《囚》(2023)
スパイラルの主催で今年5月に開催されたアートフェスティバル「SICF23」のEXHIBITION部門で、ワコールスタディホール京都奨励賞を受賞した黒山真央さんの個展が10月13日(火)から10月23日(金)まで開催される。
黒山さんは、東京造形大学のデザイン学科テキスタイルデザイン専攻を卒業し、現在は同学の大学院に在学中。
SICFのほか、過去の入賞者に山本太郎さんや蜷川実花さんなどが名を連ねる平面作品を対象とした展覧会「VOCA 現代美術の展望・新しい平面の作家たち」で佳作賞を受賞するなど、今後ますます注目を集める若手作家だ。
《血脈の愛、祖母と母》(2020)
《血脈の愛、祖母と私》(2021)
今回の個展では、母親が手作りの服を我が子に着せるという慣習や、その行為の背景にある深い愛情に着想を得た《血脈の 愛》で、母娘間や姉妹間といった母方の家族における精神的なつながりの視覚化を試みる。
《血脈の愛、私と妹》(2021)
かつて着用していた衣服を繊維の状態にまで解体し、混ぜ合わせ再構成する過程を通し、衣服に残る記憶を辿ることで、それぞれの関係やつながりを作品化および標本化。
一方、《囚》では、父方の祖母が嫁ぎ先で家業に縛られた「家」という存在に焦点を当て、作品を制作。祖父宅にあったカーテンに祖父の背広を解体した糸を使って、古文書に記された代々続く家長の系譜を刺繍し、祖母の背負う重圧やしがらみを視覚化させた。
黒山さんが属する2つの家や家族にまつわる作品を通し、そのさまざまな在り方や問題に気付かされる展示。
期待のニューカマーの作品を直接見ることがのできるこの機会にぜひ足を運んでみて。
SICF23 EXHIBITION部門の受賞者展 黒山真央 「よそはよそ、うちはうち」
期間:2023年10月13日(金)〜10月25日(水)
時間:11:00〜20:00
場所:スパイラル エスプラナード(スパイラル M2F)
東京都港区青山5-6-23
WEB:https://www.spiral.co.jp/topics/esplanade/mao_kuroyama