フランス革命後、ナポレオンの時代に

ナポレオン1世の部屋に展示されたアレキサンダー・マックイーンによるジバンシィ 1997年春夏オートクチュールのアンサンブル。高い台襟の襟、豪華な錦糸刺繍、威厳のあるシルエットが、ナポレオン1世の軍服を想起させる。

デムナによるバレンシアガ 2020年春夏のドレス。黒いビロードで仕立てた極ミニマルなクリノリンドレスはゴシックの要素を含み、風格さえ感じさせる。

ジョン・ガリアーノによるディオール 2004-’05年秋冬オートクチュールのドレス。ガリアーノはこのコレクションをロミー・シュナイダー主演の映画『プリンセス・シシー』に捧げた。真っ赤なモアレとビロード、白テンの毛皮の荘厳なドレスは、まさに王権的なイメージで、ナポレオン3世様式のインテリアとみごとに調和している。

カール・ラガーフェルドによるシャネル 1987-’88年秋冬オートクチュールのアンサンブル。着想源はオペラ座のカーテン。赤と金の組み合わせは、19世紀に劇場を象徴する色になったのだとか。

ジャックムス 2023-’24年秋冬のドレス。銀の花とクリスタルで覆われた球体のドレスは、静かにたたずむ彫像のようでもある。このシーズンのコレクションはヴェルサイユ宮殿の庭園で披露された。

クロノフォトグラフィー(時間の経過を写真で記録する手法)からヒントを得たイリス ヴァン ヘルペン 2018-’19年秋冬のドレス。翼を広げた鳥のようなデザインで、ボリュームと軽さの融合はフランス第二帝政期の流行でもあった。

ヨウジヤマモト 2015-’16年秋冬のクリノリンドレス。第二帝政期の調度品に囲まれて。絢爛豪華なインテリアが特徴的だったこの時代、視覚的に圧倒するほどの装飾性だが、ドレスはそれに引けを取らない存在感を放っている。
【出展メゾン一覧】
ディオール、シャネル、バレンシアガ、シバンシィ、イヴ・サンローラン、メゾン マルジェラ、スキャパレリ、アライア、エルメス、ロエベ、ジャン シャルル ドゥ カステルバジャック、ジャンポール・ゴルチエ、ルブタン、リック オウエンス、ジャックムス、トム ブラウン、ヴィヴィアン・ウエストウッド、JW アンダーソン、アレキサンダー・マックイーン、ドルチェ&ガッバーナ、プラダ、ドリス ヴァン ノッテン、ヴィクター&ロルフ、イリス ヴァン ヘルペン、ヨウジヤマモト、アンダーカバーなど。

LOUVRE COUTURE. Art and fashion: statement pieces
2025年7月21日まで。
公式サイト
Photographs&Text:B.P.B. Paris