松坂桃李さんが盟友と絵本を制作!
絵本『まろやかな炎』からひもとく、表現者としての胸の内。

2022.03.11

この仕事を13年やらせてもらって思うことは、何かを伝えることや形にすることの楽しさです。

――この赤色で、松坂さんのデビュー作である『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンレッドを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それは僕も思いました! 全ての始まりはそこからと言っても過言ではないですし、スタート地点の色みたいなものかもしれません。

絵本『まろやかな炎』より

――作品の中では、マロと炎の関係性が描かれます。炎をある種の熱、つまり創作欲や表現欲と考えると、これは作り手とモチベーションの話のようにも思えてきて。松坂さんご自身、表現欲の波はありますか?

ありますね。自分の中では結構ムラがあるタイプだと思っていて、「よし、やるぞ!」という高波のときもあれば、そうじゃないさざ波のときもあって「なんで自分でコントロールできないんだろう」っていまだに思います。気持ちの波はすごく感じますね。

――それをやりくりしながら、今まで活動されてきたのですね。

人によっては上手にスイッチのオン/オフをできる方もいますが、僕はなかなかうまくいかなくて(苦笑)。作品に入るときに、どうやったらオンにできるか過去に色々なアプローチを試してみました。例えば『流浪の月』(5月13日公開)だったら、撮影現場に寝泊まりしてみたり……。

――映画『娼年』の際には、渋谷のホテルに泊まって役作りした、というエピソードがありましたね。

そうです。やり方は違いますが、作品ごとにやっていますね。

――架空の映画ポスターを作ってインタビューに答える『妄想・松坂桃李』シリーズも非常に面白い企画でしたが、今回の『まろやかな炎』も含め、常に自らの表現欲に火をつける機会を探しているのかも、とお話を聞いて感じました。

最終的にどういう人物になりたいか、自分の最終地点は僕自身全然わかっていなくて。まだまだ途中段階なのですが、この仕事を13年やらせてもらって思うことは、何かを伝えることや形にすることの楽しさです。色々な現場を踏ませてもらって実感が積み重なっていき、「どうやったらもっとこの仕事を続けられるんだろう」と考えたときに、やっぱり発見だなと。新しい何かを現場ごとに発見できれば、もっともっと自分が想像していなかったところに行きつけるのかなと漠然と思っています。それを今、手探りながら進めているところです。

――松坂さんは常々「作品の一部になる」ことの重要性を話されていますよね。とすると、いまお話いただいたような表現者としての“我”を出すことは、なかなか難しくもなってくるんじゃないかと。

確かにそうですね。作品においては、参加する時点で自分の我は置いていきます。むしろ、作品に挑むまでが多分僕の“我”なんですよ。例えば、やっていく作品のチョイスもそうです。

参加してからは、仰っていただいたようにその作品に溶け込めるように全力を尽くすのですが、その作品と自分自身がどう向き合うかを考えたり、そういった“我”は、現場に入る前に終わっているという感じですね。

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