3月3日から9日間の日程で、2025-’26年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、およそ110のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。

Photo : Courtesy of Loewe
ロエベ(LOEWE)は、メンズとウィメンズのコレクションをプレゼンテーション形式で発表。クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソンは、今シーズンのコレクションを「アイデアのスクラップブック」のように構想したという。
会場となったのは、パリ左岸の高級住宅街にたたずむ18世紀の館(かつてのカール・ラガーフェルドの邸宅)。着想源は、ミッドセンチュリーの先駆者たちによる芸術作品で、17のテーマごとに部屋が分けられ、絵画やアートオブジェと共に、新作が披露された。




館内には、過去のショーやキャンペーンで登場したアートピースも展示。Photos : B.P.B. Paris
特にフォーカスされたのは、20世紀のモダンデザインに大きな影響を与えたアーティスト夫妻、ジョセフ・アルバースとアニ・アルバースの作品。アニの抽象絵画のようなテキスタイルは、当時の作者と同じ技法で再現され、ジョセフの幾何学的なカラーブロックのペイントは、人気シリーズのバッグ「パズル」「スクイーズ」「アマソナ」などに再解釈された。




ジョセフのペイントシリーズ『Homage to the Square』は、幾何学的なカラーブロックが印象的。アニの作品を再現したテキスタイルは、コートとバッグに仕立てられた。Photos : B.P.B. Paris
トロンプルイユ、歪んだ比率や量感など、アンダーソンらしい実験的なアプローチに、アートと手仕事を盛り込んだクリエイションが光る。


メンズのフロアより。Photos : B.P.B. Paris
そのほか、ビーズが連なるようなオーガンジーのドレス、等幅にカットされたレザーバンドのブルゾンやトレンチコートなど、ロエベならではのクラフトマンシップを駆使。クラシックなプリンスオブウェールズのチェック柄は、よく見るとメタリックなフリンジで作られている。




凝ったマテリアルのオーガンジーのドレス(上)とプリンスオブウェールズのコートの展示。Photos : B.P.B. Paris
毛糸、キャビアビーズ、レザーなど、さまざまな素材で作られたバッグやシューズは、個性派ぞろい。メンズ・ウィメンズともに提案された超ワイド幅のサイハイブーツが存在感を放っていた。野菜やアートオブジェをモチーフにした遊び心あるジュエリーも充実。芸術性、創造性、アイデアが詰まったコレクションは、アンダーソンの真骨頂といえるだろう。








オリジナリティあふれる小物がいっぱい!Photos : B.P.B. Paris



































Photos : Courtesy of Loewe
Text:B.P.B. Paris