トークショーに参加したファンとのQ&A
Q1:私は洋服は詳しくないのですが、毛玉に注目して衣装を見ています。毛玉を見ると、「この衣装は擦れてここに毛玉ができたんだな」と感じてすごくいとおしくて。特に、この衣装は毛玉ができたな、とか、着古したなと思う衣装があれば教えてください。
あ〜ちゃん:いきなりおもろいね(笑)
のっち:ツアーになると何10回と着ることになるからかなり酷使はするんですけどね。なんだろうなぁ。「Reframe」の最初のチュール衣装とか?あれは切りっぱなしだから毛玉にはならないけれど、チュールだと糸がふわふわ出てきちゃうんですね。それを毎公演切ってるとちっちゃくなっちゃうし、作り替える事もできないしって、そういうのもあります。
Perfume「Future Pop」MV
あ〜ちゃん:「Future Pop」のMVの衣装(p238-239)も、あの服でツアーのいろんなデータの素材も撮った。じゃけ、あの衣装は一生着たイメージだわ。海外も行ってコーチェラまで行って。その後も着たね。
かしゆか:紅白かな?色違いで。
あ〜ちゃん:こればっかじゃ!いつ抜け出せるんや!みたいな(笑)。今まで、こういう立体的な3Dっぽい構築的な衣装を2013年の「LEVEL3」で最大限やり切ってて。「Party Maker」のあのプリキュアみたいな衣装(p128)も、白ベースのドレスに紫色のラインが入ってて、立体物が肩やスカートについてるみたいな。そういう、とがった三角形のもの たちをやりきった後だったから、今また構築的なの行く〜?っていうのがまずフィッティングの時にあったんだよね。 それで最初にあがってきた衣装が、もうすーーごく大きな衣装 で、どうやって踊るね〜んっていうデザインで(笑)。どうやっても衣装が全く動かん!みたいな。そこからブラッシュアップしていく中で動きが見えるようになって、かつ構築的で「Future Pop」のPVの世界観にも合うものになった。作る手前から色んなストーリーがあってやっと着地して、そこからこんなに着る!?っていうくらいめっちゃ着て。そのデータはもちろん今でもあって、ファンクラブツアーの「エレクトロ・ワールド」の時は使用しています。だから、あの衣装とは一生付き合っていくんかなって……怖いです(笑)。
かしゆか:怖いね(笑)。衣装はデータ合わせで決めることもあるし、 過去にデータを取った衣装に合わせてデザインを変えたりもしてるからね。呪いだねぇ(笑)。
あと私、「毛玉」を思い出しました。「ポリゴンウェイヴ」の衣装(電子増補版p308)ですね。 あの鳥かごみたいな黒い部分は、上から黒い布を貼ってもらっているのですが、それが踊って擦れることでいろんなところから毛玉を集めてくるんです。あの衣装も結構気に入って、いろんなところで着たり、ライブ用に改造したり、いやまだテレビやるわ!って言ってテレビの形に戻したり、何度も着てる。だから結構いろんなところに毛玉がいます。質問してくれてありがとうございます!
のっち:「PLASMA」ライブの3人お揃いの紫とピンクの衣装(電子増補版p330-331)も、ズボンが毛玉だらけになって一度作り替えてもらったよ。
かしゆか:そうだったんだね!
Q2:まだ衣装展を見られていないんですけど……ここだけ、これを見てほしいっていうのを教えていただけたら、これからそれをバッチリ見て帰ります。
あ〜ちゃん:まだ見てないなら、さっきからすごいネタバレをくらっちゃってたね(笑)。
のっち:私、やっぱり一番ぐっときたのは最初のお部屋かなぁ。あそこをちょっと素通り しないでほしい!あのお部屋で、Perfumeの歴史を「あああ!」って感じてもらいたい。あの部屋の気持ち作り、結構大事にしてほしいかな。
あ〜ちゃん:あの部屋はすごいよね、執念というか。ほんまに、汗、水、涙といろんなもん を感じるよね。部屋自体の匂いも温度も違うような気がして、私も最初の部屋かな。ちょっと見えた瞬間にもうやばかったね。ゆかぴは?
かしゆか:衣装がマッピングされてる部屋があるんですけど、あの距離で見られることはないので、ぜひ間近でじっくり見てほしいです。マッピングされている映像もカンヌの当時のものですし、カンヌでしか着てないすっごいモーター背負ってやったやつなので、ぜひ近くで見てください。
のっち:あと、あのお部屋の椅子はふわふわです! すごく座り心地がいいので、ぜひ座ってください。
Q3:最後の部屋で「MY COLOR」 と「Puppy love」が流れていたと思うんですけど、衣装とプラスしてそこにすごく感動しました。その演出も皆さんが考えられたのでしょうか?
のっち:いい質問ですね…… 何ひとつ、関わっておりませんっ!
会場:爆笑
のっち:学芸員さんの愛とセンスです。すごいよ。
会場:拍手
あ〜ちゃん:着てる時の動画と一緒にライブ衣装は見てもらったほうがいいと思うので、と言ってくれてね。もう愛の塊だったよね。 ただ衣装を展示して想像してもらえばいい、ということじゃなくて、よりイメージが湧きやすいものを置くことで、目の前にある衣装が生きているように見える。すごいアイデアだなあと思いました。さすが!
のっち:自分でもちょっと忘れてるところがあったから、最初のほうのお部屋のMVと、そのMVのお衣装っていう見比べがすごくありがたかったの。靴が特別に展示してあるお衣装も、「本当にこんな靴だったっけ?」と思いながら隣の画面見てたら、本当にその靴を履いてたから、なるほどなあって。みんなも見比べてみたら面白いと思います。
Q4:他のメンバーの衣装で、自分が着てみたい一着はありますか?
あ〜ちゃん:ねえ面白い〜〜!
かしゆか:自分がこの人の着たいなって思う衣装ですよね。
のっち:今、ぱって浮かんだのは、最初の東京ドームのカラフルな「付箋衣装」(p62)の かしゆかの衣装。ピチピチー!ってやつが浮かんだ。一生着なさそうだなと思って。
Perfume LIVE @東京ドーム「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」 ©文化出版局
かしゆか:あれでよくライブしとったよね、自分でも驚く。 あの短さとタイトスカートで、私どうやって踊っとったの(笑)? 想像できん!
あ〜ちゃん:それはもうポリシーだったよね。すごいです。私は、「スパイス」(p66-67)のゆかちゃん衣装です。
「スパイス」アーティスト写真
かしゆか:ホルターネック(笑)。
あ〜ちゃん:あれもやばいよね!よく踊っとったよね(笑)。どんな丈の服なん?あれもタケダさんかあ。
かしゆか:私は、「ワンルーム・ディスコ」(p42)のあ〜ちゃん。
「ワンルーム・ディスコ」 ©文化出版局
あ〜ちゃん:恐竜のやつ!
かしゆか:そう。あれを「ディスコ♪ディスコ♪」で、めっちゃフリフリさせて着てみたいなと思った。
あ〜ちゃん:確かに、フリフリを着せたいってあるよね。ゆかちゃんに着てほしい衣装を選ぶ時、ディズニーコラボ衣装のことも思ったの。「みんなをつなぐ魔法のメロディー」の時に、赤いフリッフリのコスチューム(p134)を着たんだよね。私のが特別フリフリで、すごく気に入ってたから、それもゆかちゃんに着てみてほしいな〜って思った。
かしゆか:フリフリが多いのはあ〜ちゃんだもんね。
あ〜ちゃん:第0章は、ゆかちゃんがフリフリ多いよね。
のっち:そうだったね!
あ〜ちゃん:キャラ的に。
かしゆか:「ジェニーは御機嫌ななめ」をライブでする時、私、キャラ分けでぶりっぶりの姫みたいな衣装着てたよ(笑)。レースのカチューシャとかつけて。
あ〜ちゃん:「彼氏募集中」でもそういうのつけてたよね。ブーツもみんなお揃いだけど、ゆかちゃんのだけリボンがついてたりして、ぶりぶりだった。
かしゆか:そのキャラだったね。
あ〜ちゃん:面白い質問ありがとう!
Q5:今までのPerfumeの衣装の中で、ここはこだわり抜いた!っていうところがあれば教えていただきたいです。
のっち:好きな曲はありますか?
質問の方:「Dream Fighter」です!
Perfume「Dream Fighter」MV
あ〜ちゃん:「Dream Fighter」の衣装は、次はからし色でいこうと思ってるんだよねって研さんからこそこそっと言われて、当時はからし色なんて知らんし、からし色がイケてるとも思ってなかったから「ええ!?」ってなったの覚えてる。 けど、やっぱあの全身からし色、今見てもかわいいよね。
のっち:印象的よね。真っ暗の背景にからし色が浮いて見えるビデオ。
あ〜ちゃん:もう黄金よな。希望の黄金!って感じ。歌詞で言っとることシビアだけどね。
のっち:いつもこだわり抜いてるけど、 毎回どうしてもってこだわるのは、袖。腕が上がるかどうかですね。 タイトに見せたいけど、タイトにしすぎると腕が上がらなくなっちゃうんですよ。いかにきれいなまま動きやすい服にするかは、毎回こだわってるかもね。
あ〜ちゃん: そうじゃね。ストレッチ素材を必ず入れて、骨の内側までストレッチが入るように。腕を上げた時に、つれちゃうところにも水着の素材のストレッチを入れて、伸びるようにしてるんですよね。
のっち:腕が動くのは腕の付け根からじゃなくて、肩から。そこから袖をつけてもらうんです。
あ〜ちゃん:肩峰の内側まで袖として切り替える、ということをやったりしています。
Q6:先日、「P.T.A.15th&10th Anniversary “Perfumeとあなた”ホールトゥワー2023」に参加させていただきました。どの衣装もとても素敵でした。2着目の衣装は初めての東京ドーム公演を彷彿としたり、3着目の衣装からは「JPN」ライブの1着目や、色は違いますが「LEVEL3」ライブの1着目の形や光沢を思い出しました。それでお聞きしたいのですが、今回はアニバーサリーツアーだったので、今までのリバイバル的な意味合いも衣装に込められていたのでしょうか?
あ〜ちゃん:素晴らしい質問!!記者さんなの?!めっちゃ考えてきてくれたんだね、嬉しい。
のっち:リバイバルなのでしょうか、と。
あ〜ちゃん:そうです!!!!
特に1着目はそうですね。ドームに初めて立った時の衣装、「付箋の衣装」(p86-87)って私たちはよく言ってるんですけど、あれみたいな衣装を、今のPerfumeが着るなら?というので作ってみてほしいと言ったら、同じ方に作ってもらえて。 あの当時とはまた違う形や素材だし、ある蛍光の布をめちゃくちゃ取り寄せてもらったそうです。その後の、暗い銀色っぽい衣装は三田さんがデザインしてるんですけど、あれは「Sweet Refrain」をイメージして作ってもらったんだよね。
かしゆか:そうそう。だから私は、ホットパンツではないですけれども、片側を長くしてもらって。あ〜ちゃんの肩も、最近やってなかったようなかわいらしいデザインになっていました。
あ〜ちゃん: みんなと思い出を共感・共有したかったから、ちょっと懐かしいPerfumeだなって思ってもらえそうな衣装をイメージしてました。だからね、お見事 !!正解よ。すごいね、びっくりした!記者がおるわ〜と思ったけど、記者さんでもこんなマニアックな こと言ってくれんわね。
さて、そろそろ「Another COSTUME」は終わりの時間が近づいています。皆さん、楽しんでもらえましたか?
会場:拍手
かしゆか:1章から4章は展示もしていただいて、たくさん語って見ていただくことができていますが、「0章」を話す機会は最近なかなかなかったので、こうやって今、話して、当時の思い出をみなさんと共有できたのが、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
のっち:衣装展の章立ては、展覧会を作ってくださった方が考えてくださったのですが、それに乗じて今回は「0章」と称して、インディーズ時代のこともお話しさせていただきました。楽しんでいただけたでしょうか?
衣装展をすでに見た方も、もう一度、今の話を踏まえて見ていただければと思います。 ありがとうございました。
あ〜ちゃん:こうやって聞いてもらえるっていうのは嬉しいよね。お衣装は、自分たちの人生の軌跡を彩ってきた「戦闘着」なので、一つ一つにいろんな人の思いが積み重なっています。それがまた、Perfumeをより知ってもらえるきっかけにもなったらいいなとも思います。展覧会は、ついこの間3万人を突破(※当時)したそうです。めでたいですね!本当に嬉しい。みなさんのおかげです。この後も、展示を見に行ってもらえたらと思います。今日は皆さん、ありがとうございました!
3人:それでは、Perfumeでした!
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