「若い才能を発見し、世に送り出す」という精神で、新人デザイナーの登竜門として1956年に創設されて以来、コシノジュンコさん、髙田賢三さん、山本耀司さんなど数多くの著名デザイナーを輩出してきた「装苑賞」。例年6月に開催していた公開審査会は今年、新型コロナウイルスの感染症拡大防止に伴い開催を延期し、昨年までとは異なる形式にて本日、行われた。

事前に収録したランウェー動画を元に無観客で行い、審査員と候補者が会場に集い、動画と実物作品の展示にて審査した。その様子を『装苑』公式YouTubeチャンネル並びに、東京ファッションフィルムのライブにてリアルタイムで配信し、審査結果を発表した。

『装苑』2020年5月号誌上にて掲載された32組の中から、2次審査を経て各審査員が2組ずつ選出し、計16組の候補者が、各3体のミニコレクション形式で発表。日本のトップデザイナー8名の審査の結果、装苑賞は岡本尚美さんに輝いた。

岡本尚美さんは、香蘭女子短期大学テクニカル専攻科在学中。作品テーマは「四次元の可視化」。三次元空間に時間を出現させると四次元空間が生まれるという、相対性理論から発想し、壁のゆがみなどを可視化するPETシートを用いて、体の部位に合わせて切り込みを入れることで立体的に制作。年齢による人体の移ろいからある一瞬を切り取り、体のラインを色の変化で見せることで、人生の一瞬の時間を表現し、審査員から高い評価を受けた。

装苑賞佳作1位はコク・シュホウさん(文化ファッション大学院大学ファッションビジネス研究科ファッションクリエイション專攻ファッションデザインコースを卒業後、金漪国際株式会社の代表取締役)、佳作2位とPR01. TRADE SHOW特別賞のW受賞に輝いたのは石澤 駿さん(北海道文化服装専門学校ファッション研究科)。

配信の様子はこちらからご覧になれます。

※第94回装苑賞受賞作品や公開審査会の模様は、2020年11月27日(金)発売の『装苑』2021年1月号でも詳しくお伝えします。ぜひご覧ください!


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装苑賞 
岡本尚美「四次元の可視化」


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装苑賞 佳作1位 
コク・シュホウ「Don’t suck the life from our oceans」


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装苑賞 佳作2位 / PR01.TRADE SHOW特別賞 W受賞
石澤 駿「火事と喧嘩は江戸の華」


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Photographs:Jun Tsuchiya(B.P.B.)