津森千里「自分自身」
【ファッションデザイナーにとってのミューズとは?】

2023.08.18

一筋縄ではいかない自分自身がいつだってミューズ!

 津森千里さんを知る人ならば、ツモリチサトのクリエイションにデザイナー自身を投影していることに気がついているはず。何故なら、本人こそがブランドのミューズなのだから。

「そう、私は昔から、自分に似合う服とか自分が欲しい服とか、自己中心的に作っているの。だって女性なら、みんなそうじゃないのかな? ソニア・リキエルもココ・シャネルも、自分の服が一番似合ってると思うし。私の場合は作る時に自分のボディバランスに合わせているからか、ファンの方も私に似たような方が多いの(笑)。それがすごく面白くて。性格も明るく、本当に気持ちのいい人が多いから、私も今はこうしてお客さまを直にお相手しながら、自由にクリエイションができているのだと思います。イッセイ ミヤケにいた頃から、自分が好きなものじゃないと作れって言われても作れないので、自分がいいと思うもの、欲しいものを作ってきました。やりたいっていう気持ちが強すぎて、誰も止められなかったと思う。今もそう。周りがやめてって言っても好きだから。

物語を紡ぐことからクリエイションは始まる
自分を主人公に、自分が着たい服を作る

2023年春夏は「Forever adventure」をテーマとしている。津森さん自身を投影したTCカーベル(妖精)をはじめ、ユニークなキャラクターたちが登場する、津森版のピーター・パン。

 クリエイションする時に女性像を考えるというよりは、冒険するとか戦うとか、そういう思いをもとに物語を作っていきながら、登場人物を考えたりすることも。ʼ23年春夏は、私自身がティンカーベルになったり、私なりに楽しみながら作りました。個性を出したいから面白くて、明るくて、楽しそうな服が好き。そうするとテンションも保てるし、自分らしくいられる。それが一番いいなって。人に変って言われても気にしないし、むしろ言われたいくらい。だってつまらなくない? 世間的には、落ち着いて大人っぽくとか、そういう意見もあるのかもしれないけれど、そんな一筋縄ではいかないの。生まれてきたからにはやってみたいこと、作ってみたいものがあるし、皆と同じになる必要はない。それでこうしてものづくりができて、ファンの方に面白がっていただけたら幸せよね」

RIZZOLIから出版したブランドブックの表紙も自ら描いた、キュートな津森さん

29年に及ぶクリエイションの魅力が詰まった一冊の表紙には、ハッピーな津森さんの自画像が。これを見ても、ミューズが彼女自身であることは自明。『TSUMORI CHISATO』 リッツォーリ刊

津森千里 Chisato Tsumori
1976年、文化服装学院ファッションデザイン科を卒業後、’77年にイッセイ ミヤケ インターナショナルに入社し、イッセイ スポーツのデザイナーとして活動。’90年、TSUMORI CHISATOをスタートし、東京コレクションに参加。2003年10月にパリ・コレクションに進出。’17年、ニューヨーク・シティ・バレエ団『Fashion Fall GALA』に衣装デザインを提供。’18年にブランドブックを上梓し、同年、初の展覧会「WAKU WORK 津森千里の仕事展」を開催。’19年より、楽しいものづくりを目指し、活動を続ける。
WEB:http://tsumorichisato.co.jp
Instagram:@tsumori_chisato

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