–文化出版局パリ支局より、イベントや展覧会、ショップなど、パリで日々見つけたものを発信。

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セーヌ川沿いに立つ「レ・ドック – モードとデザインの都市(Les Docks – cité de la mode et du design)」。ここにはフランス・モード研究所(IFM)があり、年内に約9,000平米のキャンパスが完成する予定。©Chieko Hama


3月1日から10日まで、2021-’22秋冬パリコレクションが開催されます。

今週のパリは最高気温19度と、早くも春の訪れを感じさせますが、新型コロナの収束は見えず、フランス政府は数週間の警戒が必要と発表したばかり。前回は観客を入れたショーが幾つかありましたが、今回はすべてデジタルプラットフォームで新作が公開されることになります。

参加を予定しているのは94ブランド。日本勢では、ウジョー(UJOH)とワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)が、パリ・ファッションウィークの公式カレンダー初参加となり、期待が寄せられています。

ウジョーを手がける西崎 暢(にしざき・みつる)さんは、ヨウジヤマモトでパタンナーを務めた後、2009年にブランドを設立。2016年にジョルジオ アルマーニによる若⼿デザイナーのサポートプログラムで支援を受け、ミラノ・ファッションウィーク期間にショーを開催しました。昨年3月には、パリで初ショーも行っています。

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ウジョーの2021年春夏コレクションより。


ワタル トミナガの富永航(とみなが・わたる)さんは、南フランスで開催される若手ファッションデザイナーの登竜門「イエール国際フェスティバル」で2016年にグランプリを受賞。様々なアーティストとコラボレーションを行うなど、幅広いフィールドで活動し、昨年9月にはニューヨーク・ファッションウィークに初参加しました。

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ワタル トミナガの2021年春夏コレクションより。

また、ファッションウィークの幕開けは、新体制となったパリのモード学校「フランス・モード研究所(Institut Français de la Mode = *IFM)」の卒業制作ショーが予定されていて、こちらも初のお披露目。

*IFMは特にファッションマネージメントの分野で国際的に高く評価されてきた高等教育機関ですが、パリを世界のファッション教育の中心地にすべく、歴史あるシャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ校(Ecole de la Chambre Syndicale de la Couture Parisienne)を統合。2019年1月に発足した新体制のIFMでは、ファッションデザイン、マネージメント、クラフツマンシップの3つを柱としたプログラムが組まれ、ファッションデザインにおいては学士(Bachelor of Arts)と修士(Master of Arts)のプログラムの構築により、5年間を通して学べるようになりました。


このほかにも、新進気鋭のブランドから気になるハイブランドまでが登場するので、公式サイトでスケジュールをぜひチェックしてみて!

AW2021-2022 PARIS FASHION WEEK公式サイト:
https://parisfashionweek.fhcm.paris


Text:Mariko Mito(B.P.B. Paris)


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