2022-’23年秋冬パリ・ファッションウィークが開催。
必見コレクションや話題になったことなど、今シーズンのハイライトをご紹介します。
アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)はモンマルトルの丘のふもとにある小劇場「La Nouvelle Eve」でショーを開催。
「La Nouvelle Eve」でのショーの様子。©B.P.B. Paris
今シーズン、コレクションに込められたのは演劇の世界への賛辞です。
「演劇場は全てを可能にする特別な場所です。私たちには検閲を受けることなく、人々が自由に自己表現できる空間を必要としています。そんな場所を失ってしまったら文化は成り立ちません。私たちはそんな世界を守る必要があるのです」とアンドレアス。
「芸術とは人生のようなものです。時間という概念を超越しています。このコレクションではファッションというよりも、服を作ることに重きを置き、より高貴で儀礼的な表現をしました。それは動く絵画を制作するようなものであり、視覚から人々の心を揺さぶる生命体のような絵を描きたかったのです」
着想源は聖母の像とジプシーの守護神である聖女サラ。ジャン・ルノワールの映画「黄金の馬車」やジャン=アントワアーヌ・ヴァトーの18世紀の絵画「ジェルサンの看板」などからもインスピレーションを得ていて、時代、ジャンル、ジェンダーを超越したスペクタクルが繰り広げられました。
フィナーレには客席で見守っていたヴィヴィアンが舞台に引き上げられ、会場は拍手喝采。最後は孫娘のコーラ・コーレも加わり、和気あいあいとした雰囲気の中、ショーは幕を閉じました。
Text : B.P.B. Paris