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NEW ENERGY TOKYOで出会った新鋭クリエイターたち。創造への思いとは?

2025.05.19

様々な分野の注目デザイナーやアーテイスト、企業などがジャンルを超えて一同に集結するクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」。ファッション、ライフスタイル、アートと分野を横断して、多様なクリエイターのエネルギーが集結する本展示。2月14日から16日に開催された本展には総勢350組が参加し、約11,000人もの人々が来場した。クリエイションへの情熱と、時代を見据えた新たな表現を模索する「NEW ENEGY」な注目の5ブランドのクリエイターに、NEW ENERGYで得たものと、創作の源にある核について尋ねました。会場で出会った気鋭クリエイターたちもあわせてご紹介!

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注目のクリエイター&ブランド

AMNI

ファッションを中心に、映像やCG、実写、グラフィックなど各々の個性や世界観を生かした創作・表現活動を行う注目の若手クリエイターチーム、AMNI(アムニ)。2月開催のNEW ENERGYでは、『装苑』本誌で連載中のマスコットキャラクター「ムーンガウス」を起用したキービジュアルを制作したほか、全体のクリエイティブディレクションを担当し、スタッフのユニフォームや特別展示・販売も手がけた。

AMNIにインタビュー!

クリエイティブディレクターという役割をAMNIに託していただいたことが、我々にとって今までにない挑戦となりました。元々はメモ帳に書いていたようなムーンガウスですが、頭に描いている世界観を拡張し、物理的に大きな規模で作り上げるのは非常に難しく楽しい作業でした。立体造形、絵、映像、音、制服と、あらゆる要素から世界観を構築する事ができ、マルチに活動してきたAMNIの集大成となったと思います。「見る人の創造性を呼び起こす」ことをテーマにしていましたが、我々自身がさらにやりたいことを見つけられる機会となりました。

「現代人のための新しい選択肢を創造する」というAMNIの信念があります。
我々がなにかに刺激を受けて物作りを続けてきたように、誰かにとっての刺激や選択肢になりたいと思っています。

1人では出来ない物作りをチームでやるのは、結局のところ対人と人の向き合いです。本気で向き合ったからこそ出来た物には、より人々の共感を生む人間味がにじみ出るのではないかと思っています。

AMNI @amni.center

kooten

テキスタイルアートやモビール、カラフルなクレイをつかったアクセサリーを制作する、コーテン(kooten)。デザイナーの渡部加奈子さんがものづくりを通して素材と伝統、アイディアと手仕事、人と文化、いろんな“交点”の楽しみをシェアする。

kootenにインタビュー!

ブランド設立1年目はオンライン中心の活動で、伸び悩みながら2年目に突入。まだブランドも未熟だったため迷いましたが、新人向けのNEXTエリアがあると知り、思い切ってエントリーしました。結果、趣味嗜好が近い方々とたくさんのご縁をいただくことができました!

驚きだったのは、人間は思った以上に対面でのコミュニケーションにおいて、言葉のほかにも、表情やその人の纏う雰囲気、身振り手振り、あらゆる情報交換をしているということです。直接、みなさまからの反応を受け取ることができ、ブランドの方向性の解像度がグッと上がりました。

バイヤー様からは、商品設計についてアドバイスをいただいたり、その後のPOPUPやショップに置いていただけるお取り組みに繋がりました。対面の展示会ならではの、直感とスピード展開です。

一般開放では、たくさんのお客様とお会いすることができました。一人一人が自分らしい似合うものを選ぶかわいい姿に立ち会えるのは、オンラインでは味わえない幸せな瞬間。刺激をたくさんいただいて、全身にエネルギーを充満させることができました。出展者同士では、お互いに高め合えるすてきな出会いもあり、その後も交流が続いています。

身なりを整える、着飾るというのは、「自己表現」でもあり「見られる」という社会的な意味もあると思っています。みんなそのバランスを取りながら生きている。作品を通じて、「あなたはすてき!」ということを伝えたいです。身につける人を引き立てる、ミニマルでカラフルなアクセサリー。軽くて丈夫という機能面でも背中を押してくれるはずです。自分らしく、自由に。

テクノロジーの発達により世界がより近く、感覚が繋がっていく、その一方で、世界はブロック化していく様相をみせています。

日本に生まれ、この時代を生きる私にできるものづくりは何か?日本国内各地と北欧のテキスタイル産地を訪れて気づいたことは、日本には世界的にも希少なテキスタイル産地が数多く残っているということ。日本語が使えて国際感覚があることを活かして、Made in Japan のものづくりに携わる人々と協業し、それを国内外の使い手の人々に紹介していけたら幸せです。

また、自らの手を動かしてつくるプロジェクトでは、デジタルでは得られない、手から生み出される物質的な感触・温もり・技術を意識しています。こうしたアートやデザインを通した相互コミュニケーションは、きっと資本主義的な利益だけではなく、友情を育み、自由でクリエイティブな社会に向かっていく力になると信じています。

kooten @k.o.o.t.e.n

JEWELRY & HOLIC (ATOWA、ECHELLE、UUUU)

宝飾業界に新たな息吹を吹き込むべく発足。ジュエリープロデューサーの橋本祟宣さんと、NEW ENERGYのコンセプターでもあるクリエイティブディレクターの渡邊睦さんがタッグを組み、新たなスタートを切った。高品質なファインジュエリーを自分のスタイルで日常的に楽しめるよう、3ブランドを通じて提案する。

JEWELRY & HOLICにインタビュー!

既成概念に囚われない表現をNEW ENERGYでできると思い、参加しました。NEW ENERGYは日本では数少ないファッション・クリエイションの祭典です。イベントを通じて、さまざまな方々に自社のジュエリーを見ていただくことが叶いました。

感動や満足感、さまざまな角度からの喜びをジュエリーを通して伝えていきたいと思っています。それを遂行するために、日本ならびに世界のグランメゾンに引けを取らない技術やデザインを磨いております。

ATOWA @atowa2024 
ECHELLE @echelle_2023
UUUU @uuuu_jewelry

KORI ANRI JAPAN

1300年続く工芸品「豊岡杞柳細工」を継承したブランド。加藤かなるさんが原料の栽培から製造過程の全てを手がける本物の手仕事を軸に活動。従来の枠に収まらない作品やオーダーメイドを表現する。

KORI ANRIにインタビュー!

独立後初の東京での出展事業。特別枠で招待して頂くというこの上ない幸運がきっかけでした。

KORI ANRI JAPAN のコンセプトは一言でいうと「守破離」にあります。商品ベースとしているのは国指定の伝統工芸品ですが、アップデートした表現でチャレンジし続けていきたい。というような心です。しかしどこか殻を破りきれていないような感覚を抱いていて、今思うときっかけを探していたかの様にも思います。そんな時にこのイベントのオファーがありました。

生きたクリエイティビティの混在するこの祭典に訪れる来場客やスタッフ、関係者の目や感性に、まだまだ未熟な KORI ANRI JAPAN のパーパスや商品はどう捉えられるのか、正直、気になっていました。催事中には多くの方々と関わらせていただきましたが、最も感じたことは自分の可能性でした。

「もっと自由に」して良いんだ。という思わされる刺激を受けました。
コンセプトは変わらない。その上でより自分の個人的なアイデンティティを解放して作品作りをしていこうと感じさせてくれました。お声がけ頂けたことを本当に感謝しております。

伝統的かつ美しい日本のものづくりの世界。そこには日本人の確かな理念と営み、そして歴史が背景に存在します。

しかし「伝統」を冠せずとも産業や文化というものはアップデートしていかなければ時代に淘汰される。それは至極当然のことだと思います。

つまり従来の豊岡杞柳細工の枠に収まらない既成概念の範疇を超えた作品を表現することは当社の方針であり、この業界の可能性でありそれ以上のものであると信じています。

KORI ANRI @korianri_japan

KANAE YAMASHITA

デザイナーの山下香苗さんが、忙しい毎日を送る人のため、自分の軸に立ち戻るための時間を届けるブランド。トゥリングをはじめ、宝飾品加工の工房で培った技術を活かし、彫りや石留めの繊細な加工が特徴のジュエリーを展開する。

KANAE YAMASHITAにインタビュー!

オンライン化が進む今、実際に手に取ってご覧いただけるNEW ENERGYという場は、作り手にとってとても意味のある空間だと感じています。
クリエイションする想いを自身の言葉でお伝えでき、そこから生まれたお客様との会話から、文字以上の生きたフィードバックをいただくことができるからです。
また、様々なジャンルのクリエイターさまとの交流から伝統的な技術や新しい表現に触れ、刺激をいただけることもNEW ENERGYの醍醐味だと思っています。

KANAE YAMASHITA が作るジュエリーは、彫りの加工を施した繊細で緻密なテクスチャーが特徴です。彫ったジュエリーの表面には光と影が存在し、さまざまな角度で複雑な輝きを放ちます。光の当たる部分とそうでない影の部分の両方を人の性質に重ね、その二つから成る輝きこそ人のあるべき美しさだと思っています。

光のあたる部分だけにフォーカスするのではなく、光と影両面を持つ自分自身を愛し、
その魅力を大切にしてほしいという願いを込めて、おひとつおひとつ大切にお作りしています。

KANAE YAMASHITA @kanae_yamashita

Art Culture Street.に出展したクリエイターたち

CHAIの元メンバーで、マルチクリエイターのYUUKIさんが仲間たちを集めて開催する、アート、カルチャー、音楽、ライフスタイルを楽しめる同名のイベントが、NEW ENERGY TOKYOとコラボレーション!約40のクリエイターが参加した。

山川 錬

グラフィックデザイナーでイラストレーターの山川鎌の人生の出来事を綴ったワッペンダイアリー「HAVE A GOOD DAY」。ポップなイラストとワードの絶妙なバランス感が魅力。

あお山ヒュッテ

東京・青山の山小屋のような空間で、ハンドメイドのオリジナルアイテムやアーティスト作品の展示・販売するお店「あお山ヒュッテ」。今回は、店舗オリジナルのぬいぐるみ「チャーボム」を販売した。

「装苑」でおなじみのクリエイターも!

快歩

特殊メイクを軸に、グラフィック、アートディレクション等、独⾃の世界観を追求した作品制作を⾏い、昨年、「ForbesJAPAN 30 UNDER 30 2024 世界を変える30歳未満30⼈」を受賞した注⽬のアーティスト。「tipsy空間に潜む未知との遭遇」をテーマに作品を展⽰した。

相澤樹(Trinca unplusun、東京アーカイブ)

スタイリストの相澤樹さん、デザイナーの江部奈津子さん、テキスタイルプランナーの永橋彩子さんがスタートしたファッションブランド、トリンカアンプリュアン(Trinca unplusun)。「オトナの女性が遊べるファッション」をテーマに、テキスタイルデザインからスタイリング提案まで、こだわりを持ったファッションアイテムを提案する。さらに、相澤さんは開催期間中に3日間限定のセレクトショップをオープン。東京の今を体現するアパレル、アクセサリーや雑貨のブランドが集結した。

学生ブース「FUTURE FRIENDS」で見つけたニュークリエイター

文化服装学院
ファッションブランドを立ち上げるまでのプロセスを学ぶ、アパレルデザイン科の実践的な授業カリキュラム「FPプログラム」。この授業から誕生し、学内審査会によって選ばれた3つの学生ブランドがNEW ENERGYで最新コレクションを発表した。

Ayami Kurihara

栗原彩実さんがデザイナーを務めるブランド。「NEOKAWAII」をテーマに、20代から30代女性に向けたアパレルを展開する。コクーンシルエットの丸衿コートのような、幼い頃に感じた“ワクワク”を喚起するようなアイテムや、デザイナー自身が描いた絵をオリジナルプリントしたアイテムが魅力。

Ayami Kurihara @kurihara_ayami07

á ton ton

兼子観さんが手がける、ミドルからシニアに向けたメンズブランド。ベーシックとクラシカルをベースに、時代の気分を反映した遊び心あふれるタウンウェアを制作する。ソファ生地を用いたり、コーチジャケットにフリンジをあしらうなど、ユニークなひねりも。次代に受け継がれ得る新たなヴィンテージウェアを創出した。

á ton ton @a_tonton_

共存 

田口大和さんによるブランドで、コンセプトは「人と衣服と環境の共存」。アウトドアウェアやワークウェアを研究し、その機能的構造から着想を得、さらに要素を分解・再構築して付加価値として提案する。ファッションアイテムに昇華したシェルジャケット、構造線をデザインの的に見せるカーゴパンツなどがラインナップした。

共存 @gou_indigou

大阪文化服装学院
スーパーデザイナー学科の現役学生による合同展示ブース「SUPER CREATIVE ACT」には、ASIA FASHION COLLECTIONでWグランプリを受賞し、ニューヨークコレクションでランウェイデビューを果たしたyousuke hagaとBill Billをはじめとする新進気鋭のブランドが参加した。

yousuke haga

デザイナーは芳賀陽介さん。「ナイトホークス」をテーマに、夜にしかない美しさを服で表現したシーズン。手の込んだテキスタイル加工が多く見られ、ニードルパンチの手法でデニムとチェックのウール地を切り替えたパンツや、オパール加工のアイテムが目を引いた。

yousuke haga @yousuke_haga

Bill Bill

世良洸稀さんと、河村小太郎さんのデザイナーデュオによるビル ビル(Bill Bill)。ユニークな発想から生まれるアートピースのような服が持ち味で、今季のテーマは「Colorless bible」(色のない聖書)。幼少期から見ていたという2次元のカートゥーンの「誇張された動き」を、洋服のシルエットに取り入れ、オールホワイトのルックを制作した。

Bill Bill @billbill_official

会場では第98回「装苑賞」の受賞作品の展示や、日本とタイから世界の最前線を目指すクリエイターが約20組参加した「ROTTEN DONUTS」、さらに連日各イベントも開催。クリエイティブの祭典は大盛況のうちに幕を閉じた。

次回開催!
次の「NEW ENERGY」は、大阪で開催される。国内外から150組が集結する2日間に。

「NEW ENERGY OSAKA」
日程:2025年9月13日(土)、14日(日)
時間:11:00〜19:00(14日は17:00まで)
場所:Creative Center OSAKA
             大阪市住之江区北加賀屋3-1-55 名村造船所旧大阪工場跡地
入場無料
現在、出展エントリー受付中。
WEB:https://new-energy.ooo/2025osaka/
Instagram:@newenergy.ooo

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