【パリ・メンズ SS2027】ソウシオオツキのパリ初ショー、経験したことのない郷愁が着想源に

6月23日から6日間の日程で、2027年春夏パリ・メンズファッションウィークが開催。ショーとプレゼンテーションを合わせて70の発表枠が並ぶ今回は、40℃近い暑さが予想され、直前に一部ショーの開始時間が変更されるなど、異例のスタートを切りました。そんな幕開けとなったファッションウィークから、注目のコレクションとトピックスをご紹介します。

勢いに乗るソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)が、パリ・ファッションウィークで初のランウェイショーを披露しました。

「より大きな責任を感じ、中途半端なものは出せないという気持ちがありました」

そう語るのは、デザイナーの大月壮士さん。海外では、今年1月の「ピッティ・イマージネ・ウオモ」に続く2度目のショーです。

コレクションのテーマは「The Persistence of Memory(記憶の固執)」。出発点となったのは、大月さんが少年時代に抱いた、経験したことのないリゾートへの郷愁。中学生の頃、友人が「ハワイアンズに行く」と話すのを聞き、それを海外旅行だと勘違いして羨ましく感じた記憶です。

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「子どもの頃の夏休みといえば、おばあちゃんの家へ行くくらい。でも、映画などで見たことしかない光景に、なぜか懐かしさを感じることがあります。最近、自分のクリエイションの核には『郷愁』があることに気がついたんです」

そこから思い浮かべたのは、普段は厳格な父親が、非日常のリゾートで少しだけ羽目を外した姿でした。

「リゾート先では、普段しないようなコーディネートをしたり、服を着崩したりしますよね。人は服を着る時に『旅先だから』『そういう仕様だから』という言い訳を欲していると思うんです。だから、それをプロダクトとして埋め込めないかなと」

その発想から生まれたのが、片方だけ飛び出したシャツの襟、ショーツからのぞくトランクス、外れたようなベルトなど。スタイリングではなく、服そのものの構造によって着崩れたように見せるデザインです。

ブランドを象徴する“日本人の精神性とテーラーリングの技術”に基づくソフトスーツも、さらなる進化を遂げています。

「ソフトとは、生地が柔らかいということではありません。カッティングが丸みを帯びていたり、硬い生地でもソフトに見えたりすること。今回は、ラペルやベルトにも曲線を取り入れています」

素材はほぼオリジナルで、すべて日本国内生産。経糸と緯糸の色を変えたウールやリネン、後染めや洗い加工を施したコットンなど、時間の経過を感じさせる奥行きのある色彩が特徴です。

スニーカーは「アシックス スポーツスタイル」、サンダルは「三陽山長」とのコラボレーション。着脱可能な肩パッドを内蔵したロングコートは「サンヨーコート」との協業によるもので、1980年代にデザイナーの父親が着用していたコートからインスパイアされ、当時のトラディショナルなダブルのシルエットを受け継いでいます。

どこか格好をつけきれない人間らしさや愛嬌がにじむ今シーズン、パリでの初ランウェイは磨き上げてきたブランド哲学とものづくりを世界へ示す舞台となりました。

全ルックを一挙公開します!

Photos : Courtesy of  SOSHIOTSUKI
Text : B.P.B. Paris

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