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アライアが見つめたアフリカ、名作を生んだクチュリエの記憶をたどって

2026.08.28

フランスのオートクチュール界で確固たる地位を築いたアズディン・アライアは、北アフリアのチュニジア出身。若くして離れた故郷とアフリカ大陸は、アライアにとって永遠のインスピレーション源だった。

そのクチュリエと大陸の深いつながりをたどる展覧会「アズディン・アライアとアフリカ(AZZEDINE ALAÏA AND AFRICA)」が、パリのアライア財団で開催されている。

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会場に入るとまず、彼が幼少期を過ごしたチュニスの記憶へと導かれる。なかでも象徴的なのが、イスラム建築に見られる格子窓「ムシャラビエ」だ。

幾何学的な透かし模様のその窓は光や風を通しながら視線を遮り、見せながら隠すという特徴がアライアの服に重なる。強い日差しを反射するチュニジアの白い石灰壁、暑さの中を通り抜ける風の感覚を想起させる作品である。

一方で、アフリカの部族文化やサファリとの結びつきも見られる。アライアはトライバルな装身具やアニマルから着想を得ながらも、余分なものを削ぎ落とし、洗練されたシルエットを形成。素材そのものの質感を生かしながら、身体を彫刻のように際立たせる独自のクリエイションへと落とし込んでいる。

さらに、サハラ以南の大地を思わせるサンドカラーや赤、ラフィアなどの天然素材、貝殻による刺繍へと表現は広がる。こうした影響がとりわけ鮮明に現れたのが、1988年から’90年にかけての春夏コレクションだ。

様々な角度からアフリカが語られる中、目を引いたのは1986年春夏オートクチュールで登場したアラビア文字の刺繍。2000年代に制作されたクロコダイルの燕尾ジャケットやパイソンのラップドレス、ラムスキンのフリンジのドレスなども並び、野性味あふれる素材使いの作品が存在感を放っている。

エジプトのミイラもクリエイションの源泉となった。その代表作が、身体を細長い布で包んだ姿から発想されたバンデージ・ドレスである。女性のボディに沿って緻密に構成されたドレスは、卓越したカッティング技術で知られるアライアを象徴する作品となった。

アライアのケニアの旅を紹介するコーナー「ピーター・ビアードとアズディン・アライア – 友情の旅(PETER BEARD and AZZEDINE ALAÏA. A journey of friendship)」も興味深い。ここでは、フォトグラファーでアーティストのピーター・ビアードが、1996年にフランス版『ELLE』のために撮り下ろした写真が展示される。当時ケニアで暮らしていたビアードはアライアの長年の友人でもあり、二人がともに旅したトゥルカナ地方での体験を伝えている。

アライアがアフリカから受け取った多彩なインスピレーションと、それらを唯一無二のクリエーションへと変えていく卓越した感性に、改めて魅了される展覧会だ。

●AZZEDINE ALAÏA AND AFRICA
「アズディン・アライアとアフリカ」展


2027年4月1日(木曜)まで。

Fondation Azzedine Alaïa
18 Rue de la Verrerie 75004 Paris, France
公式サイト

Photographs:Chieko Hama(濱 千恵子)
Text:B.P.B. Paris

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