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【クリスマスまでにしたい22のこと】
スノードームの歴史を学ぶ 
世界最古のスノードームメーカー「Perzy」の物語

街はイルミネーションできらめき、ホリデーギフトがショーウィンドウを彩る、胸躍るような季節がやってきました。

クリスマスは、もうすぐそこ。

この連載では、クリスマスまでの日々を小さなワクワクで満たす記事を、ひとつずつお届けします。

アドベントカレンダーの扉をそっと開くようにのぞけば、

知らなかった物語や、遠い国の文化、とっておきのスポットに出会えるはず。

今回は、「スノードーム」のお話です。

ガラスの中に小さな世界を閉じ込め、静かに舞い降りる雪を眺めて楽しむスノードーム(スノーグローブ)は、クリスマスの装飾品や旅行土産として世界中で愛され、コレクターも多い人気のアイテムです。

スノードームの歴史は、1878年の第1回パリ万博にさかのぼります。地元のガラス会社によって作られ、中には傘を持つ小さな男性の像が入っていたという記録が残っています。その後、1889年のパリ万博でも、エッフェル塔を封入したスノードームが販売され、ペーパーウェイトのお土産として人気を博しました。

一方で、スノードームの誕生秘話として広く語り継がれているのは、1900年に別の場所でスノードームを発明し、現在も世界最古のスノードーム専業メーカーとして、ウィーンで製造を続けている工房「Perzy」の物語です。

創業者であるオーストリアの技師、エルヴィン・ペルツィ(Erwin Perzy) は、ある日、地元の医師から「手術室の照明をもっと明るくしてほしい」という依頼を受けます。エジソンによって発明されたばかりの電球は、まだ十分に明るくありませんでした。

ペルツィは、靴職人たちがろうそくの前に水を入れたガラス球を置き、光を増幅させていた工夫にヒントを得ます。この原理を応用しようと実験を重ねる中で、セモリナ粉 (赤ちゃんの離乳食に使われる白い粉末) をガラス球に入れてみました。

その粉がゆっくりと水の中を漂う様子は、まるで降り積もる雪のようでした。

当時ペルツィは、別の仕事で巡礼者向けにマリアツェル大聖堂の小さな模型を制作していました。そこでひらめいたのです。
水と白い蝋の粒子が入ったガラス球の中に、小さな錫製の教会を入れてはどうだろう――。こうして生まれた装飾品が、世界初の特許を取得したスノードームになりました。

Perzyの工房では現在も職人がひとつひとつ丁寧に絵付けを行い、ほとんど気泡の入らない高品質なスノードームが生み出されています。ドームの中に満たす水にはアルプスの雪解け水が使われ、初代エルヴィン・ペルツィから代々受け継がれてきた、門外不出の「スノーパウダー」を用いることで、時間をかけてゆっくりと雪が降りるようになっています。

日本でも取り扱っているショップがあるので、見かけた際はぜひ手に取って、その美しさを確かめてみてください。

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