金沢21世紀美術館でSIDE COREの大規模個展開催中。「Living road, Living space / 生きている道、生きるための場所」 

2026.01.30

SIDE COREと共に進化、拡張する美術館の活動

2024年、学芸員の髙木さんは、自主企画で、「Everything is a Museum」を企画、当館のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)のプログラムにSIDE COREを招聘し、共に能登を訪れ、新作の制作依頼をした。その時、生まれたのが《new land》(2024)だ。

石川県のイカ釣り漁船の拠点だった鹿磯漁港は、4メートル近い地盤隆起で、海岸線200メートルの海底が露出、海藻などが乾燥して岩場が白く変色した異様な光景が広がっていた。

 「海中にいた海洋生物があがって死んで真っ白になって、海底の環境そのものが丸ごと化石になってしまったような光景だった。能登半島地震による地質変化で、新しく陸地が生まれていた。ぼくらは、その漁港で、鳥に餌をやる映像を撮りました。鳥が種を運んでくることで、環境も変わっていく。自然のサイクルの中に自分たちも入っていくという作品です」と松下さん。
《new land》は、地震や鳥や人間などの営みにより更新されていく土地の様子を謳っている。


能登半島地震以降、奥能登豪雨にも見舞われた能登半島に、ボランティアやリサーチ活動で何度も足を運んできたSIDE COREのメンバーたちは、道が更新されていく有り様も目の当たりにしてきた。能登への道における、彼らの経験や体感を最も顕著に投影しているのが新作の映像作品「Living road, Living space /生きている道、生きるための場所」の《living road》(2025)だ。

金沢21世紀美術館は、今までも公園のように街に開かれた存在として、人気もあり、高く評価されてきたが、能登半島地震後の変化を受け、新たな決意で挑んだ本展で、SIDE COREと共に、さらなるアートの可能性を広げ、美術館の新しい形を見せてくれた。

SIDE CORE●2012年より活動を開始、東京都を拠点に活動。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターは播本和宜。近年の展覧会に「開館5周年記念展 ニュー・ユートピア ―わたしたちがつくる新しい生態系」(2025年、弘前れんが倉庫美術館)、「SIDE CORE 展|コンクリート・プラ ネット」(2024年、ワタリウム美術館+屋外)、「百年後芸術祭」(2024年、千葉県 木更津市/山武市)、「第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」(2024年)他、多数。

「SIDE CORE Living road, Living space / 生きている道、生きるための場所」
会期:3月15日(日)まで。
   ※月曜日休み。(ただし2月23日は開場)2月24日は休み。
時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで
場所:金沢21世紀美術館
   石川県金沢市広坂1-2-1
料金:一般¥1,200、大学生¥800、小中高生¥400/、65歳以上の方¥1,000 
    ※当日窓口販売は閉場の30分前まで
問い合わせ先:金沢21世紀美術館 TEL: 076-220-2800
WEB:https://www.kanazawa21.jp/

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