【もっと知りたい!フランスの田舎のミュージアム ⑥】
レオナルド・ダ・ヴィンチの里へ / アンボワーズ編(後半)

フランスの地方には、意外と知られていないステキなミュージアムがいっぱい。
その土地に根づいた伝統工芸、アート、モードと共に、町の魅力も発見してみて。

アンボワーズ城。ロワール古城めぐりでも人気のここは、宮廷が置かれた華やかな歴史がある一方で、「アンボワーズの陰謀」の舞台となり新教派の大量処刑が行われた暗黒の歴史もある。

イタリアのヴィンチ村で生まれ、フィレンツェ、ミラノ、ローマと渡り歩いたレオナルド・ダ・ヴィンチが最後にたどり着いたアンボワーズ。彼をフランスに呼び寄せたフランソワ1世が暮らしたアンボワーズ城に、レオナルドのお墓があります。

レオナルド・ダ・ヴィンチの墓があるサン=テュベール礼拝堂。

アンボワーズ城は、15世紀から19世紀までフランス王が居住した由緒ある城。ロワール川を見渡す高台にそびえ立ち、ゴシック様式とルネサンス様式が見られるのが特徴です。シャルル8世の時代には、イタリア人によって作られた幾何学的な庭が設計され、これがフランス式庭園の始まりといわれています。

この敷地の一角にあるのが、レオナルドが眠るサン=テュベール礼拝堂です。1519年5月2日、67歳で死去したイタリア・ルネサンスの巨匠は、遺言どおりにアンボワーズ城にあるサン・フロランタン教会に埋葬されました。

サン=テュベール礼拝堂の中。写真左:炎が燃え上がるようなフランボワイヤン様式(フランス・ゴシック後期の建築様式)の特徴が扉にも見て取れる。右:レオナルドの墓。注:現在は修復工事のため、礼拝堂の中には入れません。

フランス革命後の19世紀初頭、その教会は取り壊されてしまいますが、半世紀以上を経た1863年、跡地を発掘中に一体の骸骨が見つかりました。そして、様々な検証の結果からレオナルドのものではないかと判断され、この礼拝堂に移されたのです。

最初に埋葬された教会があった場所に、レオナルドの彫刻が置かれている。

レオナルドが暮らしたクロ・リュセ城(前編で紹介)とフランソワ1世のアンボワーズ城を繋ぐ道。友情を育んだ彼らも肩を並べてこの道を歩いたのではないだろうか…。

レオナルドが晩年を過ごし、フランス・ルネサンス文化が花開いたことでも知られるアンボワーズは、パリのオーステルリッツ駅からTGVで2時間弱。世界で最も有名な絵画にランクされるレオナルドの『モナ・リザ』(ルーヴル美術館蔵)を観た後に、足を延ばしてみてはいかがでしょうか?

Le Château Royal d’Amboise
アンボワーズ城

住所:Montée de l’Emir Abd El Kader 37400 Amboise, France

開館時間: 7月と8月は9時から19時、9月と10月は9時から17時
定休日:1月1日、12月25日
一般料金:13.50ユーロ
公式サイト: www.chateau-amboise.com

Photographs:濱 千恵子 Chieko Hama
Text:B.P.B. Paris

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