パリオリンピックの開会式を盛り上げた歌姫たちの華麗な衣装。これらを手がけたディオールが、制作プロセスを記録した写真と動画を公開しました。
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トップを飾ったのは、パリのキャバレーをイメージしたパフォーマンスのレディー・ガガ。映画「サブリナ」(1954年)のオードリー・ヘップバーンとパリのキャバレー「リド」から着想された衣装を身につけ、ジジ・ジャンメールの名曲「Mon Truc en Plumes(私の羽根のこと)」を歌いながら登場しました。
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華やかなレビューは、サテンのビスチェとデラックスなフェザースカートの組合せでスタート。徐々に衣服を脱ぎ、最後はキャバレーを象徴する羽根飾り “キュ・ドゥ・パリ(Cul de Paris)”の衣装へと変貌をとげていきます。アクセントのヘッドピースを手がけたのはスティーブン・ジョーンズです。
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フランスの人気歌手アヤ・ナカムラは、ルーブル美術館の裏手にかかる芸術橋で、共和国親衛隊音楽隊と陸軍合唱団とともに、自身の曲のメドレーを披露しました。衣装はディオール2024-2025年秋冬オートクチュールのシルエットを再解釈したゴールドフェザーのアンサンブル。フェザーはメゾン ル マリエの職人によって、ひとつひとつ手作業で刺繍されました。
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フランス国歌を高らかに歌ったオペラ座のディーバ、アクセル・サン=シレルの衣装は国旗と一体化したトリコロールのドレス。チュールのビスチェにシルククレープの生地を重ね、美しいアシンメトリックなシルエットが完成しました。卓越したアトリエのドレープ技術があってこその力作です。
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ボートの上でジョン・レノンの「イマジン」を歌ったのはフランス人シンガーのジュリエット・アルマネ。衣装はレノンのシグネチャーシルエットから再考され、未来的な視点と手工芸を融合するアーティスト、クララ・ダギャンとのコラボレーションで制作されました。
写真左:©AFP、右:©Sophie Carre
大トリのセリーヌ・ディオンは、エディット・ピアフの「愛の讃歌」を熱唱。まとっていたのは、無数のビーズを刺繍したオートクチュールのドレスです。シルクジョーゼットをベースにしたこのドレスには500メートル以上のフリンジが装飾されたのだとか。ピアノを伴奏したスコット・プライスが着用したオブリーク タキシードもディオール作。芸術とオートクチュールが共鳴したグランフィナーレは、世界中の聴衆に感動を与えました。
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Text:B.P.B. Paris