2025-’26年秋冬オートクチュールウィークが7月7日から4日間の日程で開催。
今シーズンの必見のショーや気になるトピックスをご紹介します。

フィナーレを飾ったローブ・ド・マリエ。すっきりとしたシームレスなシルエットは、帽子製造の技術で作られた。
バレンシアガ(BALENCIAGA)は、デムナ(Demna)の最終章となる第54回クチュールコレクションを発表した。
「このコレクションは、バレンシアガでの私の10年間を締めくくるにふさわしいものです」と、デムナは言及。「不可能と思われる完璧さへの飽くなき追求の中で、私は限りなく満足感に近づきました。それこそがクリストバル・バレンシアガ(Cristóbal Balenciaga)の精神そのものであります」
メゾンのクチュールサロンで開催されたショーでは、音楽の代わりにチームメンバーの名前が一人ひとり読み上げられた。それは、デムナからの感謝の気持ちを込めた演出だったという。
コレクションは彫刻的でありながらミニマルなデザイン。全体的に軽やかな仕上がりになっていて、再構築された “快適な”コルセットが、ウエストを絞ったアワーグラス(砂時計)シルエットを際立たせていた。

ADのあとに記事が続きます
ADのあとに記事が続きます
出発点はブルジョワジーのドレスコードの考察だったそうで、メディチ家を彷彿とさせるハイカラーやチューリップ型のラペルのテーラリングが、威厳のある女性像を描いている。クチュールメゾンならではの豪華な刺繍も目を引き、スパンコールで再現された1957 年のフローラルモチーフは、デムナの祖母のテーブルクロスを思い出させたのだとか。

後半の「ワンサイズ・フィット・オール」のスーツも興味深かった。これは、一人のボディビルダーの体型に合わせた9着のスーツを、様々な体格のモデルたちに着用させるというもの。このパートを担ったのはイタリア・ナポリの4つの家族経営のテーラーで、この地方特有の柔らかな仕立てにより、着る人によってスーツはがらりと表情を変えた。


ハリウッドの黄金時代もアイデアソースになり、マリリン・モンローからインスパイアされたスパンコールのドレス、世界で最も軽量なオーガンザのプリンセスドレスなどもお目見え。フィナーレには、アイコニックなモデルのエリザ・ダグラスが、ギピュールレースのローブ・ド・マリエを纏って登場した。

パリ各地で撮影されたルック写真は、デムナがファッションのキャリアをスタートさせた場所へのオマージュ。創業者バレンシアガの精神に敬意を滲ませながら、最後に描いたのは、まさにデムナらしい美しく挑戦的な一章だった。








































コレクション発表後に、デムナが最後のコレクションに込めた芸術性とクラフツマンシップを紹介するビデオが公開された。父から子へと受け継がれてきたナポリのテーラーがバレンシアガのスーツを手がける様子やパリの老舗扇子メーカーのデュヴェルロワ(Duvelleroy)による扇子製造の解説も収録。ぜひこちらもチェックしてみて!
Photos : Courtesy of Balenciaga
Text : B.P.B. Paris