
「ほろほろもみじ」は自然の中に生きる“こびと”リリアの物語。この世界では、小さな生き物たちが、自然と共生し、利他的な行動で違いを乗り越え、互いの暮らしや文化を尊重している世界を描く。
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初のコラボレーションとなったきっかけ
2年ほど前、私のライブ・アートパフォーマンスを長田さんが見て下さって、そこからインスタグラムを通して連絡を取り合いつつ、今回のお話に展開しました。長田さんには秋のお話を書きたいという思いがあって、私もアーティスト活動をする中で絵本をやってみたいという夢を持っていたので、一緒に作れたことをとても嬉しく思っています。
SUMIREさんお気に入りの場面をピックアップ!
絵本ができあがり、早速読んでみて、あったかい作品を作れてよかったな!と思いました。主人公のリリアについては、長田さんから服が好きであるとか、キャラクターの詳細を伺ってイメージを広げていきました。ヒラヒラほろほろ落ちるもみじを表現したくて、髪の毛の躍動感や、今にもちょっとずつ動きそうな感じの色味はぴったりだったと思っています。
その1

この絵本は全体的にハッピーなお話なので、オレンジや暖色系の色味が多いのですが、この場面は、白い霧の部分にはちょっとキラキラしている絵の具を使っていたり、唯一夜っぽいダークな感じがあって、そこが他ページとのギャップになっていて気に入っています。
その2

このきずついたものたちの手当をしている場面は、体温計や、木の実やライト、包帯や湿布など、小さいものにこだわりを込めて描いています。私自身が細かな描写を描くことが好きなので、すごく楽しかった思いがあります。
その3

この最後のシーンが個人的には一番気に入っています。いい意味で寂しさもあり、でも温かさも感じられる。キャラクターが出てこないのは、一番最初と最後の2ページなんですが、最後に、物語が展開し、少し大人になって一日が終わりました、という時間の経過も表せているのかなと思っています。
制作のこぼれ話し
このお仕事を受けてから、小っちゃいこが主役だから、他のものをどう大きく見せたらいいかな?と、色々な絵本を読んだり、映画「借りぐらしのアリエッティ」を観て小人の世界って素晴らしいなと勉強になりました。今回はアクリルで描いていますが、他の展示などでは、ペンだけで描いたり、コラージュ作品を作ったり、いろいろ挑戦中です。
今までは、作品のつながりを考えて描いたことがなかったんですが、絵本は、例えば主人公のリリアは服の色など全ページ一緒じゃなければいけない。私は結構絵の具を混ぜて色を作ったりするので、そうした色の割合が大変だったかな……。鉛筆で下描きをして土台作りから始めて、色を塗って、一つの作品を全部完成できた!という達成感を、今改めて感じています。
絵本を読んでくださる方へ
いい絵本は本屋さんにずっとあるし、絵本には歴史がありますよね。絵本を読む間は子どものままでいられる優しい時間だと思います。長田さんとも話していたのですが、この作品は、お家でのゆっくり時間や、仕事が終わってほっと一息とか、そんな時に手に取っていただいて、みんなの生活がちょっと温かくなる手助けができたらいいなと思っています。

SUMIRE(佐藤 菫)
1995 年生まれ。俳優、モデル、アーティスト。 2014 年から『装苑』専属モデルを務める。18 年に映画「サラバ静寂」で俳優デビュー。「リバーズ・エッジ」( 2018)「 ボクたちはみんな大 人になれなかった」( 2021)「 階段下のゴッホ」 (2022)「 インフォーマ ー闇を生きる獣たちー」 (2024) などに出演。アーティストとしては23 年秋に初の絵画個展「たまごがゆめをみていた」を開催。また数々のコラボ展への参加やアーティストグッズのデザイン、アパレルブランドとのコラボ商品を手掛けるなど幅広く活動している。
『ほろほろもみじ』
文:長田真作
絵:SUMIRE
価格:¥1,650
出版社:303BOOKS株式会社
WEB:https://303books.official.ec/items/117845198(※10/31発売、予約受付中)
『ひかげ 絵と本と生まれる』
長田真作×SUMIREの出版記念展覧会
期間:2025年10月30日(木)~11月5日(水)
場所:Artglorieux GALLERY OF TOKYO GINZA SIX 5階
東京都中央区銀座6-10-1
時間:10:30~20:30(初日と最終日のみ18:00閉場)
入場無料
『ほろほろもみじ』刊行記念
長田真作×SUMIRE トークショー&サイン会
日付:2025年11月1日(土)
場所:大阪 梅田ラテラル
大阪府大阪市北区堂山町10-11
時間:OPEN 17:00、START 17:30
観覧料:¥2,500(前売り、配信 ¥2,000)
チケット:前売り WEB:https://t.livepocket.jp/e/ut0uc
配信 WEB:https://premier.twitcasting.tv/lateral_osaka/shopcart/400040
※購入は11/15(土)23:59まで
※アーカイブは購入後14日間まで視聴可
長田真作
WEB:https://nagatashinsaku.com/
Instagram:@shinsaku.nagata
SUMIRE
WEB:https://www.adonis-a.co.jp/sumire/
Instagram:@sumiresmile074
~番外編 秋の夜長におすすめ
SUMIREさんのお気に入りの絵本をご紹介~
『パンどろぼう』作・絵 柴田ケイコ KADOKAWA


柴田ケイコさんの絵は、グッズを持っているくらい好きです。シリーズで何冊か出ていますが、やっぱりベーシックな『パンどろぼう』が一番のお気に入りです。この場面は、パンのキャラクターたちやディテールの描写が、見ているだけで楽しい気持ちになります。
『からすのてんぷらやさん』 作・絵 かこさとし 偕成社


もともと『からすのパンやさん』を持っていて、てんぷらやさんはまだ読んでいなかったので、最近購入しました。からすシリーズは文章量が多いのに、子どもも気にならないで楽しめるのは、やはり絵が素晴らしいからだとつくづく思います。
『ピヨピヨ スーパーマーケット』作・絵 工藤ノリコ 佼成出版社


工藤ノリコさんの絵も、もともとグッズで知っていました。動物の絵本が好きですし、絵もきれいで、すっきりしていて読みやすい。ピヨピヨちゃんたちの、ふてくされている表情や、お風呂を出た後の温かい感じ、家族の日常が伝わってきて可愛いらしいです。
photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.)





