【SS2023パリコレ・メンズ】待望の日本勢の活躍
vol.6 ターク

2022.07.01

6月21日から6日間の日程で開催された2023年春夏パリ・メンズ・ファッションウィーク。今期はコロナが収束する中、リアルなショーとプレゼンテーションが大幅に復帰し、公式カレンダーの84ブランドのうち、デジタル発表にとどまったのは6ブランドのみ。特に日本勢の活躍が目覚ましく、パリがファッションの国際都市として活気を取り戻したシーズンになった。

TAAKK
力強さとエレガンスが共存するタークの服

パリコレ公式スケジュールで、初のリアルショー参加を果たしたターク。デザイナーの森川拓野は、ブランド設立以来、メンズウェアの可能性を追求し、素材研究に力を入れてきた。想像力に富んだ生地加工をコレクションに取り入れ、そのアイデアを実現するために専門技術者とのコラボレーションを行うなど、多分野にわたるアプローチを続けている。ショーはそうしたデザイナーのこだわりをダイレクトに伝えるものだった。

*ショーは31分ごろからスタートします。

今シーズンは「美しいものを作りたい」という飽くなき思いから始まり、絵画や小説、詩など、心の奥底に語りかけるものと同じ要素をファッションに見出そうとしたという。それは、魂の内面に触れ、ある種の熱狂を呼び起こすような服である。

ショー会場は昔のパリの情緒が感じられる「パサージュ・デ・プランス」。

テーラードジャケットとトレンチコートは、リネンから薄手のコットンローンへと変化し、重厚さと軽快さが融合する。メモリーファブリックの新シリーズを開発し、それに伴う新しいラインの提案もあった。グラフィックは水辺の反射、スタジオの窓辺の花など、身近にある美しいものからイメージ。強い存在感の中にエレガンスが漂うコレクションである。

ランウェイショー後には中庭にモデルが勢ぞろい。凝った生地を間近で見ることができた。

Text : B.P.B. Paris