『装苑』2023年5月号 掲載
photographs:Jun Tsuchiya(B.P.B)
ファッションデザイナーの仕事ってどんなもの? そのリアルを探るべく、新進気鋭のデザイナー、yusho kobayashiの小林裕翔さん、KIRIKOMIのソン・セイさん、nori enomotoの榎本紀子さん、PERMINUTEの半澤慶樹さんの4名の作業場に潜入!ものづくりに欠かせない基礎工程から、各ブランドならではの個性を感じる作業まで、クリエイティブな彼らのとある1日に密着しました。第2回目の今回はKIRIKOMIデザイナーのソン・セイさんのとある1日を覗かせてもらいました。
KIRIKOMI(キリコミ)● デザイナーはソン・セイ。無縫製で洋服とバッグを展開する「KIRIKOMI」、ドットをモチーフにした「KIRIKOMI DOT」、テキスタイルに工夫を施した「KIRIKOMI NUNO」の3ラインから成る。ロマンティックなワンピースをはじめ、スウェットやカットソーなどのカジュアルなアイテムも幅広くラインナップ。
Sun Jing ● 中国・吉林省出身。2019年に文化学園大学服装学部服装造形学科(現・ファッションクリエイション学科)を卒業し、アパレルメーカーに就職。同年に第93回装苑賞を受賞。’20年に自身のブランド、キリコミを立ち上げ、現在は3つのラインを展開している。’22年には、東京・渋谷に路面店をオープン。
Instagram @kirikomi_official
ショップでのディスプレイ作業と新作制作の1日
渋谷にある路面店はキリコミの最新アイテムが最初に並ぶ場所。現在は約2か月に1回のペースで新作が登場。この日もラックを整理しながら新作を並べていく。店内にあるボディには、最新のアイテムや人気のアイテムを主にピックアップして、ソンさん自らコーディネートを組む。
東京都渋谷区神南1-13-15 TEL03-6452-3077
11時〜19時 火曜休
無縫製で作る「KIRIKOMI」、ドットをちりばめた「KIRIKOMI DOT」、テキスタイルにこだわった「KIRIKOMI NUNO」の3つのラインを展開中のキリコミ。現在、4つ目となる新たなラインを構想中のソンさん。デザイン画はiPadを使って描いていく。大まかなサイズ感のイメージもデザイン画に書き込み、工場に渡してパターンに起こしてもらう。デザイン画のみでは分かりにくいアイテムはサンプルをつけることもあるという。
ソンさんが描いたキリコミの服を着た猫のキャラクター。これから展開される新ラインに登場予定!
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