで語れる範囲ではなくなってきていることもあります。肩書について質問されるたびに、私の正体をどう表現したらいいのか悩むようになって。ゆっきゅんさんの肩書はDIVAですよね。

ゆっきゅん 2016年にルアンちゃんと、電影と少年CQを結成して、大学院を修了した2021年にDIVA Projectとしてソロ活動を始めました。ソロになると違う見られ方をされてしまう可能性もあるなと思って、やりたいことを明確に共有するために企画書を書いたんです。アイドルだとちょっと腑に落ちないところがあって、考えながら書いた1行目にはDIVAって書いてました。私も正体をよく聞かれるんですけど、自分のことを歌にしているからか属性の質問もされないし、ファッションもこのまま。“DIVA”という肩書によって、伝わりやすくなっている部分はあるかもしれないです。

NEXT それぞれが考える「アイドル」という存在と未来とは

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