
LV DREAMで開催中の「ルイ・ヴィトン アール・デコ」展より。写真はアール・デコ様式を世界に広めた「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(1925年)のルイ・ヴィトンのスタンドの再現。
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のパリの本社に隣接するLV DREAMは、文化・美食・リテールが融合する体験型の文化施設。
展示スペースでは、趣向を凝らしたエキシビションを無料で鑑賞でき、併設するカフェとチョコレートショップは、最高級ホテル「シュヴァル・ブラン パリ(Cheval Blanc Paris)」のシェフパティシエ、マキシム・フレデリック(Maxime Frédéric)が監修を務めています。同じフロアには、ルイ・ヴィトンの限定アイテムなどを取りそろえるギフトショップもあり、訪れる人にラグジュアリーなひとときを約束してくれるホットスポットなのです。

セーヌ川の向かい、パリの中心部にあるLV DREAM。
特に、今秋からスタートした「ルイ・ヴィトン アール・デコ(Louis Vuitton Art Deco)」展は、メゾンとアール・デコ運動の深い関係に光を当てた興味深いエキシビションです。今年は、1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」から100年の節目にあたり、この博覧会がアール・デコ様式を世界的に広めたとされています。


アール・デコ全盛期の家具やドレスの展示。中央は、ジャンヌ・ランバン 1925-’26年冬のドレス。トイレトリー・セットは、ジャンヌ・ランバンが所有していたもの。
「Family Heritage(ヴィトン家のヘリテージ)」と題された展示室からスタートする本展は、テーマに沿って異なる視点を表現する8つの展示室で構成。300点を超える歴史的オブジェやアーカイブ資料の多くは今回が初公開であり、アール・デコ様式が現代のファッションに与えている影響までを浮き彫りにしています。
時代を超えて輝きを放つアール・デコの美学。そのエスプリを、LV DREAMでぜひ感じてみて。


アール・デコ時代にルイ・ヴィトンが制作した様々な用途のトランク。写真上:自動車用のトランク(1924年)。衝撃に強い構造に加え、旅先で必要なケースだけを取り出せる設計になっている。下:30足の靴を運べるトランク(1926年)。


写真上:ポール・ポワレ作とされる刺繍入りショールと、ポワレが所蔵していたルイ・ヴィトンのトランク(1911年)。中:当時の雑誌『LA MODE ILLUSTRÉE』(1925年6月号)と『L’ILLUSTRATION』(1926年5月8日号)の表紙。

1925年頃のドレス(作者不明)。規則的に並ぶ波模様が、いかにもアール・デコらしい。

アール・デコ様式のルイ・ヴィトンのバッグ。左:ビジューのようなミニ・クラッチ(2011年プレフォール)。右上:幾何学模様が特徴のバッグ(2020年クルーズ)。右下:エキゾチックレザーのバッグは水玉が個性的(2005年春夏)。

旅をテーマにしたマーク・ジェイコブスによるルイ・ヴィトン 2012-’13年秋冬ウィメンズ・コレクションより。


写真上:現代のルイ・ヴィトンのコレクションからもラインナップ。下:ニコラ・ジェスキエールによるウィメンズ・コレクション(2020年クルーズ)。このシーズンは、ニューヨークのアール・デコ建築が着想源の一つとなった。




展覧会とあわせて訪れたいLV DREAMの館内。写真上:トップパティシエのマキシム・フレデリック監修のカフェとチョコレートショップ。下:コレクターズアイテムをはじめ、革製品、アクセサリー、書籍など、豊富な品をそろえるギフトショップ。
「ルイ・ヴィトン アール・デコ」展
Exposition Louis Vuitton Art Deco
LV DREAM
26 Quai de la Mégisserie 75001 Paris
無料(公式サイトにて要予約)
開館日時:11:00〜20:00、月曜休み
カフェは予約推奨。チョコレートショップ、ギフトショップは予約なしでアクセス可能。
2 bis rue du Pont-Neuf 75001 Paris
営業時間:11:00〜19:00
Photographs : Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris