「本城直季 (un)real utopia」が
東京都写真美術館にて開催

2022.03.17

《Tokyo, Japan》2005 (small planetシリーズより) © Naoki Honjo

大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる写真家・本城直季さん。 生まれ育ったまちや世界に不思議な違和感を覚え、 この世界を知りたい、俯瞰したいという思いを原動力に、制作を続けてきた。そんな本城さんの写真展「本城直季 (un)real utopia」が3月19日(土)〜5月15日(日)の期間、東京都写真美術館にて開催される。

《Tokyo, Japan》2002 (small planetシリーズより) © Naoki Honjo

作家初の大規模個展となる本展では、 2007年に木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」シリーズをはじめ、 独自の表現を生み出すまでの試行期の作品や、都市のみならず、学校、公園、工業地帯、森、サバンナに目を向けた未公開作を含む約200点を展示し、写真家・本城直季の目を通して見る 私たちの“まち”の不思議をご紹介。

《untitled》2002 © Naoki Honjo

《Nakayama Racecourse, Chiba, Japan》2005 (small planetシリーズより) © Naoki Honjo

「kenya」シリーズは、本来自然であるはずのサバンナに人工的な違和感を覚えカメラを向けた作品。他にも、地上から は全容が窺いしれない工業地帯を空から覗いた 「industry」シリーズ、東日本大震災発生から3カ月、思わずヘリコプターで向かい撮り下ろした 「tohoku 311」シリーズなど、様々な被写体が、本城を作品制作に駆り立ててきた。これらのシリーズは本展が初公開となる。

《giraffe》2008 (kenyaシリーズより) © Naoki Honjo

《steel mill, Kanagawa》2014 (industryシリーズより) © Naoki Honjo

また、東京都写真美術館での開催を機に、新たに東京の撮り下ろしを敢行。東京五輪開催を目前に控えた2021年夏と同12月の2回にわたり撮影された東京の姿は、まさに私たちの現在地を象徴する日本のポートレートと言えるのではないか。

《Tokyo, Japan》2021 © Naoki Honjo

ミニチュアの世界のような本城さんの作品は、私たちにこの世界の実在と虚構を問いかけつつも、被写体である「まち」や「ひと」に対するあたたかく愛おしげなまなざしを感じさせる。

《beach》2005 (play roomシリーズより) © Naoki Honjo

本巡回展を開催した岩手県での撮影に密着し、制作に対する思いや作品に込められたメッセージを紹介する動画も公開された。普段は見ることのできない空撮の様子は必見。

また、本城直季のこれまでのシリーズを全て網羅し一冊にまとめた図録も販売。見開くとちょうど大判フィルムと同比率になる判型で、画面いっぱいに広がる本城直季の世界を楽しむことができる。飯沢耕太郎(写真評論家)、藤森照信(建築史家、建築家)、 ポール・スミス(ファッションデザイナー)、武内厚子(東京都写真美術館 学芸員)といった豪華な顔ぶれの寄稿にも注目。


本城直季 (un)real utopia
会期 : 2022年3月19日(土)〜5月15日(日)
場所 : 東京都写真美術館 地下1階展示室
   東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間 : 10:00〜18:00(木・金は 20:00 まで) ※入館は閉館時間30 分前まで
休館日: 毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、ただし 5月2日(月)は開館
入場料 : 一般1100円、学生900円、中高生・65歳以上550円
TEL : 03-3280-0099(東京都写真美術館 )
WEB :https://honjonaoki.exhibit.jp/
Twitter : @honjo_exhibit
※諸般の事情により変更することがございます。最新情報は展覧会公式サイト、公式 Twitterでご確認ください。

オープニング記念トーク
日時 : 2022年3月19日(土) 14:00~15:30 (13:30 開場)
会場 : 東京都写真美術館 1 階ホール
登壇者 : 本城直季(本展出品作家)、武内厚子(東京都写真美術館学芸員)
定員 : 190名(先着順)
※当日 10時より 1階総合受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。

本城直季(ほんじょうなおき)

1978年、東京都出身。東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。2007年に実在の風景を独特のジオラマ写真のように撮影した写真集『small planet』(2006年リトルモア刊)で木村伊兵衛写真賞を受賞。近年は、作品制作を続ける傍ら、ANAの機内誌『翼の王国』で連載するなど、幅広く活躍。主な展覧会に「plastic nature」nap gallery(東京, 2015)、「東京 l Tokyo」キャノンギャラリーS(東京, 2016)など。主なパブリックコレクションに、東京都写真美術館(東京)、ヒューストン 美術館(テキサス, アメリカ)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク,アメリカ)など。

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