峯田和伸×神田恵介 スペシャル対談
銀杏BOYZとkeisuke kandaをつなぐ服。
『音をつくる人。服をつくる人。』
【後編】

やっぱり神田くんは何をやっても“ポップ”で“真ん中”にいる人だなって感じます。俺にとっては、それが一番欲しいところでもある(峯田)

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──最近、銀杏BOYZの公式SNSのアイコンが、長年使われていた手描きロゴから、keisuke kanda デザインのロゴに変わっているようですが……。

峯田:神田くんが昔デザインしてくれたロゴが一番しっくりくるから、みんなで「使わせてもらえないか頼んでみようか」って話になって。ロゴの中にkeisukekandaの象も入ってるんですけど、象がいるのも含めて「使ってもいいですか?」ってお願いしました(笑)。

神田:あれはもともと10年ぐらい前に銀杏BOYZのグッズ用にデザインしたもので、時を経てまさかのバンドのオフィシャルロゴにしてもらえて、またもやびっくりでしたし、とても嬉しかったです。

峯田:「そういえば神田くんが昔作ってくれたロゴ、やっぱり良かったな〜」と思って。あれが今、またしっくりきたんだよなー。あと、この服(写真で着用しているジャケット)の背中に「keisuke kanda」って刺繍が入れてあるけど、これは神田くんの手書きなの?

神田:僕の手書きをベースに、グラフィックを入れてロゴとして整えています。

峯田:この文字の手癖が好きです。

神田:わっ、どうもありがとうございます。

峯田:今度新しく「銀杏BOYZ」って書いてください!俺の手書きロゴもいいんだけど、俺よりも神田くんのあの手書きの感じがいいなと思って。「銀杏BOYZ」のパターンと、「銀杏ボーイズ」のパターンと「GING NANG BOYZ」のパターンで書いてください!

神田:何ですかこの状況……。僕で良ければ……、ぜひやらせてください!

峯田:やったー!焼き肉、奢らせてください!あの文字の絶妙なバランス感もそうだけど、やっぱり神田くんはポップなんだよ。どうしたってアバンギャルドにはならないんだと思う。

神田:そっか、やっぱり僕はマルタン・マルジェラにはなれない(笑)。

峯田:そうだと思ってますよ。神田くんってどうやったって真ん中の人なんだと。ヤクルトになれないのね、巨人!

神田:そんな風に考えたことなかったです!

峯田:ヤクルトファンなんだけど、存在としては巨人なんだよ。

神田:畏れ多いですけど……嬉しいです。自分では気づけていないことでしたが、峯田さんには何かが見えてるんでしょうね。いつもこうやって、自分の新たな一面に気づかせてくれますから。

峯田:他の人が同じことをやっても、全く同じにはならなくて、もっと泥臭い感じになっちゃうと思うんです。でも神田くんがやると、どうしてもポップになるんですよね。それって誰かの影響とかではなくて、神田くん自身が生まれ持った素質だからどうにも変えられない部分で、唯一無二の強みなんだと思います。そこを自分ではコンプレックスに感じることもあるのかもしれないけど、俺から見たら本当にすごいなって。

手縫いでも手書きでも、その人の“色”って自然と出ちゃうし、百人いれば百通りの色があるんですよね。俺は「真ん中=ポップ」だと思っていて、やっぱり神田くんは何をやっても“ポップ”で“真ん中”にいる人だなって感じます。俺にとっては、それが一番欲しいところでもある。

“ロック”と“ポップ”は全然違うもので、その関係性についてよく考えるんですけど、神田くんを見ていると、誰にも真似できないポップな表現ができるっていうのが、本当に大事なことなんだなあって思います。だから、すごく刺激を受けてます……なんか偉そうに聞こえるかもしれないけど(笑)。

神田:そんな風に褒めていただけるなんて思いもしなかったので……返す言葉もすぐに見つからないですが……。どうもありがとうございます!峯田さんのおかげで、こうしてまた知らない自分とも出逢うことができて、今日この機会をいただけて良かったって心から思いました!ポップであれるよう、自分の真ん中を信じてやっていきたいと思います。

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Kazunobu Mineta
1977年生まれ、山形県出身。’96年にロックバンドGOING STEADYを結成。2003年、同バンドの解散後にソロ名義で銀杏BOYZを始動。その後、バンド編成となった銀杏BOYZの活動と並行して、’03年公開の主演作『アイデン&ティティ』で俳優デビューを果たす。以降、『少年メリケンサック』『色即ぜねれいしょん』『ボーイズ・オン・ザ・ラン』などの映画や、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』といったドラマにも出演。11月からは、宮藤官九郎が作・演出を手がける舞台『雨の傍聴席、おんなは裸足…』への出演も控えている。

Keisuke Kanda
1976年生まれ。早稲田大学、文化服装学院卒業。大学在学中から服づくりを始め、’05年に自身の服飾レーベル「keisuke kanda」をスタート。全国の顧客のもとへ直接赴き、対話しながらオーダーを受けるという独自の販売方法を確立。’23年よりアーティスト・椎名林檎のツアー衣装も手がける。銀杏BOYZとは、’14年から続くライブグッズの共同制作、’21年の「GOD SAVE THE わーるど」MVで監督を務めるなど、唯一無二の関係を築いてきた。’25年、初のメンズライン「keisuke kanda BOYZ」を始動。

峯田さん着用:ジャケット ¥88,000、パンツ ¥77,000  keisuke kanda BOYZ 、Tシャツ 非売品

銀杏BOYZ
WEB:https://gingnangboyz.com/
X:https://x.com/gingnangboyz_mv

keisuke kanda
WEB:https://www.keisukekanda.com/
X:https://x.com/keisuke_kanda


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