9月16日~11月14日まで「上野の森美術館」で開催された蜷川実花展 —虚構と現実の間に —。美しくそして強さまでも感じられる花々と、鮮やかな色彩に酔ってしまいそうなその空間で、蜷川実花によるファッションシューティングが実現した。
撮影で訪れたのは展覧会最終日の前日。明日ですべてがなくなってしまうこと
も知らずに輝く写真たちが、心地よく迎えてくれた。
空間にたたずむのは装苑モデルのSUMIRE。可憐なSUMIREの花がそこに咲いた。
白から淡い桜色のグラデーションが美しい今年撮影した桜たち。光と向き合うように撮ったら白い色が現れた。可憐な桜の、いつもとは違った部分が強調されて
真っ白な壁に投影されたのは、夜に輝く高層ビル。スクランブル交差点。若者たち。高速道路。ハイヒールの足もと・・・。その一瞬でしか感じ取れない東京の街のかけらが映し出されている
カオスルーム。鎮座するのは目のある大きなイチゴ、十字架、マリア像、仮面、香水瓶、そしてヒョウ柄のソファ。すべて実際の本人の部屋を飾るアイテムで、蜷川実花をも創りあげてきたもの。ここの空間には蜷川実花がたくさん詰まっている
床一面に敷き詰められた深紅の薔薇。上からは香り立つような藤の花。ここカオスルームのシンボルツリー
何かを語る唇。艶やかな赤で飾られたその唇は、とてつもない官能美にあふれて
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photographs:Mika Ninagawa
hair & makeup:Noboru Tomizawa(CUBE)
model:SUMIRE
dress : TOMO KOIZUMI
撮影協力:上野の森美術館