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©Fondation Tara Océan
アニエスベー(agnès b.)の創設者であるアニエス・トゥルブレさんと、その息子のエチエンヌ・ブルゴワさんが立ち上げた、海洋研究と保全の推進に取り組むタラ オセアン(Tara Océan)財団。
彼らの活動報告の共有と新プロジェクト発表を目的としたプレス懇談会が、日本支部であるタラ オセアン ジャパン主導の元、1月30日に在日フランス大使公邸で開催された。
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©Sacha Bollet / Fondation Tara Océan
今回の本題は科学調査スクーナー船の「タラ号」。財団の創始者である2人が名付け、気候変動と環境破壊によって海洋にもたらされる影響の調査・研究を目的に、2003年から世界各地で活動してきた。
その特徴の一つは、科学者と共に様々なジャンルで活躍するアーティストが乗船する点。彼らはそこでの体験を自身の作品やプロジェクトを通して表現し、気候変動問題に対する世の中の認知を拡大させていく。
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©︎Thomas Larrat – Fondation Tara Océan
タラ号は、これまで海洋プラスチック汚染や太平洋に生息するサンゴ礁の生態系の研究など、多くの取り組みを行ってきたが、未だ海洋問題に対する課題は尽きない。
近年、財団は人間活動によってもたらされた、地球温暖化による海水温の上昇や海洋汚染に強い危機感を抱いているという。今後は東南アジア海域でのサンゴ礁の研究を8年ぶりに再開するとともに新たに北極を拠点とした「タラ極地ステーション」プロジェクトも開始する。
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©Louison Wary
「タラ極地ステーション」プロジェクトとは、今後世界で起こりうる気候変動が生物多様性に与える影響と、それに対する各地の固有種の適応能力を調査する取り組みだ。
北極は気温の上昇速度が地球の他の地点より3〜4倍早いと言われる。その地で調査を行うことで、今後我々が気候変動に対してどのようなアクションをとるべきか、事前に対策を練ることが期待できる。
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©Fondation Tara Océan
このプロジェクトで使用される新たなタラ号のイメージも公開。従来の帆船型とは異なり、宇宙船のような楕円形が象徴的だ。
これは、水上に長時間常駐する際の海面変動や海氷に対応するため、浮力と耐久面を意識して生まれた形だという。船内では最大18名が乗船し研究を行い、2026年から2046年まで、18ヶ月間に及ぶ滞在を計10回続けていく。
それに加え、タラ オセアン財団は2025年大阪万博にも5月半ばから1ヶ月間出展する予定だ。来場者に海洋環境保全の大切さを伝えることをテーマに、インスタレーションを展示する。
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©︎Nicolas Floc’h
また、今回はタラ オセアン ジャパンの活動報告も実施。これまで日本全国の沿岸のプラスチック汚染の調査、研究をしてきたが、2024年からは新たにブルーカーボン生態系に関する研究も開始。日本での科学調査は、全国の大学の臨海実験施設や、その他の研究機関とともに行っている。
それらの活動を全国の子供達に伝えていく啓発活動も含め、2025年はさらに活動範囲を拡大していく。Tara Océan財団とタラ・オセアン・ジャパン、そしてタラ号の今後の動向を是非チェックしてみてほしい。
Tara Océan 財団
WEB:fondationtaraocean.org
Instagram:@fondationtaraocean
タラ オセアン ジャパン
WEB:jp.fondationtaraocean.org
Instagram:@fondationtaraocean_japan
agnès b.
WEB:agnesb.co.jp
Instagram:@agnesb_officiel