9月29日から9日間の日程で、2026年春夏パリ・ファッションウィークが開催され、110を超えるブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの注目コレクションや話題のトピックスをご紹介します。

ひときわ注目を集めたシャネル(CHANEL)は、新アーティスティックディレクターのマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)による初コレクションを発表しました。
会場はグラン・パレ。惑星が浮かぶ壮大なデコレーションのもと、披露されたのは“シャネルの宇宙”です。
「シャネルといえば愛。ファッションにおけるモダニティは、あるラブストーリーから誕生しました。私はそこにこそ、美しさを見出します。時間や空間が存在しない、自由の概念。それは、ガブリエル・シャネルが身に纏い、勝ち取った自由なのです」と、ブレイジー。

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イメージソースとなったのは、メゾンの創業者であるガブリエルとの時空を越えた対話。コレクションは“パラドックス” “昼から夜まで” “ユニバーサル”の三部構成で展開され、“パラドックス”では伝統的なメンズのシャツやパンツを再解釈したルックが登場しました。これはガブリエルが最愛の人、ボーイ・カペルからそれらを借りて身に着けていたことに由来します。

合わせたジャケットは、切りっぱなしの裾がすっきりとしたラインを形成。マニッシュなシャツとトレーンを引くスカートのルックもあり、マスキュリン・フェミニンのコントラストをみごとに描いています。


続くのは“昼から夜まで”。タイムレスなシャネルのデイウェアが並んだこの章では、まるで代々受け継がれてきたかのような使い込まれた風合いが表現され、ほつれたツイードは縁取りや刺繍によって再構築。シャネルのコードカラーである白と黒のスーツやドレス、シルクニットのアイテムも豊富に提案されました。花や麦の穂をモチーフにした立体的な装飾、胸元の大きなコサージュが華やかなムードです。


最後は“ユニバーサル”。シャネルを象徴するツイードの格子柄は、手編みのニットやシースルー素材へと姿を変え、カジュアルな雰囲気のシャツのアンサンブルも新鮮です。

ジャケットはスクエアから丸みを帯びたフォルムへ。多種多様なツイードをはじめとする織物には、シルクの裏地が施されるなど、素材へのこだわりが細部に見て取れます。

欠かせないジュエリーは、バロックパール、ガラスの惑星、エナメル加工を施したチェーンなど。斬新さにあふれたコレクションが導き出したのは、自由に、そして力強く前に進む女性像。ブランドの新章にふさわしい、光り輝く幕開けとなりました。















































































Photos : © CHANEL / Courtesy of CHANEL
Text:B.P.B. Paris