【クリスマスまでにしたい22のこと】
364日がクリスマスイブ！
代官山「クリスマスカンパニー」を訪れる

メリークリスマス！ 今日は待ちに待ったクリスマス当日。特別なディナーやパーティを楽しむ方もいれば、いつも通りの一日を過ごす方もいるでしょう。クリスマスはたった一日ですが、本当の楽しさは、イブを迎えるまでの長い準備の時間にあります。

そこで今回は、「クリスマスの翌日から始まる364日すべてが、クリスマス・イブ！」をコンセプトにしたショップ「クリスマスカンパニー」のオーナーで、長年にわたり日本や世界のクリスマスを見守ってきた山﨑さんに聞いた、貴重なお話をお届けします！

ヒルサイドテラスの少し奥まった場所にある

代官山駅から徒歩３分の場所にある「クリスマスカンパニー」は、1985年に日本で初めてのクリスマス専門店としてオープン。以来、世界中から仕入れたクリスマスグッズを一年中販売しています。

温かみのある空間にクリスマス関連の商品が所狭しと並ぶ

それぞれ「Jingl Bells」(左)、「We Wish You a Merry Christmas」(右)の音色を奏でるオリジナルオルゴール各￥2,750

初代からお店を受け継いだオーナーの山﨑さんは、1999年、フランスのポスター画家レイモン・サヴィニャックさんに、サンタクロースの春夏秋冬を描いてほしいと依頼しました。サヴィニャックさんが体調を崩してしまい、春と秋を描くことは叶いませんでしたが、それでも完成した2つのデザインをもとに、ハンカチやクッキー缶、オルゴールなどのオリジナルグッズが制作・販売されています。

ラッキーマン￥9,130(左)、サンタクロース￥10,560(右)
ラッキーマンは見かけると幸運が訪れるといわれていることからその名でよばれる煙突掃除人

こちらは、クリスマスカンパニーでお馴染みの「煙だし人形」。お腹の空洞にお香を入れて火を灯すと、口からもくもくと煙を吐き出す愛らしい木製の人形です。ドイツ東部・エルツ地方では、「マイスター」と呼ばれる職人たちが手がける木製品が、クリスマスのインテリアとして何世代にもわたり大切に受け継がれています。

1800年代から続くドイツの老舗メーカー「インゲグラス(Inge Glas)」社のオーナメント

職人が一つひとつ手作業で制作するガラスオーナメントは、決して安価なものではありません。だからこそ山崎さんは、「一年にひとつ、お気に入りのオーナメントを見つけてほしい」と語ります。クリスマスツリーを育てるように、毎年ひとつずつ集めていくことで、歴史や思い出が積み重なり、次第に深みが生まれていくのだそう！

▼▽オーナー・山﨑さんインタビュー▼▽

2代目オーナーの山﨑公美さん

山﨑さん「クリスマスにもファッションと同じようにトレンドがあるんですよ。ドイツのフランクフルトで1月末～2月初旬にクリスマスワールドという大規模なメッセ（見本市）が開催されるんですが、そこでその年のトレンドがわかります」

クリスマスワールドは東京ビッグサイトの4～5倍の規模だそうで、その広大な空間に並ぶ最新のクリスマスグッズを求めて世界中からバイヤーが集まります。

山﨑さん「私が初めてそのメッセを訪れたときは、アメリカ人の来場者がとても多かったのを覚えています。彼らもまた、大量生産の製品ではなく、チェコやドイツのマイスターが手がけた本物を買い付けに来ていました。

当時は、立地の良いホテルを確保するのも一苦労で、メッセの開催中に次の年、そのまた次の年と、継続して予約を入れていかないと確保できない時代でした。仕方なく、各駅電車で50分ほどかかる田舎町の小さな「ガストホフ」と呼ばれる宿に泊まったこともありましたけど、食事やワインも美味しく、毎日通勤するようにメッセへ通うことも楽しんでいましたね」

長年、日本と世界のクリスマスを見守ってきた山﨑さんだからこそ、日本のクリスマスの変化を感じているといいます。

山﨑さん「小さい頃から、クリスマスはとても身近な存在でした。私自身はクリスチャンではありませんが、祖父がアメリカの文化を好んでいて、私が2〜3歳の頃の記憶にも、家にクリスマスツリーを飾り、ケーキを食べ、朝になるとツリーの下にプレゼントが置いてある——そんな光景が残っています。当時はまだ、どの家庭でもクリスマスを祝う時代ではなかったと思いますが、私にとっては特別なイベントというより、季節の中に自然にある風景でした。

クリスマスのあり方は時代とともに変わってきています。日本のクリスマスは商業的だと言われることもありますが、実はバブル期にかけてのほうが、もっとイベント色が強く、商業的だったと感じています。カップルなら高級ホテルで過ごすのが当たり前、といった空気がありましたから。

それに比べて今は、20代の若い方たちが小さなツリーを選んで、家で大切な人と静かに過ごすなど、家族や身近な人との時間を大切にする形に戻ってきているように感じます。私たちの時代よりもむしろ、クリスマス本来の過ごし方が、暮らしの中に自然と馴染んできているのかもしれませんね」

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今日を思い思いの形で過ごしたら、明日からはまたクリスマスイブ。さっそく来年のクリスマスの準備を始めませんか？