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上白石萌歌の
ぐるぐるまわる、ときめきめぐり
Vol.18  俳優 長濱ねる

2024.06.28

上白石萌歌さんがジャンルを問わず、今気になる人を訪ねて循環問題やサスティナブルをキーワードにお話を伺う連載。今回は俳優としてもプライベートでも交友のある長濱ねるさん。仕事のこと、日常の出来事などなんでも話すことのできる唯一無二の親友のようです。知り合ったきっかけや、お互い普段聞けなかったことなど、楽しい女子トークを2人のファッションシューティングとともに紹介します。

待ちに待ったこの方の登場!

上白石萌歌(以下 上白石) 満を持してのご登場です!初回ぐらいからずっと来てほしいと思ってたよ。

長濱ねる(以下 長濱) 呼んでいただけて嬉しい。気になるクリエーターさんが登場されていて、初回から見ていました。

上白石 役得なの。ずっと会いたいと思っていた人にも会えるし、こうやって親友にも会える。

長濱 それは素敵だね。

上白石 今日はね。いつも会っているけど、あえてこの連載で会わせていただきました。出会いはたしか、2021年に私がナビゲーターをやっていたJ-WAVEの『GYAO! #LOVEFAV』にゲスト出演したとき。意外と出会ってまだ3年ぐらいなんだよね。そのあと『警視庁アウトサイダー』で共演して。こうやってあらためて話す機会ってあんまりなかった気がする。

出会って3年。だけど心を開ける大切な友人

長濱 萌歌ちゃん、今日は何を聞いてくれますか?

上白石 ねるは、私の知っている人の中で、いちばんアンテナを張っている人だと思っている。さっきも今日の服をチェックしていて、すぐに「あ、そのブランドこうですよね」とか言ってたじゃない。自分の好きな事にまっしぐらで探究心の強い人って、あなたぐらいしか知らない。日々どういうことを感じて、知見を広げているんだろうって思って。

長濱 最近気づいたことなんだけれど、調べることがすごく好きなんだなって。好きな服や音楽だけじゃなく、世の中の出来事、賛否、どちらともを調べるのが好き。あとは、誰かとの会話で、知らない単語が出てくると調べないと気がすまない。

上白石 それはすぐスマホで?

長濱 そう。例えば誰かの名前を思い出せないときも、思い出せるまでずっと調べる。

上白石 わからないことがいちばんいやなのね。すごく好奇心旺盛。それは、ねるの書いたエッセイ「たゆたう」を読んでいてもわかる。この人どこまでオタクなんだろうって。ファッションや音楽だけじゃなく、世の中の哲学的なことまで鋭い目をもって見ているなっていう印象があって、多分その鋭さは一般的には知られていないんだろうな。

長濱 好奇心旺盛、確かに。

上白石 ふわっとした印象をもたれがちでしょ。

長濱 そう。私の中で萌歌ちゃんは、出会った時からなぜか信用できる人。出会って日がたっていない時から内面的な相談もした。

上白石 かなり個人的な相談。

長濱 ちょっと辛くなって誰かに連絡したい。ラインをスクロールするけど、友達が多くないから言える人がいない・・・。そんな時、萌歌ちゃんが彗星のごとく現れて。あ、萌歌ちゃんなら聞いてくれそうって。

上白石 いろんなことを相談してくれて、私もこの人のこと信じていいんだってその時思った。それがすごく嬉しかったな。誰かに頼ってみようと思う時や、自分の心の内を明かす時ってすごく緊張する。この人ならわかってくれそうとか、そういうのは肌感でわかるよね。そういう感覚大事にしたい。

1人の時に相手を思う気持ち

長濱 あと、いろいろなことをシェアしてくれるのも楽しい。

上白石 毎回特別な目的があって会うわけでなく、“萌歌ちゃんにあげたいシールがあるから今度会える?”とか、私がすごく悩んでいるときに“今日の夜会える?”とか、さりげなく言ってくれる。大人になるにつれて、学生の時のように“今日会える?”って言える人はどんどん減っちゃうでしょ。そういう人こそ大切な存在。

長濱 “あ、これ萌歌ちゃん好きそう”とか、展示会で“萌歌ちゃん似合いそう”とかつい考えちゃう。それを買い集めて、“渡したいものがあるんだけど会えませんか?”って。(笑)旅行でも、美術館行っても、萌歌ちゃんに買いたいなって。

上白石 わたしも思うよ。不思議だよね。毎週のように会うわけではないけど、会わなくても繋がっているなって感じる。

長濱 それはすごくありがたい。日があいても、それでも変わらずに話せるよね。

上白石 お互いそれぞれ状況は違っても、面白い事件が日常にたくさんあって、そんなことも話すね。

長濱 私トラブルメーカーだから。(笑)

上白石 エッセイを読むように、ねるの話を聞くのがいつも楽しい。

長濱 辛いことがあっても萌歌ちゃんに話してネタにしようって。それで結構乗り越えられる。

上白石 そういう温度感の友達大事かもね。

私たちシェア友だね!

長濱 萌歌ちゃんは私の知らないジャンルにも造詣が深い。今日スタジオで流れていた曲とか。自分が通ってこなかったりするものがあれば聞いてみようとか、萌歌ちゃんがインスタでいいねしてると“萌歌ちゃん興味あるんだ。ググってみよう”ってなる。萌歌ちゃん、興味の幅広くない? 

上白石 私はねるを見習ってる。こんなことまで知っているんだってことが多いよ。普段素通りしがちなことでも、ちゃんと形に残している。すごく感覚が鋭いし。

長濱 うん。私、社会派かも!何事も見過ごさない!(笑) 萌歌ちゃんは、こういう連載で自分から興味を持って“会いたいです”って言えるでしょう。素敵だなと思うし、私にはないからとっても羨ましい。そしてその人を私にも紹介してくれる。シェアしてもらえることが嬉しいし、優しいなって。シェアしてもらうことで、自分の世界が広がるんだよね。

上白石 なぜか紹介したくなっちゃう。普段は友達と友達を引き合わせることはあまりしないんだけどね。シェア友だね。感情もシェアするし、気になることもシェアする。そういう友達は稀有だなって思う。

苦手を知る。違和感を感じることは大切

長濱 「たゆたう」は発売して1年。書いたのは2,3年前なんだけど、あの頃に比べると自分が変わりすぎていてちょっと恥ずかしい。より繊細だった。今は図太くなった!20代前半を本で残せたから、これからの自分をまた執筆したいな。

上白石 他にこういうことをやりたいとか今後の展望はある?

長濱 本が好きだから絵本を書いたり、あと移動本屋さんをやりたい。父が退職後に絵本を3冊ぐらい書いていて。今は孫に読み聞かせるくらいだけれど、父と一緒に移動図書館であちこち回れたらいいなと思ってる。

上白石 司書の資格を取って?

長濱 もう取ったの。

上白石 すごいね。行動力があるね。私たちはまだ20代でいろんな分岐点の前に立っているでしょ。結婚する人もいるしね。今、きちんと土台を作って30代になったらどうなっていくのかなって考えちゃう。どこまで自分の未来に責任を持てるんだろうって。ちゃんと明確に1年後はこうしていたいとか、理想像はしっかり持つタイプ?

長濱 そこまでは持ってないかな。わりといつも直感で行動するタイプ。アイドル時代はセカンドキャリアを考えたこともあったけど。お芝居を始めた時は、近くに第一線で活躍してきた人たちばかりで、こんなところに自分が足を踏み入れていいのかなって、萌歌ちゃんに相談したんだよね。そしたら、“ねるの表現を見てみたい”って言ってくれて。それで、やってみようと思った。結果としてやってみて良かった。その時その時に深く考えず、えい!って飛び込んじゃって進んできたから。でも自分が決めたことだから納得できる。そこに違和感を感じて、苦手だなって思ったらやめる。居心地悪いなと思ったら引き返すようにしてる。だから先はあまり気にしてないかな。萌歌ちゃんは?

上白石 いや、なくて。この前ある俳優さんのインタビューで、「私は20歳の時に65歳までやるべきことを決めていました」って。“え?私、何にもない”って。どこまで自分の未来を見据えるべきなんだろうって最近思って。今ある環境で、どこが居心地悪くて、どこが違和感あるかを見極めるのは大事だね。

長濱 やりたいことを1つずつやっていけば、20代の時に見えなかった新しい目標が出来そう。

10年前は今が予想できなかった。じゃあ10年後は?

上白石 10年前に今の自分が想像できなかったように、この先は全然想像つかないな。ねるは欅坂にいた頃だね。

長濱 萌歌ちゃん、働いてた?

上白石 働いてたけど、学生だったから仕事はそんなに入れてなくて。この先どうなるんだろうなって思っていた。

長濱 この前「リア王」観に行って度肝を抜かれた。普段会っている萌歌ちゃんは圧を感じなくていつもフラット。安心して一緒にいるんだけど、リア王はすごすぎ。俳優さんという仕事に真剣に向き合ってきたんだろうなって思った。歌のシーンも、唯一無二の歌声で会場がふわって浮いたような感じがあって、癒された。あの現場を見られてよかった。さらにリスペクト。

上白石 「リア王」はもう必死にしがみついてやっていた。やっぱりお互いの仕事が気になるよね。この「たゆたう」はお風呂で毎日読んでいて、私はあまりねると結びつかなかった。こんなことを心の中で思っているんだとか、とても多面的な人なんだなとか。2人でプライベートで会うときは、私生活のことを話すけど、そういう時の私たちと別の私たちがあってすごく面白い。

今の自分はとっても好き

上白石 何をしているときが自分らしいと思う?

長濱 何かに没頭しているときが自分らしいかな。ここ1年お芝居をやるようになってから、閉じこもっていてはいけないと思って、積極的に人とコミュニケーションをとるようにしてる。特にドラマは合間に人と一緒にいる時間が多いから。

上白石 逆に一人になる時間がないんだよね。

長濱 そう。人見知りとか言ってられないなって。コミュニケーションとるようになったら、それが意外に楽しくて。ごはん食べたりみんなとお酒を飲んだりすることで、知らない一面も見れて。こういう明るい一面が自分にあったんだって気づいたし、そんな自分が好きになった。

上白石 自分の暗さから明るさを抽出する作業って結構楽しいよね。

長濱 わかる。カラオケも、歌は苦手だけどお酒飲んだら意外といけるとか。そういう発見が楽しい。10代のときの何倍も自分のことが好き。

上白石 年々、人生って楽しいなって感じる。10代の時って自分を受け入れられない時期があったじゃない。人生楽しいって思う気持ちが増しているのは、いい歳のとり方をしているんだと思う。

長濱 受容できる。受け入れられるようになったね。

上白石 多分、がんじがらめになっていたものが許せるようになったんだよね。それでもいいやとか、しょうがないとか。自分を許すことで救われる。

長濱 10代の太っていた頃の写真を見て、ほんとにいやになったことがあったの。でも最近は、それを見ても丸くてカワイイって。この頃も頑張っていたんだなって愛せる気持ちが湧いて。よくも悪くも気持ちを切り離せた。

上白石 10代のいちばん変化していくときに身をさらして。それは辛かったよね。痛みもわかる。それを超えたから今の自分があるんだね。

一緒に旅に出ようよ

上白石 そういえばこの前、急に来週オランダいってくるって気軽に言ってきたけど・・・。(笑)最後に、私と行きたい所は?

長濱 異国に行ってみたいな。インドとか、あとモスクを見に中東とか。

上白石 1人で過ごして夜ご飯だけ合流したりっていうのもあって。そういうのどう?

長濱 大人の旅だね。

NEXT:上白石萌歌と長濱ねるのドレスをまとったスペシャルファッションシューティング

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