アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッドが語る歴史の重要性。
2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークより

2024.03.19

2月26日から9日間の日程で2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークが開催され、100以上のブランドが公式スケジュールで新作を発表。今シーズンの必見ブランドやトピックスをご紹介します。

アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(ANDREAS KRONTHALER FOR VIVIENNE WESTWOOD)のテーマは『THE TAILOR(仕立て屋)』。これは、イタリアの後期ルネッサンスの画家、ジョヴァンニ・バッティスタ・モローニの絵画のタイトル。コレクションについて、アンドレアス・クロンターラー(Andreas Kronthaler)は以下のように解説しています。

「服を作る目的とは何だろうか?それは心を豊かにすることに他なりません。その根底にあるのは欲望であり、それこそが私たちが創造したいものです。これこそがファッションの本質なのです。ヴィヴィアンと出会ったとき、彼女が私と同じように歴史に夢中になっていることにすっかり魅了されました。それは私たちが共有した最初の情熱でした」

着想源となったのは、絵画にも描かれるルネサンス後期の衣装。これまでもヴィヴィアンとアンドレアスは『Patterns of Fashion』(ジャネット・アーノルド著、ヨーロッパの昔のドレスのデザインやパターンを掲載)から多くのインスピレーションを得たきたそうで、歴史的なパターンの重要性を言及しています。友人からもらった数点のスポーツ用プロテクターもアイデアソースになったのだとか。加えて今シーズンは、黒も多用されていました。

「私たちが愛するブラックカラーはとてもファッショナブルでよく見かける色ですが、それはとても使いやすく、それでいてあらゆる色の中で最もエレガントなものです。エレガンスとは何か?エレガンスとは、人の人生の歩み方です。何を着ているか、どのような香りを纏っているか、そういったことはあまり重要ではなく、ずっと大切なのは自分の内面なのです。私たちよりも以前の人生があったことを知ることは大きな意味があります」

@B.P.B. Paris

ショーを盛り上げたのは、オーストリア出身の振付師サイモン・メイヤー(Simon Mayer)を中心とした3人のパフォーマーたち。古くから伝わる民族舞踊をダイナミックに再解釈した音楽とダンスが、コレクションと共鳴し合っていました。

Courtesy of Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood
Text:B.P.B. Paris