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LITTLEBIG(リトルビッグ)/馬渡圭太

馬渡圭太さんインタビュー

ファッションに全力投球して未来を開く

 ファッションアイテムとしてテーラードを提案し、様々なユースカルチャーをミックスして独自のコレクションに昇華するリトルビッグ。デザイナーの馬渡圭太さんは文化服装学院のスタイリスト科(現・ファッション流通科)出身。

 「中学生の時には、明確にファッションの道に行きたいと思っていました。当時はスタイリスト志望。文化服装学院に進んだのは高校時代の先輩が行っていたからです。スタイリスト科は当時、一番ギラギラしていたと思います。ほかの科に比べれば課題が少なく自由時間が多い。友達と休み時間は服の話をして、放課後には一緒に課題をやって、その後買い物に行ったり、誰かの家に集まって将来の夢を話したり。友達だけどライバルのような感じで、僕の周りはみんな、誰よりもカッコいい服で学校に行こうとしてた(笑)。かけがえのない時間でしたね」

 馬渡さんの転機は2年生の夏。セレクトショップ「ファクトリー」で働き始めたことだ。

文化服装学院生時代
行きつけのセレクトショップに誘われ、アルバイトと学生業を並行する日々。19歳で憧れのロンドンに行き、好きなスタイルを再認識した。

  「学校以外の時間は店頭に立っていました。決して華やかで楽しいことばかりではないこの仕事をするための精神力は、学生時代に鍛えられましたね。そんな中、先生が単位を落とさないようアドバイスをくれて、お店のオープニングには足を運んでくださったりと応援してくれた。今でも担任の先生とはつきあいがあります」

 そのまま就職し、バイヤーやオリジナルブランドのデザイナーも務め、30歳で独立。「興味を持ったら素直に深掘りした」先に、コレクションブランドのデザイナーの道があった。

  「デザイナー職は会社から言われて始めたことでしたが、必死だったぶん楽しくて、今につながっています。たくさんの服がある中で選んでもらうには、特化したものや意思がないといけなくて、今も〝常に勉強〟ですね。特にコロナ禍の影響を受ける中、どうやっていい服作りを続けるかは最近の大きな課題。厳しい生産の現場の力にもなれたらと、方法を探っています」

2023SS

トラックジャケット¥40,700、トラックパンツ¥36,300

セーラーカラーシャツ¥41,800 リトルビッグ

馬渡さんが文化の学生時代から好きな1980年代〜’90年代のイギリス文化と音楽のムーブメントがイメージの中心に。そこに’90年代のアメリカのグランジやトラッドの要素もミックス。シグネチャーのテーラードは、大きめな肩のサイズ感が今季らしさ。スケートボードや楽器を楽しむイギリスの若者のムードを、華やかな色も用いて表現した。

2023SSの着想源になった本や映画
ザ・ストーン・ローゼスやオアシス、ザ・スミスといったイギリスのバンドの本、グランジについての本や、名著『TAKE IVY』など。DVDは、右から’96年のオアシスのライブ映像、モリッシーを描く劇映画『イングランド・イ ズ・マイン モリッシー,はじまりの物語』、Factory Recordsのドキュメンタリー『Shadowplayers』、イギリスのフーリガンを描いた映画『フーリガン』。

photographs: Jun Tsuchiya (B.P.B.)

Keita Mawatari
1983年生まれ、青森県出身。2004年、文化服装学院スタイリスト科卒業。在学中より働いていたファクトリーとカンナビスで販売員、バイヤー、3ブランドのデザイナーを経験。’13年に独立し、リトルビッグのデザイナーに。
WEB:https://littlebig-tokyo.com/
Instagram:@littlebig_tokyo  

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