6月21日から6日間の日程で開催された2023年春夏パリ・メンズ・ファッションウィーク。フィジカルイベントが増えた今シーズンは、40ブランドがパリを舞台にショーを実施。待望のリターン組、初ショーを行った新星デザイナー、パワフルなラグジュアリーブランドが一堂に会し、尽きない創造性を披露した刺激的な一週間だった。
Dries Van Noten
ドリス ヴァン ノッテンは鮮やかなスタイルのミックスを披露
ドリス ヴァン ノッテンは、2年半ぶりのメンズのフィジカルショーを開催。会場となったのはパリ18区にあるガレージの屋上。
ファーストルックは白いシルクのシャツに水玉のネクタイとクラシックなピンストライプのタックパンツを合わせたシルエットだが、スタイリングの仕上げはスキンカラーのチューブ型の胴衣。ダンディとフェミニンが融合するスタイルである。
1940年代にパリで流行した“ザズー”(当時のジャズ愛好家たちの風変わりなファッション)や’80年代のロンドンの型破りなクリエイティブ集団“バッファロー”にも焦点が当てられ、そうした時代のスタイルのムーブメントからもインスパイアされている。
ランジェリー風のトップスやリラックスしたパジャマパンツも印象的で、後半はダイナミックに取り入れられたアルファベット模様や六角形のモチーフがグラフィカル。アーカイブから復活したシノワズリー刺繍もあり、モトクロスやサイクリングのスポーツテイストも。
型にはまったコードを崩し、多彩なスタイルをミックスしてエレガントにまとめ上げる。そんなドリスのクリエイションが今シーズンも冴えていた。
Text:B.P.B. Paris