さらに、マーケットエリアでは、ビームスクリエイティブとMYAFを企画運営するエイベックス・クリエイター・エージェンシーが共同で企画・キュレーションを行う「SUPER ART & CRAFT MARKET」を初開催。アートグッズ、クラフト、飲食のジャンルから90以上のクリエイターやブランドが一堂に会し、作品や限定商品を展示・販売するほか、体験型イベントなど多彩なコンテンツが展開された。

会場内では、「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」のプログラムの一つとして昨年50周年を迎えた「モンチッチ」と現代アーティストによるコラボ展示も開催。現在のカルチャーシーンを彩るクリエイターたちが多数参加し、作者を目の前に作品を手にとって楽しめる空間として、会場は賑わいを見せた。


左・モンチッチ50周年を祝した「RE:MONCHHICHI」ブース。右・会場にて、オリジナルアイテムを販売していた現代アーティストの加賀美健さんとアートギャラリー「MISAKO&ROSEN」のオーナー・ローゼン美沙子さん。
6.“バグ”を感じる造形が、心をくすぐる。
作家・時吉あきな
作家の時吉あきなさんは、スマートフォンで撮影した動物や食べ物などのモチーフを紙に印刷し、立体作品に昇華。本来立体である生物や食べ物を一度平面に落とし込み、再び立体へと再構築することで生まれる現実と非現実の境界の揺らぎが、どこか違和感のある世界観として鑑賞者を惹きつける。


左・モンチッチとのコラボブースに展示された原寸大の犬とハムスターの立体作品。右・個人ブースでは、小さなオブジェやブローチ、ステッカーなどバラエティ豊かな作品が販売された。
7.やわらかな線で描く優しい世界。
イラストレーター・KIMUKIMU
今年、武蔵野美術大学大学院版画コースを卒業したイラストレーター・KIMUKIMUさんは、愛らしいイラストレーションで版画作品や雑貨を手がける。“誰も傷つかない優しい世界”をモットーに、モノクロのやわらかな線で描かれるゆるい動物たちの絵は、見る人の心にそっと温もりを届ける。


左・KIMUKIMUさんご本人とブースの様子。ポストカードや刺繍入りキャップ、ぬいぐるみなど、イラストを基に展開された多彩なアイテムがラインナップ。
8.ハンドメイドで生まれる、ときめき雑貨。
ブランド・MIZUGASHI
「自由に生きるためのデザイン」をコンセプトに、Akina Imadaさんが手がけるブランド・MIZUGASHIは、ポップで可憐なハンドメイドのファッション雑貨を展開している。花や貝殻をクリア素材に閉じ込めたパーツや天然石のビーズを使った可憐なアクセサリーが魅力的。
取り扱いは、吉祥寺のセレクトショップ・tojikomiやニュースタアなどで行われている。


ネックレスやクリップ、光るおもちゃのキーホルダーなど、コーディネートをポップに彩る多彩なアイテムが並んだ。
9.わんちゃん愛を、陶芸でかたちに。
アーティスト・mycoro
イラストレーター/セラミックアーティストとして活躍するmycoroさん。もともとイラストレーターとして犬を多く描いていたが、犬好きが高じて立体的な陶器作品も手がけるようになったのだとか。ほがらかな表情のわんちゃんのオブジェは、部屋に飾るだけで日常を明るく和やかにしてくれる。


わんちゃんの頭に花を挿せる一輪挿しの花瓶や、わんちゃんの顔のブローチなど、個性豊かな作品が並ぶ。
10.ユニークな発想から生まれるネオ伝統工芸。
張り子作家・にしこはりこ
にしこはりこさんは、グラフィックデザイナーから張り子作家へと転身。郷土玩具に伝わる伝統的な張り子の技法を用い、ユーモアあふれるセンスで思わず微笑んでしまう愛らしい作品を制作している。主に動物をモチーフに、張り子ならではの軽やかに揺れる特性を活かした頭やしっぽが揺れ動く仕掛けにも思わず心がときめく。


色鮮やかな彩りとゆるやかな表情、揺れる仕掛けに思わずほっこり!お化けや桃から顔を出す桃太郎などモチーフのユニークさも魅力的。
デジタルやAIが進展し、多様な価値観が混ざり合う現代で、自分らしい視点を通して社会と向き合うアーティストたち。新たな気づきや豊かな感性をもたらしてくれる彼らの表現活動に、これからも注目したい。
photographs:Norifumi Fukuda(B.P.B.)



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