お菓子作りというと、「お菓子ってレシピ通りのぴったりのグラムじゃないとだめなんでしょう?無理っ!」と言われることが多いのですが、私はそうでもないよと答えています。もちろんゼラチンのパーセンテージを守ることなどはとても重要ですが、たいがいならどうにかなる、というか好みの範疇!というお菓子の代表がチーズケーキだと思っています。
お砂糖1gの違いよりも大事なのは、丁寧な作業です。
今回のベイクドチーズケーキでいうと、クリームチーズをきちんと柔らかくしたり、材料を混ぜ終わったら一度漉すこと、型に生地を入れた後に中の空気を抜くといった工程などです。
あとは酸味が効いている方が好き、ほろっとする方がいい、プリンのように玉子感がある方がいいとか。何度か作ることで、自分好みの味が見つかるはずです。つまり、今回のレシピは自分好みに育てるレシピの種だと思ってください。だってレシピを書いた自分も、もっと美味しくなるんじゃないのかな?って思っているんですから。
【材料】※15㎝径の底が抜けるタイプの型
クラスト※なくても可
■グラハムクラッカー 80g*
■バター 20g
生地
■微粒子グラニュー糖 73g
■バニラビーンズ 1/4本
■クリームチーズ 285g **
■サワークリーム 55g **
■卵黄 1個、全卵 1個(混ぜ合わせておく)**
■パルミジャーノ・レッジャーノ すりおろし10g
■生クリーム 75g **
■コーンスターチ 8g(薄力粉や米粉で代用可)
■レモン汁 10g **
■バタースコッチ 2g(なくても可)
**印のついたものは全て常温に戻しておいてください。
オーブンを180℃に余熱しておく。
*全粒粉ビスケットなら、お好みのもので大丈夫です。全粒粉ビスケットを使うのは、ざくっとした感じがなめらかなチーズケーキとの相性がよいから。私は「Gerble」と「MiSURA」を半々くらいで混ぜるのが好みです。
※余った卵白は冷凍保存可能。他のスイーツにも展開できますが、それはまた別のに機会に。お味噌汁の具として、または卵白2倍目玉焼きなどに。
【レシピ】
1. 型の底板に合わせてベーキングシートを敷いておく。
※側面にベーキングシートを貼りつけると、チーズケーキの側面自体がブヨブヨになる場合があります。またオーブンの種類によっては、側面に焼き色がつきにくくなります。
2. 鞘からこそげ取ったバニラビーンズの種子を、グラニュー糖に混ぜ合わせて、香りを移しておく。
※種子をこそげ取った後のバニラビーンズの鞘は、ブランデーなどにつけておく。今回のチーズケーキには使用しませんが、風味の写ったブランデーをプリンなどにかけたり、パウンドケーキに使用できます。
3.保存袋にグラハムクラッカーを入れ、綿棒などを使って、細かくする。フードプロセッサーで細かくしても可。
4.細かくしたグラハムクラッカーをボウルに移し、バターを指先や手のひらを使って、全体にからむようにして混ぜ合わせる。
5.型にグラハムクラッカーを広げ、スプーンの背などを利用して、しっかりと押し固める。
6.常温に戻したクリームチーズをゴムベラでしっかりと練り、マヨネーズ状にする。
※冷蔵庫から出してすぐの場合は、ケークシトロンのレシピで紹介したバターを柔らかくする方法と同様にして、マヨネーズ状にする。
7. 6に1を入れ、しっかりと練り混ぜる。
※材料を混ぜ合わせる際、泡立て器の先端をボウルの底につけた状態で、空気を入れないように。この後の全ての工程も同様です。
8.7にサワークリームを入れ、泡立て器ですり混ぜる。
9. 8に卵を3〜4回に分けて入れ、都度よく混ぜ合わせる。
10.パルミジャーノ・レッジャーノ、生クリーム、ふるったコーンスターチ、レモン汁の順に、その都度よく混ぜ合わせる。
11. 10を目の細かい濾し器で漉す。
※口当たりを左右する、大事な工程です。バニラビーンズの鞘や玉子のカラザ、ごろっとしたパルミジャーノ・レッジャーノなどを取り除きます。
12. 11を準備しておいた型に流し入れ、布巾を敷いた台の上に型ごと落として大きな気泡を抜く。
※やりすぎると、底に敷いたグラハムクラッカーが浮いてくるのでほどほどに。
13.180℃のオーブンで15分、その後160℃に下げて20〜25分焼く。
※焼き色が均等になるように、ときおり型を動かす。
14.焼きあがったら(多少ふるふるしている状態で可)、ケーキクーラーの上に乗せて冷ます。
焼きがってすぐにチーズケーキの間にナイフを入れ、ぐるりと一周回しておくとケーキ中央のくぼみが少なくなります。
右がナイフを入れたもの、左がナイフを入れなかったもの。
15.粗熱が取れたら、冷蔵庫で1日寝かし、味の一体感・深みを引き出します。
さあ、これで完成。
育てるという意味でも、1日寝かせていますが(私は2日寝かせたものが好きです)、日々変わる味を堪能するのも楽しいチーズケーキです。
ケーキ製作 アンゴーティ
Instagram:@anngoatie