
バンクーバー・ファッションウィークが2017年より運営する、世界中の新鋭デザイナーを支援するプロジェクト、グローバルファッションコレクティブ(Global Fashion Collective)。
これまで200名を超えるデザイナーが支援を受け、バンクーバー、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京でランウェイショーを開催。そのクリエーションを世界にアピールしてきた。
そんなグローバルファッションコレクティブの2026年春夏から、装苑編集部の視点でセレクトした注目の15ブランドをご紹介します!
ADのあとに記事が続きます
ADのあとに記事が続きます
パリの注目ブランド5




アイ レルム(Ay Lelum)
アイ レルムは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州に位置する先住民族、スナネイムク・ファースト・ネーションの首長家系に生まれた姉妹によるブランド。今季は、姉妹の父と兄による伝統的なアートワークを大胆に用いたクチュールコレクションを展開した。地元の職人たちとアトリエで制作したという、持続可能で包摂的なものづくりの姿勢も現代的。服を通して文化の継承を行なうアティチュードに、ファッションの美しい未来が示唆されているよう。




ブティック ジューン
(Boutique June)
香川県の伝統工芸品である「保多織(ぼたおり)」を多く用いてコレクション制作を行うブティックジューンは、「Light and Shadow(光と影)」をテーマにコレクションを発表。生地表面の凹凸を通して、光が織りなす詩的な表現を探求した。さらに生地は日本の伝統的な墨で染め上げられ、漆塗りボタンも使用。日本の職人技を讃えるそのクリエイションには、タイムレスな優雅さが宿る。気品と儚さが同居するデザインは、会場を静謐な空気で満たしていた。




バニューム(vaneum)
「長く寄り添う、上質な日常着」をコンセプトとするブランド、バニュームは「Impressions of Margin/余白の印象」と題したコレクションで、静けさの中にある高揚と、抑制の中の静かな強さを提示した。日常に溶け込みながらも強い印象を残すアイテム群は、シアー素材とリネンを多用した、実用性と美しさの均衡がとれたもの。ベージュやホワイトを基調に、柔らかなグリーン、ピンク、ブラウン、ブラックを差し色にした落ち着きのあるカラーパレットで、控えめで誠実ながら、深い存在感を残した。




エージェーン(A-JANE)
アリス=ジェーン・チャンによるA-JANEは、現代の実験的な音楽を着想源にしたコレクションを発表するファッションレーベル。今季は、ドイツの作曲家、ヘルムート・ラッヘンマンによるチェロ独奏曲「Pression」にインスピレーションを得て、「音の輪郭」を具現化した。音のイメージをシャープなテーラリングと彫刻的なシルエットで表現する、クールでフューチャリスティックなムードが魅力的。また、コレクションはサステナブル素材とゼロウェイストの技術で制作されているといい、エッジーなデザインに持続可能な付加価値を与えている。




テス マン アトリエ
(TESS MANN ATELIER)
元FBI捜査官という異色の経歴を持つデザイナー、テス・マンによるブランド。今季は「Le Jardin(ル・ジャルダン)」をテーマに、ベルサイユ宮殿からインスピレーションを得たロマンティックなクチュールコレクションを展開した。シルクオーガンジーのブロケードや花の手刺繍、オーストリッチの羽根、立体カフス、金のラメ地などを用い、緻密な職人技によって作り上げられたドレスの数々は、まさに「着る芸術」。しかしそこには大人しいエレガンスがあるのみでなく、女性のパワーを引き出すモダニティも同居していた。
グローバルファッションコレクティ
パリの全ブランドをチェック!





